過敏性腸症候群(IBS)|原因・症状と薬に頼らない治療法を専門医が解説|ベスリクリニック東京






Gut & Stress

会議の前に、お腹が痛くなる。
その不調には、理由と対処法があります。

検査をしても異常が見つからないのに続く腹痛・下痢・便秘。ストレスと腸の状態は、思っている以上に密接につながっています。産業医経験を持つ医師が原因を一緒に整理し、無理なく続けられる治療法をご提案します。

神田駅 徒歩1分/当日の初診受付にも対応

監修:ベスリクリニック東京 院長 田中 遥(心療内科・睡眠障害内科) | 公開日:2026-07-06 更新日:2026-07-06

Introduction

過敏性腸症候群(IBS)とは、腸そのものに炎症や潰瘍などの目に見える異常がないにもかかわらず、腹痛や下痢・便秘といった症状が繰り返し起こる疾患です。「気にしすぎ」ではなく、腸の動きや知覚が過敏になっている状態として医学的に説明できます。人によって程度の差はありますが、決して珍しいものではなく、同じ悩みを抱える方は少なくありません。

特に、通勤電車や会議、プレゼンの前など「決まった場面」で症状が出やすいことも特徴のひとつです。

本ページの情報は一般的な医学情報の解説です。症状の程度や体質には個人差があるため、気になる症状がある場合は自己判断せず医師にご相談ください。

01 ─ Types

症状の出方でわかる、4つのタイプ

IBSは便通の変化のしかたによって、下痢型・便秘型・混合型の3つに大きく分けられ、いずれにも当てはまらない便通異常は分類不能型として扱われます。ご自身がどのタイプに近いか、まずは目安として確認してみてください。複数が重なることも珍しくありません。

下痢型 急な腹痛と下痢を繰り返す 混合型 下痢と便秘を交互に 便秘型 硬い便・残便感が続く 分類不能型:上記に当てはまらない便通異常
症状の出方は下痢型〜便秘型の間で連続的に分布し、混合型はその両方を行き来します。どちらにも当てはまらない便通異常は「分類不能型」として扱います。
下痢型

急な腹痛とともに下痢を繰り返す。外出前や移動中に不安を感じやすいタイプ。

便秘型

硬い便や残便感が続く。お腹の張りを伴うことが多いタイプ。

混合型

下痢と便秘を交互に繰り返す。体調の波が読みにくいタイプ。

分類不能型

上記に当てはまらない便通異常。腹部の不快感が中心となるタイプ。

02 ─ Causes

原因は「脳腸相関」— ストレスが腸に伝わる仕組み

脳と腸は自律神経でつながっており、ストレスを感じると脳(視床下部・扁桃体)から腸へ信号が伝わり、動きや知覚が敏感になります。これを「脳腸相関」と呼びます。この信号は、主に2つの経路で腸に伝わります。

不安・ストレス きっかけとなる出来事 視床下部・扁桃体 ① HPA系(内分泌) コルチゾール ↑ ② 自律神経系 交感神経が優位に 腸の反応 腹痛・下痢・便秘 ↻ 症状への不安が新たなストレスに
不安やストレスは、HPA系(内分泌)と自律神経系という2つの経路を通じて腸に伝わります。腸の反応への不安が新たなストレスとなり、同じ経路を再び刺激する悪循環に注意が必要です。

① HPA系(内分泌)

視床下部→下垂体→副腎皮質と伝わり、コルチゾールが増加。腸の運動や粘膜のバリア機能に直接影響します。

② 自律神経系

不安時は交感神経が優位に。腸は迷走神経から強く支配されているため、蠕動運動の速さや分泌がすぐに変化します。

ストレスと便通の関係性

この2つの経路を通じた神経系の変化は、腸の動き(蠕動運動)に直接影響します。動きが速まれば下痢に、動きが乱れて滞れば便秘につながりやすくなります。ストレスと過敏性腸症候群が密接にかかわっているのは、こうして便通そのものが神経系の反応として変化するためです。

腸は「セカンドブレイン」と呼ばれるほど独自の神経系(腸管神経系)を持ち、体内のセロトニンの多くも腸に存在します。脳と腸は迷走神経を通じて常に双方向で信号をやり取りしており、脳の状態が腸に、腸の状態が脳に、と影響し合っています。仕事のプレッシャーや緊張が続くと、この仕組みを通じて腹痛や便通異常として体に現れやすくなります。

厄介なのは、「また症状が出るかもしれない」という予期不安自体が新たなストレスとなり、同じ経路を再び刺激して症状を悪化させる悪循環に陥りやすい点です。

当院では、この悪循環をどこで断ち切るかを一緒に考えていきます。

03 ─ Checklist

こんな症状があれば、ご相談ください

✓ 3か月で月4日以上の腹痛・不快感

お腹の痛みや不快感が、この3か月で月に4日以上ある。

✓ 排便前後で症状が変化する

排便の前後で症状が良くなったり悪くなったりする。

✓ 便の回数や硬さが症状とともに変わる

症状とともに、便の回数や硬さが変わる。

✓ 検査で「異常なし」なのに症状が続く

病院の検査で「異常なし」と言われたのに症状が続いている。

✓ 特定の場面で症状が出やすい

通勤・会議・面接など、特定の場面で症状が出やすい。

気になる症状がある よくあるIBSの症状 腹痛・下痢・便秘が続く 検査では異常なし 注意すべきサイン 血便・体重減少 発熱を伴う 心療内科でご相談を 消化器内科と連携し検査へ
腹痛・下痢・便秘が続き検査で異常がない場合は、まず心療内科でご相談ください。血便・体重減少・発熱を伴う場合は、連携する消化器内科での検査をご案内します。
注意:血便、原因不明の体重減少、発熱を伴う場合は、他の病気が隠れている可能性があります。必要に応じて連携する消化器内科をご案内します。

04 ─ Flow

受診から治療方針の決定まで

初診から治療方針が決まるまでの、おおまかな流れです。

問診症状の経過やストレス要因となっていそうな出来事を伺います。
除外確認必要に応じて消化器内科と連携し、他の病気がないか確認します。
診断症状のタイプを踏まえ、今後の方針をご説明します。
治療方針の決定生活習慣の調整・カウンセリング・薬物療法を組み合わせます。
経過観察定期的に症状を確認しながら、無理のない範囲で調整します。
1 問診 2 除外確認 3 診断 4 治療方針の 決定 5 経過観察
問診・除外確認を経て診断し、治療方針を決定した後も、無理のない範囲で経過観察を続けます。

05 ─ Treatment

薬に頼りすぎない、3つのアプローチ

症状の背景にあるものに合わせて、無理なく続けられる方法を組み合わせます。

01

生活習慣・食事

睡眠リズムの調整や、症状の引き金になりやすい食事(脂肪分・カフェイン・アルコールなど)の見直しから始めます。

02

ストレスへの対処

カウンセリング(認知行動療法)を通じて、症状と不安の悪循環に距離を置く方法を身につけます。

03

薬物療法(必要な場合)

腸の動きを整える薬や整腸剤を、症状のタイプに合わせて必要な範囲で処方します。

STEP 1 生活習慣・食事 STEP 2 ストレスへの対処(カウンセリング) STEP 3 薬物療法(必要な場合) 無理なく続けられる毎日へ 薬物療法だけに頼らず、症状のタイプに合わせて組み合わせます
薬だけに頼らず、生活習慣の見直しを土台に、ストレスへの対処、必要に応じた薬物療法を段階的に組み合わせます。

06 ─ Counseling

IBS外来

働く人のストレスの多くは、仕事や家庭の人間関係から生まれます。当院のIBSカウンセリングは、その方の状態に合わせてベーシックなカウンセリング、トラウマによる自律神経の変動の調整、必要に応じた薬の処方まで、実際に効果が見込める方法を中心に組み立てます。

ベーシックなカウンセリング

仕事や家庭の人間関係など、ストレスの背景にあるものを一緒に整理していきます。

自律神経の調整

トラウマによる自律神経の変動がある場合は、その乱れを整えるアプローチを行います。

薬の処方による改善

症状やストレス反応の強さに応じて、薬の処方を組み合わせて改善を図ることもあります。

Supervised by — 院長

田中 遥(たなか はるか)

医療法人社団ベスリ会 ベスリクリニック 院長/専門:心療内科・睡眠障害内科

「環境・身体・認知」の観点から状態を分解し、診断書の発行だけでなく、再発しない形で社会に復帰し、自立して働ける未来を目指す診療を行っています。IBSについても、脳腸相関の仕組みを踏まえた診療をご提案します。

17,000+

働く人の心の
診療実績

5,000+

TMS治療
(薬に頼らないうつ治療)

約20冊

著書・
監修書籍

20件+

メディア出演
・掲載・講演

FAQ

よくある質問

IBSは治りますか?ずっと付き合っていく病気ですか?
生活習慣の見直しやストレスへの対処法を身につけることで、症状が大きく改善したり、気にならなくなるまで落ち着くケースは少なくありません。焦らず、ご自身に合った付き合い方を一緒に見つけていきます。
心療内科と消化器内科、どちらを受診すればいいですか?
血便や体重減少、発熱など「他の病気を疑うサイン」がなく、ストレスとの関連が強い場合は心療内科から始めていただけます。必要に応じて消化器内科と連携し、検査をご案内します。
ストレスが原因と言われましたが、気の持ちようだと思われている気がして抵抗があります。
IBSは「気の持ちよう」ではなく、脳と腸が自律神経を介して影響し合う「脳腸相関」という体の仕組みによって起こる疾患です。気持ちの問題として片付けず、体の反応として一緒に整理していきます。
薬だけで治したいのですが、可能ですか?
症状を和らげる薬を使いながら、生活習慣やストレスへの対処を並行して見直すことで、より安定した状態を目指せます。薬だけに頼らない治療をご希望の場合もご相談ください。
会社に知られずに通院できますか?
ご本人の同意なく受診の事実が会社や家族に伝わることはありません。プライバシーに配慮して診療を行っています。
通院はどのくらいの頻度・期間が必要ですか?
症状の経過を見ながら、最初は2〜4週間に一度の通院を目安にご案内し、状態が安定してきたら間隔を延ばしていきます。
予約方法と当日の流れを教えてください。
Web予約フォームからお申し込みいただけます。当日の初診受付にも対応しています。来院予約フォームからお申し込みください。

Ease Your Gut, Ease Your Day

その不調、
「気のせい」で終わらせないために。

一人で抱え込まず、症状の背景にあるものを一緒に整理しましょう。

来院予約はこちら

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の診断・治療を保証するものではありません。症状には個人差があり、効果を確約するものではありません。気になる症状がある場合は自己判断せず、医師にご相談ください。