眠れない、でも
集中力は落としたくない。
受験期の不眠に、薬に頼らないという選択を。世界の第一選択とされる不眠の認知行動療法(CBT-I)を、模試・本番の予定に合わせた3回の短期集中で。“眠る力”そのものを取り戻します。
この記事のポイント
- CBT-I(不眠症の認知行動療法)は、薬に頼らず“眠る力”を取り戻す治療。世界の主要ガイドラインが慢性不眠症の第一選択としています。
- 眠気・ふらつき・依存の心配が小さく、集中力や記憶力が大切な受験生に配慮しやすい方法です。
- 2026年6月から日本でも保険診療になりましたが対象は限られます。当院はお薬の処方がなくても最初からCBT-Iを受けられます。
- 受験生の「眠れない」はこころの不調のサインのことも。眠りだけを切り離さず、全体の状態として見立てます。
- 当院は忙しくても完走しやすい3回の短期集中。模試・本番の予定に合わせて開始時期を調整します。
起きられない・日中の眠気で悩んでいませんか
朝、起きたい時間に気持ちよく起きられない
眠ったはずなのに、朝になっても疲れが抜けない
授業中や自習中に強い眠気がきて、集中できない
模試や本番が近づくと、緊張で眠れなくなる
睡眠薬は「集中力に響かないか」と不安で使いたくない
眠れないのは「気のせい」でも「気合いが足りない」せいでもありません。整え方のある状態です。
受験生の「眠れない」「起きられない」を、軽く見ない
受験生の不調は、大人の不調と比べて「よくあること」「みんな通る道」と軽く見られがちです。なかには「眠れないくらい甘え」「怠けでは」と感じてしまう人もいるかもしれません。
けれど、心身の不調を抱える可能性は、大人でも子どもでも同じようにあります。成績が思うように伸びない、周りと比べて焦る、親や先生の期待がつらい――こうした気持ちが積み重なれば、眠れなさやうつ症状に発展しても不思議ではありません。
「これくらいみんな耐えている」と我慢し続ける必要はありません。眠れない日が続くこと自体が、休息と手当てを必要としているサインです。
そもそも不眠症とは?
不眠症とは、眠る時間が十分にあるのに、寝つけない・途中で目が覚める・朝早く目が覚める・眠っても回復した感じがしない、といった状態が続き、そのために日中の生活――授業や自習、模試での集中――に支障が出ているものを指します。
寝つきが悪い
夜中に目が覚める
朝早く目覚めてしまう
眠っても疲れが残る
これらが週に3日以上、3か月以上続くとき、慢性不眠症と診断されます。厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査」では、睡眠で十分に休養がとれていないと感じる人は成人の約4人に1人(約25%)にのぼります。受験期のように、強いプレッシャーと生活リズムの乱れが重なる時期は、特に眠りが乱れやすくなります。

「眠れない」は、こころのサインのことも
不眠は、それ自体が悩みであると同時に、こころの不調の“入り口の症状”であることもあります。実際、うつ状態では「寝たいのに眠れない」「夜中に何度も目が覚める」といった睡眠の乱れがよく見られます。
特に10代〜20代前半は、心が大きく揺れ動く時期です。思春期特有の心の動きや、まだ発達の途中であることも重なり、不調の原因を見きわめるのは大人以上に難しく、専門家でも慎重な判断が必要になります。
注意したいのは、若い時期にうつ症状が出ること自体が、双極症(躁うつ)の可能性を示す所見のひとつになりうる、という点です。気分の波や、背景にある特性によって、眠れなさや気分の落ち込みがあらわれている場合もあります。だからこそ、「眠れない」だけを切り離さず、こころ全体の状態として見ていくことが大切です。
こうした見きわめが必要なため、特に18歳未満の方や、強い気分の落ち込みが疑われる場合には、児童思春期を専門とする医療機関での評価が望ましいことがあります。眠りの問題が単独なのか、その奥に手当てすべきものがあるのか――まずは正しく知ることが、回復への近道です。
「頭がまったく働かない」「何日も眠れない」状態が続くとき、あるいは「消えてしまいたい」「ここから逃げ出したい」と感じるときは、我慢や気合いで乗り切ろうとしないでください。家族・先生・スクールカウンセラーなど信頼できる大人に話し、早めに専門機関に相談することが大切です。あなたは、助けを求めていい存在です。
世界の不眠症治療の第一選択:認知行動療法(CBT-I)
世界の主要な診療ガイドラインは、慢性不眠症に対してまずCBT-Iを行い、効果が不十分な場合に薬物療法を短期間だけ併用する、という順序を勧めています。米国内科学会(ACP・2016年)、米国睡眠医学会(AASM・2021年)、欧州睡眠学会(2023年改訂)のいずれも、CBT-Iを第一選択治療として位置づけ、薬物療法は第二選択・短期使用としています。

日本では、実際には“お薬が第一選択”になりがち
ガイドライン上の考え方は世界と同じでも、日本では実際には睡眠薬による薬物療法が“事実上の第一選択”として広く行われてきました。急性期の薬物療法に重きが置かれ、その結果として睡眠薬の長期使用が課題と指摘されています(『心身医学』2025年)。背景には、CBT-Iを提供できる医療機関や専門家がまだ少ないこと、2026年6月まで保険適用外だったこと、そして「眠れない → とりあえず睡眠薬」という流れが定着していることがあります。
CBT-Iの保険適用は、なぜ対象が限られるの?
2026年6月から、不眠症のCBT-Iは公的医療保険の対象になりました。ただし対象は限られており、保険で受けられるのは (1) うつ病や不安障害を合併した不眠症の方、または (2) 2種類以上の睡眠薬を使っても効果が不十分だと医師が判断した方 です。
つまり制度上は、「一度お薬を試して効かなかった」か「うつ・不安の併存がある」ことが前提です。副作用や依存が心配で最初から薬を避けたい方や、まだ薬を始めていない方は、世界の第一選択であるCBT-Iを保険では受けにくい構造のままです。当院では、お薬の処方がなくても最初からCBT-Iを受けられます。
受験生にこそ、「薬に頼りすぎない」を大切に
睡眠薬や、心の不調に使う薬は、つらい時期を支える助けになることがあります。一方で、心も体もまだ成長の途中にある若い人では、薬の使い方により慎重な判断と管理が求められます。大人と効き方や反応が異なることもあり、専門家のあいだでも、若年者への使い方は議論が続いています。
だからこそ、ご家族の理解が得られているなら、まずは薬に頼りすぎず――生活の記録をもとに“眠る力”そのものを育てるCBT-Iのような方法から考えたい、というニーズが高まっています。ただし、これは「薬を絶対に使わない」という意味ではありません。病状によっては薬が必要になることもあり、その判断は医師が行います。大切なのは、思い込みで決めつけず、正しい評価のうえで、本人が納得できる方法を選ぶことです。
CBT-Iと睡眠薬は、どう違う?
薬とは違い、身につけた習慣や考え方そのものが変わるため、治療を終えたあとも効果が続きやすいのがCBT-Iの特徴です。集中力や記憶力が大切な受験生にとって、下の違いは特に大切です。
認知行動療法(CBT-I)
- 効果の持続
- 治療を終えたあとも続きやすい
- 依存・耐性
- なし
- 日中の眠気・ふらつき
- 原則なし(集中力に配慮しやすい)
- 効果が出るまで
- 数週間(導入初期は一時的に眠気)
- 費用の性質
- 通院分のみ・継続的な薬代なし
- ガイドライン上の位置づけ
- 第一選択
睡眠薬
- 効果の持続
- 服用している間に効く
- 依存・耐性
- 種類により依存・耐性の可能性
- 日中の眠気・ふらつき
- 出ることがある
- 効果が出るまで
- 比較的すぐ
- 費用の性質
- 飲み続ける薬代がかかる
- ガイドライン上の位置づけ
- 第二選択・短期使用
睡眠制限法は、導入初期に日中の眠気が一時的に強まることがあります。集中力が必要な受験期だからこそ、模試や本番の直前は避け、ある程度ゆとりのある時期から始めるのがおすすめです。双極症(躁うつ)の方などは慎重に進めます。開始のタイミングは、予定や体調に合わせて一緒に決めていきます。
ベスリの短期集中睡眠CBT-I
ベスリクリニックでは、お薬の処方がなくても最初から不眠に対するCBT-Iを受けられます。世界基準の治療を、不眠の入り口の段階から、無理なく。受験生が学業と両立しやすいよう、次の3つを大切にしています。
要点を絞った3回
標準的なCBT-Iは4〜8回。当院は核となる技法に絞った3回の短期集中で、忙しい受験期でも完走しやすく、早い段階で“眠れる手応え”を目指します。
睡眠の感受性を見る
眠りは3つの生体リズムの組み合わせ。どれに反応しやすいか(=感受性)には個人差があります。それを見極めながら、睡眠制限などを無理のない範囲で調整します。
仕組みごとわかる
「なぜ眠れる/眠れなくなるのか」もお伝えします。論理的に納得できると続けやすく、受験後や社会人になってからも、自分で立て直せるようになります。
眠りを支える3つの生体リズム
朝の光や夜の暗さで整う、体内時計のリズム
日中の活動量や体温の上下に応じて変化するリズム
起きている時間と眠っている時間の配分で決まるリズム
体質や時計遺伝子の傾向も踏まえ、一人ひとり専用の睡眠プランを設計します
世界の研究が示したCBT-Iの効果
これまでに世界で行われた13件の研究(合計823人)のデータを集め、3つの方法を比べた解析があります。

薬は飲んでいる間だけ効くことが多い一方、CBT-Iは「眠る力」を育て、受験後も役立つスキルが残ります。
依存・日中の眠気・ふらつきのリスクが小さく、集中力や記憶力に配慮しやすい方法です。
治療の脱落もCBT-Iのほうが少なく、始めてすぐの効果も上回っていました。
くり返しやすい不眠症だからこそ、続けやすさが魅力です。
受験生のあなたへ ― 自分の心を、一番に
受験期のストレスは、自分で思っている以上に心身の不調を引き起こします。「これくらいみんな耐えている」と我慢せず、自分に合ったストレスとの付き合い方を見つけることが大切です。
信頼できる人に話を聞いてもらう/同じ悩みの人と気持ちを分かち合う
1日のどこかに好きなことの時間をつくる/食事と睡眠の環境を整える
あわせて、ストレスの原因そのものを減らす工夫も大切です。親や先生のプレッシャーが重いと感じるなら、「プレッシャーを感じていると伝える」「第三者の大人に相談する」「自分に合った志望先を考える」といった方法もあります。
CBT-Iは、生活の記録をつけ、自分で取り組むことで力を発揮する治療です。だからこそ、まわりに言われて“受けさせられる”ものではなく、あなた自身が「やってみたい」と思えることが何より大切です。納得できないまま無理に始める必要はありません。
ご家族・保護者の方へ
受験生が抱える心の負担は、まわりが思うより大きいものです。「期待してるよ」「勉強は進んでる?」——励ますつもりの一言が、知らないうちに重荷になることもあります。大切なのは、不調に早めに気づき、こじれる前に専門家につなぐこと。若い人の落ち込みは双極症などの可能性も含めて見立てが難しいため、「眠れない」「頭が回らない」が続くなら、早めの相談を考えてください。
「わかってくれている」と感じられるだけで、心はずいぶん軽くなります。そして治療は、本人の納得があってこそ。無理にすすめず、気持ちを尊重しながら、一緒に選んでいただけたらと思います。
よくある質問
神田・大手町エリアで睡眠の認知行動療法・不眠症治療に強い心療内科をお探しの方から、よくいただくご質問をまとめました。
CBT-I(不眠症の認知行動療法)とは、どんな治療ですか?
CBT-Iと睡眠薬は、どちらがよいのですか?
「眠れない」だけで受診してよいのでしょうか?
睡眠薬を飲んでいても、CBT-Iを始められますか?
学校・部活・塾で忙しいのですが、続けられますか?
効果が出るまで、どのくらいかかりますか?
睡眠制限法はつらくありませんか? 受験勉強に影響しませんか?
未成年でも受けられますか? 保護者の同伴は必要ですか?
親に「受けなさい」と言われていますが、気が進みません。
アプリやセルフケアだけでも改善しますか?
受験直前でも始められますか?
何回くらい通う必要がありますか?
学校帰りや土日でも通えますか? アクセスを教えてください。
Supervised by — 理事長
田中 遥
医療法人社団ベスリ会 ベスリクリニック 理事長/専門:心療内科・睡眠障害内科
「環境・身体・認知」の観点から状態を分解し、その場しのぎではなく、再発しない形で日常や学業に戻り、自分の力で歩んでいける未来を目指す診療を行っています。
働く人の心の
診療実績
TMS治療
(薬に頼らないうつ治療)
著書・
監修書籍
メディア出演
・掲載・講演
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※本記事は不眠症とその治療に関する一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。治療の適応や進め方は、診察のうえ医師が判断します。強い気分の落ち込みや「消えてしまいたい」といった気持ちが続くときは、我慢せず、信頼できる大人や専門機関にご相談ください。
出典:米国内科学会(ACP, 2016)/米国睡眠医学会(AASM, 2021)/欧州睡眠学会(2023改訂)ガイドライン、厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査」、『心身医学』2025、CBT-Iに関するメタ解析(13研究・823人)。