メンタル不調の「両立支援」が、2026年6月から保険対象に。
うつ病・適応障害などのメンタル不調も、治療と仕事の両立支援が保険診療で受けられるようになりました。ベスリクリニックは、働く人に特化した心療内科として産業医がいない企業も使える場面別の「ベスリのメンタル勤務情報提供書」で、会社とメンタル主治医の連携をサポートします。
※本ページは2026年6月施行の診療報酬改定にもとづく一般的な情報提供です。
算定要件の詳細は厚生労働省の公表資料をご確認ください。
What’s new
2026年6月の改定で
メンタルの両立支援はこう変わった
厚生労働省の改定(基安労発0305第2号/令和8年6月1日施行)により、「療養・就労両立支援指導料」が見直されました。
| 項目 | 改定前(〜2026年5月) | 現行(2026年6月〜) |
|---|---|---|
| 対象疾患 | 身体の7疾患のみ(がん・脳血管疾患・指定難病・肝疾患・心疾患・糖尿病・若年性認知症) | 全疾患が対象に。うつ病・適応障害などメンタル不調も対象 |
| 使える書類 | 勤務情報提供書/主治医意見書 | + 本人が作成し会社が確認する「両立支援カード」も選べる |
産業保健の現場にとってのインパクトは明確です。これまで身体の7疾患に限られていた両立支援が、うつ病などメンタル不調にも開かれました。あわせて、本人が作成できる「両立支援カード」も選べるようになっています。
※診療報酬の点数など医療機関側の算定の細部は、本ページでは割愛しています。産業保健の実務に必要な範囲でまとめています。
図1改定の変化(産業保健の視点)
身体7疾患に限られていた対象が、うつ病などメンタル不調にも拡大。書式の選択肢も増えました。
The barrier
メンタルの両立支援を阻む
「連携の壁」
約7割の産業医が、精神科医・心療内科医との連携に苦慮した経験があるとされます。とりわけメンタルでは、主治医が職場へ情報を出すことに慎重になりがちです。その理由は——
本人の不利益への懸念
病名や障害名を職場に伝えることで、解雇・降格・職場内の偏見や差別につながらないか。
情報の取り扱いが不透明
提供した情報が、社内で誰に、どう扱われるのか分からない。
依頼者の立場が見えない
会社の都合で動いているのか、本人のための支援なのかが、書面から読み取れない。
How it works
そもそも
「療養・就労両立支援指導料」とは?
メンタル主治医が、患者の就労状況を把握したうえで、勤務先と必要な情報連携を行うしくみです。やり取りはシンプルです。
図2書類のやり取り(会社 ⇄ メンタル主治医)
会社が「勤務情報提供書(またはカード)」を出すと、メンタル主治医が職場に沿った意見書を返します。やり取りの起点は、会社側です。
この書面が会社から出てはじめて、メンタル主治医は職場の実情に沿った意見を返せます。会社が一枚の書面を整えることが、連携の出発点です。
When
メンタルの両立支援は、
いつ始めていい?
「両立支援」と聞くと、つい“復職のとき”だけをイメージしがちです。
でも実際は、受診前から復職後まで、関わるポイントは一つではありません。
受診前 → 休職前・休職中 → 復職前 → 復職後 →(再発・フォロー)と、関わるポイントは複数あります。早い段階から関われるほど、本人も会社も動きやすくなります。
大切なのは、場面によって「メンタル主治医に確認すべきこと」が変わるという点。ところが現行の両立支援カードは身体疾患向けの汎用様式が1枚あるだけで、1枚ですべてをまかなおうとするためメンタルでは使いづらい。そこで当院は、就労の流れを時系列で整理し、場面ごとに分けた「ベスリのメンタル勤務情報提供書」(9様式)を用意しました。
図3就労の流れ × 9つの様式
受診前の気づき・早期フォローから、休職・復職をはさんで満了まで。関わるポイントは複数です。下の表で、各場面で「メンタル主治医に確認したいこと」を確認できます。
| タイミング | このときメンタル主治医に確認したいこと | 様式 |
|---|---|---|
| 不調はあるが休職に至らない (早期フォロー) | 一定期間フォローし、安定したら卒業(2週 → 1か月 → 3か月安定で終了) | 様式9 |
| 休職前 | 働き続けられるか/休職を要するか(就業継続の可否・休職の要否) | 様式1 |
| 休職開始時 | 会社が求める復職基準=療養中の治療目標のすり合わせ | 様式2 |
| 休職中 | 治療経過の確認・連絡の頻度/異動(配置転換)の相談 | 様式3 |
| 復職前 | 復職基準の再確認・事前のすり合わせ(想定外の判断を防ぐ) | 様式4 |
| 復職後 | 必要な配慮の確認・慣らしの見直し・配慮を外す時期 | 様式5 |
| 再発・再休職時 | 前回の経過をふまえた対応・配慮の見直し | 様式6 |
| 判断が割れるとき | 復職可否がメンタル主治医と職場でずれたときのすり合わせ(Risk/Capacity/Tolerance) | 様式7 |
| 休職満了が視野に | 復職・満了・退職の見極め | 様式8 |
どの場面でも、必要なときに必要な一枚を選ぶだけ。「いま、何を聞けばいいのか」に迷いません。
Download
ベスリのメンタル勤務情報提供書(9様式)の無料ダウンロード
メンタルの両立支援に使える「ベスリのメンタル勤務情報提供書」(全9様式)を、Word形式で無料配布しています。産業医がいない企業の保健師・人事の方も、本人同意のうえそのままお使いいただけます。

Word形式(.docx)。本人同意のうえご利用ください。「様式またはこれに準ずる様式」の範囲で、自社の業務に合わせた調整も可能です。
Documents
会社が用意する書類は2種類
メンタルの両立支援で会社側が準備するのは、次のいずれかです。
返書が「③ 主治医意見書」になります。
勤務情報提供書
患者と会社が共同で作成する、詳しい書面。会社が状況を整理して伝えるほど、メンタル主治医は職場の実情に沿った意見を出せます。
- 職務内容・勤務時間・業務の負荷・通勤
- 会社が提供できる配慮(時短・在宅・配置転換 等)
- 確認したい事項・立ち位置・情報の取り扱い
両立支援カード
患者本人がチェックボックス形式で簡便・迅速に作成し、会社の確認を経て提供する様式です。
- 会社の確認を経た場合が算定の要件
- もともと身体疾患向けの項目が中心
- メンタルの場面ではやや使いづらいのが実情
「自社向けに変えると保険から外れる?」→ 外れません。
算定時は「様式またはこれに準ずる様式」を用いる必要がありますが、必要な勤務情報が伝わる範囲で、自社の業務に合わせた調整は可能です。保険の算定可否は医師側の要件であり、会社の書式を整えること自体が算定を妨げるものではありません。
書類に「配慮」を書くときは、性質を3つに分けるとメンタル主治医に伝わりやすくなります。当院の様式はこの整理を組み込んでいます。
図4「配慮」の3類型(R・C・T)
メンタルの「配慮」は性質が混ざりがち。3類型に分けると、必須の対応と希望の配慮が整理できます(様式5・様式7で特に活用)。
Who
産業医がいなくても大丈夫|
保健師・人事が主役
「うちには産業医がいない」「いても紹介状を書かない」——そんな中小企業でも、メンタルの両立支援は進められます。
-
書類は「会社と本人」の共同作成
勤務情報提供書は産業医が書く前提ではありません。両立支援は本来、会社と本人の取り組みです。
-
意見書の受け取りは「会社側」でOK
メンタル主治医の意見書は、会社側(人事・産業保健スタッフ・本人)が受け取れます。産業保健スタッフ(保健師等)がいなければ、人事(企業)が受け取って差し支えありません。
-
両立支援は「待ってくれない」
産業医の選任義務は50人以上の事業場のみ。いても嘱託は月1回程度のことが多く、復職や配慮の判断には迅速さが要ります。身近な保健師・人事が動けることに大きな意味があります。
図5意見書は「会社側」が受け取る
書面を作るのも、意見書を受け取るのも会社側(人事・産業保健スタッフ・本人)。産業保健スタッフがいなければ、人事(企業)が受け取って差し支えありません。
Why us
ベスリクリニックは、
メンタルの両立支援に特化しています
「連携の壁」を熟知したうえで、産業医がいない企業でも実践できる両立支援を専門的に支援します。
「ベスリのメンタル勤務情報提供書」(9様式)
場面別フォーマット
両立支援カードは身体疾患向けで使いづらい——そこで当院は、メンタル不調の方を企業と協力して支えるための様式を場面別に9種類作成しました。上記マップの9場面に対応し、確認したい事項・職場の状況・立ち位置の表明・情報の取り扱いという、メンタル主治医に伝わるべき要素があらかじめ整理されています。
患者さんの立場を、最後まで守ります
安心の情報の取り扱い
情報の取り扱いは、使用目的を限定し、本人同意を得たうえで共有することを徹底。解雇・降格など不利益を目的に用いることはありません。働く方が安心して治療に専念できる環境づくりを、何よりも大切にしています。
復職から定着まで、一貫したサポート
就労を見据えた支援
休職中の治療はもちろん、復職可否の判断材料の提供、職場復帰後の配慮の助言、再発予防まで——就労を見据えた一貫した支援を、会社のご担当者と直接連携しながらお手伝いします。
Scope
当院が対応する不調と、対象のめやす
「この社員さんを紹介してよいか」の判断に。当院は働く人のメンタル不調を幅広く診療しています。
働く人のメンタル不調全般
仕事や日常に支障が出ている、こころと体の不調に対応します。
- 適応障害/うつ病
- 不眠症(睡眠の不調)
- 不安障害・パニック障害
- 自律神経失調症
- コロナ後遺症(ブレインフォグ)
- PMS(月経前症候群)/男性更年期
別途のご相談が必要なケース
次のような場合は通常の枠での対応が難しく、状態を伺ったうえで、適切な専門医療機関をご紹介することがあります。
- 18歳未満(児童・思春期)の方
- 入院・救急対応が必要な重症/急性期の状態
- 特定の診断歴・入院歴がある場合(事前確認が必要)
- 緊急の対応を要する状態(救急・専門機関へ)
※対応の可否は状態により判断します。迷う場合もまずはご相談ください。詳しい受付条件は予約時にご確認ください。
For referrers
当院へご紹介いただく先生・ご担当者の方へ
患者さんを当院へご紹介・受診案内いただく際は、その場面に合った「ベスリのメンタル勤務情報提供書」をお使いいただくと、両立支援をスムーズに始められます。書式は当院サイトからご利用いただけます。
- ✓場面に合った当院の様式(9種類)をそのままお使いいただけます。
- ✓貴社で既にお使いの勤務情報の書式があれば、それでも構いません。
- ✓わからない項目は、無理に埋めず空欄のままで構いません。書ける範囲の情報で十分です。
FAQ
よくあるご質問
うつ病などメンタルの不調でも、両立支援の保険は使えますか?
メンタルの両立支援は、いつから始められますか?
産業医がいなくても、両立支援はできますか?
「両立支援カード」と「勤務情報提供書」は何が違いますか?
会社の様式を自社向けに変えると、保険診療から外れますか?
産業保健側は、まず何をすればいいですか?
メンタルの治療と仕事の両立を、
あきらめないために。
「従業員の両立支援を相談したい」「産業医がいないが復職支援を進めたい」企業のご担当者・保健師の方、また働くご本人からのご相談も承っています。