静かな退職とは?原因・サインと今すぐできるセルフチェック|働く人の心療内科 ベスリクリニック






Quiet Quitting

「頑張れない」は、
甘えではありません。

必要最低限の仕事はこなせるのに、それ以上は頑張れない。やる気が戻らない。それは意志の弱さではなく、心と身体からのサインかもしれません。

産業医経験を持つ医師が診療。神田駅徒歩1分、夜間・土日も診療。

監修:ベスリクリニック東京 理事長 田中 遥(心療内科・睡眠障害内科) |
 公開日:2026-07-08 更新日:2026-07-08

Introduction

静かな退職(クワイエット・クイッティング)とは、実際に会社を辞めるのではなく、契約や役割で決められた範囲の仕事だけをこなし、それ以上の努力や自発的な関わりを意識的に手放していく働き方を指します。遅刻や欠勤といった目に見える変化がないため周囲には気づかれにくく、本人も「サボっている」という自覚のないまま、意欲だけが少しずつ落ちていくケースが多く見られます。

国内でも珍しい状態ではありません。マイナビの調査(2026年)では、正社員の46.7%が自分は静かな退職の状態にあると感じており、20代では半数を超えています。一方、行動特性から分類した別の調査では、該当者は働く人の6%程度という結果もあり、「自分がどう感じているか」と「行動としてどう分類されるか」で数値の幅が生まれています。

(出所:マイナビ「正社員の静かな退職に関する調査2026年」、日本経済新聞 2026年5月21日)

意欲低下最低限主義心のブレーキ
全体20代30代40代50代 47% 53% 48% 43% 40% 思う+やや思う あまり思わない 思わない+答えたくない
年代別の自認割合。原資料のグラフから概算で作成した目安の数値です(出所:マイナビ「正社員の静かな退職に関する調査2026年」)

01 ─ Self-check

こんなサインはありませんか

「以前はできていたことが、今はつらい」——そう感じたら、次のようなサインが出ていないか振り返ってみてください。どれも珍しいものではありませんが、複数が重なり長く続く場合は、心と身体が助けを必要としているサインです。

やる気が戻らない

以前は工夫していた業務も、最低限で済ませるようになった。

朝がつらい

出勤前に強い倦怠感や動悸を感じることが増えた。

気持ちが動かない

評価や成果に対して、以前ほど何も感じなくなってきた。

眠りが浅い

寝つけない、途中で目が覚める日が続いている。

普段の生活に影響が出ている場合は、心療内科への相談を検討するタイミングです。

4つのタイプから見る「静かな退職」

就業実態調査の分析では、静かな退職に近い状態は「仕事の成果」と「幸福度」の組み合わせで4タイプに分けられるとされています。

自己満足型戦略型 無気力型割り切り型 満足度は高いが成果に課題効率よく定時で完了 成果乏しく意欲も低下成果は高いが不満あり 仕事の成果 → 幸福度 →
「働く1万人の就業・成長定点調査」の分析をもとに作成(出所:日本経済新聞 2026年5月21日)
自己満足型

職場環境や人間関係には満足しているが、成果や技量に課題。女性・50代・バックオフィスに多い傾向。

戦略型

経験と能力を生かし、効率よく定時で仕事を終える。60代・専門職に多い傾向。

無気力型

成果が乏しく、自己啓発にも積極的でない。男性・20代・製造/物流系職種に多い傾向。

割り切り型

業務遂行能力は高いが、職場や仕事に不満がある。30〜40代・事務系職種に多い傾向。

(出所:日本経済新聞 2026年5月21日)無気力型に近く、加えて強い倦怠感や不眠が続く場合は、働き方の選択というより心身のサインである可能性があります。

02 ─ Causes

意欲は、ある日急になくなるわけではない

静かな退職は、ある日突然始まるわけではありません。長期間の業務過多、慢性的な睡眠不足、努力してもきちんと評価されない実感の積み重ねが自律神経やホルモンバランスに影響し、脳が「これ以上頑張ると壊れる」と防御的に意欲へブレーキをかけている状態と考えられています。責任感の強い人ほど、限界まで気づかずに頑張り続けてしまう傾向があります。

原因の 内訳 不一致 16.0% 評価不満 17.0% 損得勘定 18.8% 無関心 20.6% 特に理由はない 27.6%
静かな退職に至った理由の内訳(出所:マイナビ「正社員の静かな退職に関する調査2026年」)
不一致(16.0%)

仕事内容や職場環境が本人に合っていないことによる意欲低下。

評価不満(17.0%)

処遇や評価に対する不平・不満。

損得勘定(18.8%)

「キャリアアップは責任が重くなるだけ」と考え、あえて敬遠。

無関心(20.6%)

変化や上昇そのものを価値観として求めない。

(出所:マイナビ「正社員の静かな退職に関する調査2026年」)無関心を除く3タイプ、全体の半数近くは、仕事内容や評価制度、職場でのコミュニケーションなど、働きかけ次第で変わりうる部分でもあります。決められた仕事はきちんとこなした上で過剰な奉仕から距離を置く——静かな退職は「サボり」ではなく、過重労働やバーンアウトから自分を守る線引きとして機能している場合も少なくありません。

背景には、国際的に見ても低い仕事満足度があります。

0% 50% 100% 46% 47% 88% 85% 日本 海外6か国平均 男性 女性
フルタイム・無期雇用者の仕事満足度(「とても満足」+「満足」の合計)。海外6か国(独・仏・英・米・中・スウェーデン)は単純平均。(出所:リクルートワークス研究所「Global Career Survey 2024」)

03 ─ Difference

うつ病・適応障害との違い

静かな退職とうつ病・適応障害はしばしば地続きです。意欲の低下だけでなく、強い不安や動悸、慢性的な頭痛や倦怠感、涙もろさ、眠れない日が続くといった症状を伴う場合は、治療が必要な段階に進んでいる可能性があります。自己判断で様子を見るより、一度専門医に相談することをおすすめします。

静かな退職

意欲は低下しているが、最低限の業務や日常生活は保てている状態。

うつ病・適応障害の可能性

動悸・不眠・強い倦怠感などの身体症状を伴い、日常生活にも支障が出ている状態。

04 ─ How it works

受診の流れ

Web予約から初診までの流れです。

Web予約24時間いつでもWebから予約できます。当日の初診受付にも対応しています。
問診現在の状態や困りごとを問診票でお伺いします。
診察産業医経験を持つ医師が、環境・身体・認知の観点から状態を確認します。
治療方針の相談カウンセリング・漢方・TMS治療など、薬に頼らない選択肢も含めてご提案します。
通院・フォロー無理のないペースで通院し、再発しない働き方を一緒に整えていきます。

Supervised by — 理事長

田中 遥(たなか はるか)

医療法人社団ベスリ会 ベスリクリニック 理事長/専門:心療内科・睡眠障害内科

「環境・身体・認知」の観点から状態を分解し、診断書の発行だけでなく、再発しない形で社会に復帰し、自立して働ける未来を目指す診療を行っています。

17,000+

働く人の心の
診療実績

5,000+

TMS治療
(薬に頼らないうつ治療)

約20冊

著書・
監修書籍

20件+

メディア出演
・掲載・講演

FAQ

よくある質問

静かな退職とは何ですか?
実際に退職はせず、決められた業務だけをこなし、それ以上の努力や関わりを意識的に手放していく働き方のことです。意欲の低下や心身の不調が背景にあることが少なくありません。
静かな退職はうつ病のサインですか?
必ずしもうつ病とは限りませんが、意欲低下が2週間以上続く、強い倦怠感や不眠を伴うといった場合は、うつ病や適応障害のサインである可能性があります。早めのご相談をおすすめします。
静かな退職とバーンアウト(燃え尽き症候群)の違いは何ですか?
バーンアウトは強い消耗感や達成感の喪失を伴う急性的な状態であるのに対し、静かな退職はより緩やかに意欲を手放していく状態です。放置するとバーンアウトやうつ病に移行することもあります。
静かな退職の原因にはどのようなものがありますか?
長期間の業務過多、正当に評価されない実感の蓄積、慢性的な睡眠不足などが重なり、心身が防御的に意欲を下げている状態と考えられています。
この状態でも心療内科を受診できますか?
受診できます。診断名がついていない段階でのご相談も可能です。早い段階でのご相談が、回復までの期間を短くすることにつながります。
心療内科に通っていることは会社や家族に知られますか?
ご本人の同意なく受診の事実が会社や家族に伝わることはありません。プライバシーに配慮して診療を行っています。
薬を使わずに治療できますか?
カウンセリング、漢方治療、薬を使わないTMS治療、睡眠の認知行動療法(CBT-I)など、薬に頼りすぎない治療法を組み合わせてご提案しています。
初診の予約方法と当日の流れを教えてください。当日受診はできますか?
ご予約はWeb予約で承っています。当日の初診受付にも対応しています。来院予約フォームからお申し込みください。
静かな退職をしている人はどれくらいいますか?
調査によって幅があります。マイナビの2026年調査では正社員の46.7%が自分は静かな退職の状態にあると感じており、20代では半数を超えています。一方、行動特性から分類した調査(日本経済新聞)では、該当者は働く人の6%程度という結果もあります。自己認識の調査か、行動の分類かによって数値は変わります。
静かな退職は良くないことなのでしょうか?
必ずしも悪いことではありません。決められた仕事はきちんとこなした上で、過剰な奉仕や無理な要求から距離を置く、自分を守るための線引きとして機能している場合もあります。ただし、強い倦怠感や不眠、涙もろさなど心身の症状を伴う場合は、働き方の選択というより心と身体からのサインである可能性があるため、一度ご相談ください。

参考:マイナビ「正社員の静かな退職に関する調査2026年」/リクルートワークス研究所「Global Career Survey 2024」/日本経済新聞(2026年5月21日)。統計は各調査元の定義・方法により異なります。

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静かな退職は、意志が弱いからではなく、心と身体からのサインです。早めのご相談が、回復までの時間を短くします。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の診断・治療を保証するものではありません。症状には個人差があり、効果を確約するものではありません。強い気分の落ち込みや体調の急変がある場合は、早めに医療機関を受診してください。