本文へスキップ
Stress & Dizziness
ストレスめまい
ふわふわ浮くような感覚、立ちくらみ、緊張すると悪化するめまい——その背景には、耳や脳の病気だけでなく、ストレス・自律神経の乱れ・睡眠不足が隠れていることがあります。ベスリクリニックでは、薬にできるだけ頼らず、原因の見極めから治療までサポートします。
監修:ベスリクリニック東京 理事長 田中 遥(心療内科・睡眠障害内科) | 公開日:2026-07-10 更新日:2026-07-10
Introduction
「検査では異常なしと言われたのに、ふわふわ・ぐらぐらするめまいが続いてつらい」——働く人のめまいには、内耳や脳の病気だけでなく、ストレス・自律神経の乱れ・睡眠不足が深く関わっていることがあります。
大切なのは、「めまいそのもの」だけを問題にしないこと。緊張やプレッシャーが続く毎日、眠りの浅さ、不安の高まりが、めまいを起こしやすく・続きやすくしています。この記事では、めまいの種類・危険なサイン・原因・今日からできるセルフケア、そして薬に頼りすぎない治療までを、順に整理します。
01 ─ Types
めまいの3つのタイプ
ひとくちに「めまい」と言っても、感じ方によって疑われる原因は異なります。まずはご自身のめまいがどのタイプに近いかを確認してみてください。複数のタイプが重なることも珍しくありません。
自分や周囲が「ぐるぐる」回る感覚。良性発作性頭位めまい症(BPPV)やメニエール病など、耳(内耳)の病気で多く見られます。
「ふわふわ」「ぐらぐら」と雲の上を歩くような感覚。ストレス・自律神経の乱れ・睡眠不足・PPPDなど、心身の要因が関わりやすいタイプです。
立ち上がった瞬間に「くらっ」として目の前が暗くなる感覚。血圧調節の乱れ(起立性低血圧)や貧血、過労・自律神経の疲れで起こります。
いくつかのタイプが混ざることもあります。自己判断で様子を見続けず、症状が続く場合は受診をおすすめします。
02 ─ Emergency
まず確認:すぐに受診が必要なめまい
めまいの多くは命に関わりませんが、脳梗塞・脳出血など脳の病気が原因のめまいは緊急の対応が必要です。次のような症状をめまいと同時に伴う場合は、この記事を読み進める前に、救急要請(119番)または救急外来・脳神経内科をすぐに受診してください。
話しづらさや、言いたい言葉が出てこない症状。
片側の手足に力が入らない、感覚がおかしい。
突然の強い頭痛を伴うめまい。
目の見え方の急な異常。
気を失った、呼びかけへの反応が鈍い。
立てない・支えなしで歩けないほどのふらつき。
03 ─ Causes
検査で異常がないのに、めまいが続くのはなぜ?
耳鼻科や内科、脳の検査を受けても原因が見つからない——。そのようなめまいの背景として、心療内科の外来では次の3つがよく見られます。ひとつの原因ではなく、複数が絡み合って起こります。
① 自律神経の乱れ
自律神経は、血圧・心拍・平衡感覚の微調整を担っています。長時間労働やプレッシャー、不規則な生活が続くと交感神経が過剰に働き続け、脳への血流や平衡のコントロールが不安定になって、ふわふわ感や立ちくらみが起こりやすくなります。
② ストレス・過労・睡眠不足
睡眠が足りないと、平衡感覚を統合する脳の働きが低下し、めまいの感じやすさが増します。「繁忙期に悪化する」「休日は少し楽になる」という波がある方は、ストレスと睡眠の影響を疑うサインです。
③ PPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)
3か月以上ほぼ毎日続く浮動性のめまいで、立っているとき・歩いているとき・スクロール画面や人混みなど動く視覚情報で悪化するのが特徴です。最初のきっかけは耳の病気や強いストレスでも、脳が「揺れへの警戒モード」から抜け出せなくなることで慢性化すると考えられています。抗不安薬だけに頼らず、認知行動療法や段階的なリハビリが有効とされる、比較的新しく整理された疾患概念です。
04 ─ Mind & Body
めまいと一緒に起こりやすい、こころの不調
めまいは、不安症・パニック症・うつ病・適応障害・不眠症などと併存しやすい症状です。特に「めまいがまた起きたらどうしよう」という予期不安は、それ自体が自律神経を緊張させ、めまいを悪化させる悪循環をつくります。
05 ─ Which Clinic
めまいは何科? 受診先の選び方
めまいの受診先は、症状の出方で選ぶのが近道です。
ろれつが回らない、手足のしびれ・麻痺、激しい頭痛など「危険なサイン」を伴うとき。
ぐるぐる回る回転性のめまい、聞こえの低下・耳鳴り・耳のつまり感を伴うとき。
貧血・血圧・不整脈など、からだの病気が心配なとき。健康診断で指摘があるとき。
検査で異常がないのに続くふわふわ感、ストレス・不安・不眠を伴うめまい、PPPDが疑われるとき。
06 ─ Treatment
薬に頼りすぎない、めまい治療という選択
セルフケアで改善しない、あるいは抗不安薬をなるべく増やしたくない——そんなときは、専門的な治療の出番です。当院では、めまいを「環境・身体・認知」の3つの観点から分解し、薬だけに頼らない複数のアプローチを、その方の状態に合わせて組み合わせます。症状を抑えるだけでなく、再発しにくい状態で働き続けられることをゴールにしています。
カウンセリング(CBT)
「また倒れたらどうしよう」という予期不安や回避行動をゆるめ、めまいの悪循環を断ち切ります。PPPDにも用いられるアプローチです。
睡眠治療・漢方
背景の不眠を薬に頼らず整える睡眠の認知行動療法(CBT-I)と、体質に合わせた漢方治療で、めまいの土台から整えます。
メンタル鍼灸・TMS
鍼灸で自律神経のバランスを整え、うつ症状を伴う方には薬を使わない磁気刺激治療(TMS)も選択肢に。心と身体の両面から支えます。
07 ─ Kampo
めまいのタイプで使い分ける、漢方治療
漢方では、めまいを「気虚(エネルギーの不足)」「気逆(気が上へ突き上げる状態)」「水毒(体の水分バランスの乱れ)」「冷え」といった体質の偏りから捉えます。同じめまいでも、感じ方と体質(証)に合わせて処方を使い分けるのが漢方治療の特徴です。
苓桂朮甘湯
立ち上がった瞬間に「くらっ」とするめまい・立ちくらみに。気の不足(気虚)や気が上へ突き上げる「気逆」が背景で、のぼせ・動悸を伴うタイプに用いる代表的な処方です。
五苓散
「くるくる」と回る回転性のめまいに。体の水分バランスの乱れ(水毒)をさばく処方で、天気や気圧の変化で悪化するめまい・頭痛にも使われます。
真武湯
雲の上を歩くような「ふわふわ」する浮動性のめまいに。背景に冷えと水毒があるタイプで、体を温めながら水分バランスを整えていきます。
08 ─ Self-care
今日からできるセルフケア
受診までの間も、次のような工夫でめまいの悪化を防ぎやすくなります。まずは無理なくできることから始めましょう。
FAQ
めまいについて、よくある質問
ストレスでめまいは起こりますか?
検査で異常がないのに、めまいが続くのはなぜですか?
PPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)とはどんな病気ですか?
めまいは何科を受診すればいいですか?心療内科でも診てもらえますか?
耳鼻科で「異常なし」と言われました。受診してもよいですか?
めまいと不眠は関係がありますか?
薬を使わない治療はありますか?
めまいで仕事がつらいです。診断書はもらえますか?
当日受診はできますか?アクセスと診療時間を教えてください。
受診したことが会社や家族に知られませんか?
Supervised by — 理事長
田中 遥(たなか はるか)
医療法人社団ベスリ会 ベスリクリニック 理事長/専門:心療内科・睡眠障害内科
「こころ・脳・身体」の観点から状態を分解し、診断書の発行だけでなく、再発しない形で社会に復帰し、自立して働ける未来を目指す診療を行っています。ストレスや自律神経によるめまいについても、薬に頼りきらない選択肢をご提案します。
働く人の心の
診療実績
TMS治療
(薬に頼らないうつ治療)
著書・
監修書籍
メディア出演
・掲載・講演
Reservation
そのめまい、我慢しながら
働き続ける前に。
「異常なし」と言われためまいにも、原因と治し方があります。原因を一緒に整理し、薬に頼りすぎない形で改善を目指しましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の診断・治療を保証するものではありません。症状には個人差があり、効果を確約するものではありません。強い頭痛・しびれ・ろれつが回らないなどを伴うめまいは、ためらわず救急を受診してください。服用中の薬の調整は自己判断せず、必ず医師にご相談ください。