夜勤明け、体は疲れきっているのに、ふとんに入っても寝つけない。

日勤と夜勤が入れ替わるたびに、体内時計がついていかない。

勤務中や運転中に、ふっと意識が遠のきそうになって、ヒヤッとする――。

交代勤務で働く方の「眠れない」「眠い」は、夜にちゃんと寝れば解決する、という性質のものではありません。 決まった時間に眠れない働き方そのものが、眠りのリズムを根っこから揺さぶっているからです。

睡眠薬を使うことも、つらい時期を乗り切るひとつの方法です。「薬が必要なのかどうか」を一度きちんと相談すること自体、とても大切なことです。けれど、薬だけでは届きにくい部分があります。

だからこそ私たちは、「薬か、薬以外か」ではなく、必要なら薬もうまく使いながら、睡眠外来でリズムそのものを整えていくことをおすすめしています。

2026年6月から、不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)が日本でも保険診療の対象になりました。当院では、不規則な勤務を前提に、忙しい方でも続けやすい短期集中型の睡眠外来(CBT-I)を行っています。

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日中や仕事中の眠気のお悩みはありませんか?

  • 夜勤明け、疲れているのに寝つけない
  • 休みの日になっても体内時計が戻らず、一日中だるさが抜けない
  • 運転中や作業中に眠気が出て、「事故を起こすのではないか」と怖い
  • 薬が必要なのか、このまま薬を続けていいのか、誰かに相談したい
  • 仕事は辞められない。今の勤務を続けながら、なんとかしたい

眠れない・眠いのは、気合いや根性の問題でも、あなたの努力不足でもありません。 働き方に合わせて、整え方のある状態です。

交代勤務睡眠障害(SWSD)とは?

交代勤務睡眠障害(SWSD:Shift Work Sleep Disorder)とは、夜勤や交代制など、体が本来眠るべき時間に働き、活動すべき時間に眠ろうとする生活が続くことで、「眠るべき時間に眠れない(不眠)」と「働くべき時間に強く眠い(過度の眠気)」の両方が起こる状態を指します。

一般的な不眠症が「眠る時間は十分あるのに眠れない」ものであるのに対し、交代勤務の場合は、眠りを妨げているおおもとが“勤務時間と体内時計のズレ”にあるところに大きな特徴があります。寝つきの悪さや途中で目が覚めること、眠っても疲れが残ること(熟眠感の欠如)に加え、勤務中の眠気・集中力の低下・気分の落ち込みなどが重なりやすいのも、交代勤務ならではです。

交代勤務は、医療・介護、製造、運送、警備、コールセンターなど、社会を支える多くの現場に欠かせない働き方です。それだけに、眠りの問題は決して特別なものではなく、不規則な勤務をしている方に広くみられる、いわば「働き方とともにある悩み」といえます。

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なぜ交代勤務だと眠れなくなるの?

人の体は本来、夜に眠り、昼に活動するようにできています。これをつかさどっているのが体内時計(概日リズム)で、光・体温・メラトニンというホルモンなどのリズムが、毎日ほぼ決まった時間に「眠る準備」と「活動の準備」を整えています。

ところが夜勤や交代勤務は、この体内時計に真っ向から逆らう働き方です。しかも体内時計は、勤務シフトが変わったからといって、すぐには切り替わってくれません。「働く時間なのに体は眠ろうとし、眠る時間なのに体は起きようとする」というズレが生まれ、これが眠りにくさと日中の眠気の正体です。

さらにここに、一般的な不眠症と同じ悪循環も重なります。「眠らなきゃ」という焦りが強いほど、神経が高ぶって考え事が止まらない状態(過覚醒:夜になっても気持ちが休まらない状態)になり、眠れない時間を寝床で長く過ごすほど「寝床=眠れない場所」という結びつきが強まっていきます。

つまり交代勤務の眠りは、「リズムのズレ」と「眠れない悪循環」という二重の負担を抱えやすいのです。だからこそ、片方だけにアプローチしても、なかなか整いません。

「眠気による事故・ミス」は、怠慢のせいではありません

交代勤務の方からよく聞くのが、「運転中や作業中の眠気が怖い」「ミスをして取り返しのつかないことになるのでは」という不安です。

ここで知っておいていただきたいのは、睡眠不足や体内時計の乱れによる眠気は、意志の力では抑えきれない生理現象だということです。脳が休息を強く求めているサインであって、気のゆるみや怠けではありません。とくに、医療・介護、運送、製造、警備のように、わずかなミスや一瞬の居眠りが重大な結果につながりかねない現場ほど、この眠気は切実な問題になります。

大切なのは、自分を責めることではなく、「安全に働けるレベルまで、日中・勤務中のパフォーマンスを取り戻すこと」を目標に置くことです。睡眠外来では、後ほど紹介する光のコントロールや戦略的な仮眠、睡眠スケジュールの設計、そして必要に応じた薬の調整を組み合わせて、勤務中の覚醒度(しっかり目が覚めている状態)を保てるように整えていきます。

「眠気で事故を起こすのが怖い」という不安は、それ自体が相談する十分な理由です。

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睡眠薬だけで眠れればいいのでは?

「自分には睡眠薬が必要なのだろうか」と迷っている方は、とても多くいらっしゃいます。結論から言えば、薬が必要かどうかを医師と相談すること自体は、まったく問題のない、むしろ大切な一歩です。寝つきを助けたり、つらい時期を乗り切るために、薬が役立つ場面は確かにあります。

ただ、交代勤務の眠りの問題には、薬だけでは届きにくい部分があります。

  • 薬は「眠れない」という症状をやわらげますが、ずれてしまった体内時計そのものを整えるわけではありません。 おおもとのリズムのズレが残ったままだと、根本的な解決になりにくいのです。
  • 不規則な勤務では、薬の効果が次の勤務や運転にまで残ってしまうリスクがあります。眠気やふらつきが勤務中・運転中に出れば、かえって事故のもとになりかねません。
  • 根っこ(リズムのズレや眠りの習慣)が変わらないと、「効かない→量が増える」という流れに入りやすくなります。

だからこそ、交代勤務の方には「薬か、薬以外か」と二択で考えるのではなく、必要なら薬もうまく使いながら、睡眠外来でリズムと習慣という“根っこ”を一緒に整えていくやり方が向いています。

ベスリクリニックでは、医師が「いま薬が本当に必要か」「減らせそうか」を一緒に見極めながら、薬に頼り切らなくても眠れる土台づくりを進めます。薬を無理に「やめさせる」ためではなく、あなた自身の“眠る力”と“しっかり起きていられる力”を取り戻すための取り組みです。すでに睡眠薬を飲んでいる方の減薬・休薬も、急にやめる必要はなく、主治医と相談しながら段階的に進められます。

ベスリの短期集中睡眠CBT-I

当院では、お薬の処方がなくても、最初から不眠に対するCBT-Iを受けられます。世界基準の治療を、不眠の入り口の段階から、無理なく。とくに不規則な勤務の方が続けやすいよう、次の3つを大切にしています。

① なぜ「3回」なの? ― 要点を絞った短期集中プログラム

標準的なCBT-Iは4〜8回ですが、当院は核となる技法に絞り、3回の短期集中で組み立てます。何度も平日日中に通うのが難しい交代勤務の方でも完走しやすく、早い段階で“眠れる手応え”を得ていただくことを目指します。

② 「睡眠の感受性」を見るとは? ― あなたのリズムに合わせた調整

眠りは、大きく分けて3つの生体リズムが組み合わさって成り立っています。

  1. 光に反応するリズム(メラトニンリズム):朝の光や夜の暗さで整う、体内時計のリズム
  2. 活動・体温のリズム(深部体温リズム):日中の活動量や体温の上下に応じて変化するリズム
  3. 眠り・目覚めのリズム(睡眠・覚醒リズム):起きている時間と眠っている時間の配分で決まるリズム

どのリズムに反応しやすいか(=感受性)には個人差があり、体質や時計遺伝子(体内時計をつかさどる遺伝子)などの傾向が関わると考えられています。交代勤務では「体内時計のズレ」そのものが眠れなさの核心なので、どのリズムから整えると効果的かを見極めることが、とくに効いてきます。

当院では、この感受性を見ながら、光・仮眠・スケジュールの調整や睡眠制限を無理のない範囲で進めます。「誰かの正解」ではなく「あなたの最適」を、一緒に探していきます。

③ なぜ“わかりやすい”の? ― 生活記録を土台に、仕組みごとお伝えします

「なぜ眠れるのか/なぜ眠れなくなるのか」という仕組みも、あわせてお話しします。論理的に納得できると取り組みが続けやすく、シフトが変わって再びリズムが乱れたときも、ご自身で立て直せるようになります。日々の眠りと勤務の記録という“あなた自身のデータ”をもとに、思い込みではなく事実に基づいて、一人ひとり専用の睡眠プランを設計します。

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不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)とは

CBT-I(Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia)は、眠りを妨げている行動のクセや「眠れない」ことへの思い込みを少しずつ整え、薬に頼らずに“眠る力”を取り戻していく心理療法です。米国内科学会(ACP)、米国睡眠医学会(AASM)、欧州睡眠学会などの診療指針で、慢性不眠症の第一選択治療として位置づけられています。

薬とは違い、身につけた習慣や考え方そのものが変わるため、治療を終えたあとも効果が続きやすいのが大きな特徴です。眠気・ふらつき・依存といった副作用の心配が少ない点も、安全がとくに大切な交代勤務の方に向いています。

CBT-Iは、おもに次のような技法を組み合わせて行います。

  • 睡眠制限法:実際に眠れている時間に合わせて寝床で過ごす時間を調整し、細切れの眠りをまとめて睡眠の質を高めます。
  • 刺激制御法:「寝床=眠る場所」という本来の結びつきを取り戻します。
  • 認知療法:「〇時間眠らないと体を壊す」といった思い込みを、現実に即した見方へ整えます。
  • リラクセーション法・睡眠衛生:心身の緊張をゆるめ、眠りを支える生活習慣を整えます。

交代勤務の方の場合は、これらの技法に、前述の光・仮眠・スケジュールといった「体内時計を整える工夫」を組み合わせることで、より働き方に合った形にしていきます。

大切なお知らせ:交代勤務の方には睡眠制限法を慎重に進めます

CBT-Iの中心となる睡眠制限法は、導入の初期に、日中の眠気が一時的に強まることがあります。 長距離運転や危険な作業をともなう交代勤務の方では、この時期がそのまま事故につながらないよう、当院では勤務スケジュールと相談しながら、無理のない範囲で慎重に進めます。

これはまさに、「交代勤務を理解した専門家にかかる」価値そのものです。ご自身の勤務内容や不安に感じている点は、受ける前に必ずお伝えください。

仕事を辞めずに、今の勤務のままで

「転職すれば」「夜勤をやめれば」と言われても、現実はそう簡単ではありません。仕事は、生活そのものだからです。

当院は、今の勤務を続けることを前提に、その中でできる整え方を一緒に探します。眠りの問題だけを切り離すのではなく、仕事や生活のストレス、抑うつや不安が背景に隠れていないかも含めて、こころ全体のサインとして評価し、必要なサポートを行います。

不規則な勤務の方ほど、平日の日中に何度も通院するのは大変です。当院では、短期集中3回を基本とした、忙しい方でも完走しやすいプログラムで続けやすさを大切にしています。

  • 「急に不安が強くなった」「明日の勤務前にどうしても相談したい」という方のために、当日・翌日予約枠をご用意しています。

    まずは相談をしてみる

よくある質問

東京・神田・大手町エリアで薬に頼らない不眠症治療に強い心療内科をお探しの方からよくいただくご質問をまとめました。

Q. 夜勤・交代勤務がありますが、受けられますか?

はい。当院は、不規則な勤務を前提にプランを組み立てます。「夜にちゃんと寝なさい」ではなく、あなたのシフトに合わせて、いつ・どのように眠りと覚醒を整えるかを一緒に設計します。

Q. 睡眠薬を飲んでいますが、受けられますか? 薬は続けたままで大丈夫ですか?

はい、可能です。お薬を続けながら始め、経過を見て主治医と相談しながら減らしていく方が多くいらっしゃいます。急にやめる必要はないので、安心して取り組んでいただけます。

Q. そもそも薬が必要なのかどうかも、相談できますか?

はい。「いま薬が必要か」「減らせそうか」を医師と一緒に見極めるところから始められます。薬を無理にすすめることも、無理にやめさせることもありません。必要なら薬もうまく使いながら、根っこを整えていくのが当院の考え方です。

Q. 睡眠薬よりCBT-Iのほうが効果がある、というのは本当ですか?

慢性的な不眠症では、CBT-Iと睡眠薬を直接くらべた研究で、CBT-Iが薬と同等以上で、やめたあとも効果が続きやすいと示されています。交代勤務の方を対象にした研究も改善を報告していますが、その数はまだ限られるのが正直なところです。そのため当院では、CBT-Iを軸にしつつ、必要に応じて薬も使い、あなたの状況に合わせて進めます。

Q. 運転や危険作業のある自分でも、睡眠制限法は大丈夫ですか?

導入初期に日中の眠気が一時的に強まることがあるため、交代勤務の方や危険な作業に従事する方は、勤務スケジュールと相談しながら慎重に進めます。ご自身の状況は受ける前に必ずお伝えください。

Q. 効果が出るまで、どのくらいかかりますか?

多くの方が2〜4週間ほどで変化を感じ始めます。一時的に眠気が強まる時期を越えると、寝つきや熟眠感、勤務中の覚醒度が整っていきます。

Q. 何回くらい通う必要がありますか?

当院は3回の短期集中睡眠認知行動療法を基本としています。要点を絞ることで、忙しい働く方でも続けやすい形にしています。

まずは相談だけでも、お気軽にご予約ください

不規則な勤務が続くと、眠りそのものが思いどおりにならず、「自分ではどうにもできない」と感じてしまうかもしれません。けれど、眠りは整え方のある力です。薬に頼り切る前に、あるいは薬とうまく付き合いながら、どうぞ一度ご相談ください。 あなたの“眠る力”と“安全に働ける毎日”を取り戻す道を、一緒に探していきます。

初診や同一週での来院予約も受け付けております。迷ったら、まずはお気軽にご予約ください。

院名: 医療法人社団ベスリ会 ベスリクリニック

最寄り駅: JR山手線・東京メトロ銀座線 神田駅 徒歩1分

住所: 〒101-0045 東京都千代田区神田鍛冶町3丁目2 神田サンミビル8階

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ベスリクリニック 院長 田中 遥 医師

監修

田中 遥/ 医療法人社団ベスリ会 ベスリクリニック 院長

専門:心療内科/睡眠障害内科

プロフィールを見る →

実績

17,000人超

働くビジネスパーソンの心の診療実績

5,000症例以上

TMS治療(薬に頼らないうつ治療)の実績

20冊弱

医師による著書・監修書籍(睡眠・脳科学・発達障害ほか)

20件以上

テレビ・新聞・Web・専門誌などへの出演・掲載・講演