スキーマ療法|「同じことで繰り返しつまずく」を根本から|東京・神田の心療内科

















Schema Therapy

心のフィルターを整える
スキーマ療法

「同じところで何度もつまずく」「頭ではわかっているのに変わらない」「症状が落ち着いても、また同じ状況でぶり返す」——その背景には、無意識に働く“考え方のクセ”があります。スキーマ療法は、その根っこにそっと向き合う心理療法です。

神田駅 徒歩1分/当日・翌日予約枠あり

What is Schema Therapy

スキーマ療法とは

スキーマ療法とは、こころの奥にある“考え方のクセ(スキーマ=心のフィルター)”に気づき、今の自分に合うかたちへ、ゆっくり整えていく心理療法です。1990年代に米国の心理学者ジェフリー・ヤング博士が体系化し、「認知行動療法の進化版」とも呼ばれています。

通常の認知行動療法が“いま”の考えや行動に焦点を当てるのに対し、スキーマ療法は、その底にある根深いパターンそのものに働きかけます。認知行動療法を土台にしながら、愛着理論・ゲシュタルト療法・対人関係論などの要素を統合しているのが特徴です。

神田ベスリクリニックでは、このスキーマ療法をベースにした「心のフィルター外来」を通じて、働く人の「再発予防」と「自分らしい働き方」をサポートしています。

まずは相談してみる

The Heart Filter

私たちは、世界を“フィルター越し”に見ている

人の意識には、ふだん気づいている顕在意識と、気づいていない潜在意識があり、潜在意識は9割以上ともいわれます。その奥には、生い立ちのなかで学習・保存された考え方のパターン——当院でいう「心のフィルター」が蓄えられています。同じ出来事でも、どのフィルター越しに見るかで、感じ方はこんなに変わります。

ある出来事:「挨拶をしたのに、返事が返ってこなかった。」
Filter A

「体調が、悪いのかな」
気づかう、やさしいフィルター

Filter B

「声が、小さかったかな」
自分に向ける、控えめなフィルター

Filter C

「嫌われて、無視された…」
傷つきやすい、痛みのフィルター

起きた出来事は、同じ。それでも“心のフィルター”によって、見え方はこんなに変わります。私たちは出来事を、無意識のうちにこのフィルター越しに捉えているのです。

水面(意識の境界) 顕在意識 = 約10% 気づいている「氷山の一角」 潜在意識 = 約90% 心のフィルター (考え方のクセ) 幼少期に学習・保存されたパターン
私たちの意識の大部分は、自覚しにくい潜在意識。心のフィルターは、その水面下に蓄えられています。

幼少期の経験が、心のフィルター(考え方のクセ)の形成に影響することをあらわすイメージ

Why it forms

なぜ「心のフィルター」ができるのか

あなたが心のフィルターを持つようになったのは、あなたのせいではありません。その多くは、生まれ育った環境に適応するためにつくられ、保存されてきたものです。幼少期からの経験や、周りの大人の言動が色濃く反映されています。

子どもの頃に短所ばかり指摘されてきた人は、自分の長所を認めにくくなります。親自身にフィルターがかかっていれば、それは無意識のうちに子どもへ伝わります。

大切な前提:フィルター=悪いもの、ではありません

心のフィルターは、過去のあなたを守り、安全を確保するために必要だったからこそ、成功体験とともに残ってきました。ただ、その多くは脳や体が未熟だった幼少期につくられたため、極端で短絡的な解釈も多く、大人になったいまの自分には最善ではなくなっていることがあります。

こうした歪みは潜在意識の深いところに根付いているため、「フラットに見よう」と意識するだけで変えるのは困難です。原因となった幼少期の心の傷(インナーチャイルド)を癒し、「その考え方は、もう必要ない」と腹落ちさせていく——スキーマ療法は、まさにこの“根っこ”に取り組みます。

同じ反応を 繰り返す ① 出来事が起きる 例:挨拶に返事がない ② フィルターで 解釈する ③ いつもの 感情・行動が出る ④「やっぱり」と 確信が強まる
幼少期の経験が最初のフィルターをつくり、出来事のたびに同じ解釈・反応が起こり、その結果がフィルターをさらに強める——この循環が「生きづらさの繰り返し」の正体です。スキーマ療法は、この輪を断つ②に働きかけます。

Self Check

こんなサインに、心当たりはありませんか

「心のフィルター」は、認知行動療法でいう“認知の歪み”の代表的なひとつ。ネガティブな面にばかり注目し、世界全体がどんより見えてしまう思考パターンです。

大勢からの高評価より、たったひとりの低評価が気になる

褒められても、いまいち素直に受け取れない

ささいなミスにこだわって「やっぱり自分はダメだ」と落ち込む

人の機嫌や顔色を、つい気にしすぎてしまう

いつも同じパターンで、人間関係につまずく

頭ではわかっているのに、気持ちや行動がついてこない

ひとつでも「わかる」と感じたなら、スキーマ療法はあなたに役立つアプローチかもしれません。ものごとには必ずいい面と悪い面がありますが、このパターンを持つと、ポジティブな面が視界に入りにくくなります。

18 Early Maladaptive Schemas

18の早期不適応スキーマと、5つの領域

スキーマ療法では、幼少期の満たされない欲求から生まれる根深い思い込みを「早期不適応スキーマ」と呼び、一般に18種類が知られています。これらは、満たされなかった心の欲求にそって、次の5つの領域に整理されます。自分のフィルターがどの領域に近いかを知ることは、回復への第一歩になります。

DOMAIN 01
断絶と拒絶

安心・つながりが得られないという感覚

  • 見捨てられ/不安定
  • 不信/虐待
  • 情緒的剥奪
  • 欠陥/恥
  • 社会的孤立/疎外
DOMAIN 02
自律性と行動の損傷

自立してやっていけないという感覚

  • 依存/無能
  • 損害や疾病への脆弱性
  • 巻き込まれ/未発達の自己
  • 失敗
DOMAIN 03
損なわれた限界

自制や責任の境界が育ちにくい傾向

  • 権利要求/尊大
  • 自制と自律の欠如
DOMAIN 04
他者への追従

自分より他者を優先しすぎる傾向

  • 服従
  • 自己犠牲
  • 承認・賞賛の希求
DOMAIN 05
過剰警戒と抑制

感情を抑え、常に気を張ってしまう傾向

  • 否定/悲観
  • 感情抑制
  • 厳格な基準/過度の批判
働く人に多いスキーマ

「厳格な基準(完璧主義)」「自己犠牲」「服従」「欠陥/恥」「情緒的剥奪」は、まじめに頑張る人ほど抱えやすく、燃え尽きや再発の背景になりがちです。心当たりがあれば、一度ご相談ください。

18の早期 不適応スキーマ 断絶と拒絶 スキーマ 5種 自律性と行動の損傷 スキーマ 4種 損なわれた限界 スキーマ 2種 他者への追従 スキーマ 3種 過剰警戒と抑制 スキーマ 4種
18の早期不適応スキーマは、満たされなかった心の欲求にそって5つの領域に整理されます。自分のフィルターがどの領域に近いかを知ることが、回復への第一歩です。

※ スキーマの種類・分類は、ジェフリー・ヤングらによる体系を一般的な枠組みとして紹介したものです。実際にどのスキーマが働いているかは、診療のなかで一人ひとり丁寧に見ていきます。

Schema Modes

スキーマモードという考え方

「スキーマモード」とは、その瞬間に強く出ている“心の状態”のこと。同じ人のなかにいくつものモードがあり、状況に応じて切り替わります。スキーマ療法では、これらのモードに気づき、健康な大人の自分を育てていきます。

A

子どもモード

傷つきやすい・怒れる・衝動的な子どもの自分。本当は満たされたかった欲求が表れます。

B

コーピングモード

つらさをしのぐためのクセ。我慢して従う、避ける、逆に強く出る——かつての適応の名残です。

C

健康な大人モード

子どもの自分を守り、現実に合った選択ができる状態。スキーマ療法はこの力を育てます。

傷つきやすい 子どもモード コーピングモード 我慢・回避・反発 健康な大人モード スキーマ療法で育てていく自分 なだめ・守る ゆるめて手放す
同じ人のなかに複数のモードがあります。スキーマ療法は「健康な大人モード」を育て、傷ついた子どもをなだめ、こわばったコーピングをゆるめていきます。
気づき、なだめ、選び直す。スキーマ療法は、心のなかの“健康な大人”を少しずつ育てていく取り組みです。

Techniques

スキーマ療法で使う、主な技法

スキーマ療法は「考え方を正す」だけではありません。頭での理解(認知)と、心の奥の感情の両方に働きかけるのが特徴です。代表的な技法を紹介します。

限定的再養育(Limited Reparenting)

治療者との安全な関係のなかで、かつて満たされなかった心の欲求にそっと応え、安心感を育み直していきます。

イメージの書き換え(イメージワーク)

過去のつらい場面をイメージのなかで思い描き、今の自分や大人の視点から関わり直し、記憶にともなう感情を癒します。

チェアワーク(椅子の技法)

複数の椅子を使い、自分のなかの異なる声(厳しい親・傷ついた子どもなど)を対話させ、関係を整理します。

認知・行動的アプローチ

フィルターの妥当性を検証し、新しい考え方や行動を日常で試すことで、変化を生活に根づかせます。

これらの技法は、状態やお悩みに合わせて選び、組み合わせて行います。無理に過去を掘り起こすことが目的ではなく、「今を生きやすくする」ことが目的です。

CBT vs Schema Therapy

認知行動療法(CBT)との違い

スキーマ療法は認知行動療法と対立するものではなく、その発展形です。「今の困りごと」に取り組むのがCBT、「繰り返すパターンの根っこ」に取り組むのがスキーマ療法、とイメージするとわかりやすいでしょう。

※ 一般的な特徴の比較。実際の進め方は個々の状態により異なります。
観点認知行動療法(CBT)スキーマ療法
焦点“いま”の考え方・行動その底にある根深いパターン(スキーマ)
時間軸主に現在現在+幼少期からの成り立ち
扱う対象具体的な症状・場面性格的・慢性的な生きづらさ、対人パターン
感情への関わり思考の検証が中心イメージや関係を通じて感情にも働きかける
向いている悩み不安・抑うつなどの症状改善「わかっているのに変わらない」「また繰り返す」
スキーマ療法と認知行動療法(CBT)が働きかける心の深さを比較した断面図。上から「出来事・状況」「自動思考(その時の考え)」「感情・行動の反応」という3つの表層、点線の境界(表層/根っこ)、その下に「スキーマ(心のフィルター)」「幼少期の満たされない欲求・心の傷」という2つの深層が積み重なっている。右側の括弧は、認知行動療法(CBT)が上の表層3つ=「いま」の層に働きかけ、スキーマ療法はさらに深い根っこの層まで含めた全体に働きかけることを示す。両者は対立ではなく、扱う深さの異なる発展形の関係。
CBTは「いま」の考えや行動という表層に、スキーマ療法はその下にある心のフィルターと幼少期の傷という“根っこ”まで働きかけます。両者は対立ではなく、深さの異なる発展形の関係です。

Our Approach

神田ベスリクリニックでの治療の流れ

当院は、働く人の薬に頼らない心療内科として、心身の不調の原因を「過去の経験で何とか適応しようとするときに生じる“ひずみ”」と捉えています。お薬だけでなく、カウンセリングによって“また働き続けられる心づくり”を重視します。

① 相談・初診いまの困りごと、仕事や生活の状況をうかがい、必要に応じて診断・お薬や休職などの選択肢もご案内します。当日・翌日の予約枠もご用意。
② 心のフィルターに気づく繰り返すパターンや、その奥にあるスキーマを一緒に見つけていきます。「なぜそう感じるのか」を、責めずに整理します。
③ 根っこに働きかけるイメージワークやチェアワークなどを用い、フィルターの源にある心の傷を癒し、「もう必要ない」と腹落ちさせていきます。
④ 新しい関わり方を育てる健康な大人モードを育て、不安や恐れからではなく、喜びから動けるパターンへ。日常のなかで少しずつ試していきます。
⑤ 再発しにくい土台へ自分の力で前に進める状態を目指します。必要に応じて復職支援や、お薬の調整もあわせて行います。

Goal

心のフィルター外来で目指す姿

巻き込まれすぎない

ネガティブなことが起きても、そこに飲み込まれすぎない考え方を育てる。

ブレーキを外す

こころのブレーキを外し、一歩を踏み出す行動を後押しする。

喜びから動く

不安や恐れから動くパターンを卒業し、喜びから行動できるようになる。

カラダ作りにジムがあるように、メンタル作りにも“ジム”が必要です。心のフィルター外来は、不調をやり過ごす場ではなく、自分の力で前に進む土台をつくる場です。

Supervised by — 理事長

田中 遥(たなか はるか)

医療法人社団ベスリ会 ベスリクリニック 理事長/専門:心療内科・睡眠障害内科

「環境・身体・認知」の観点から状態を分解し、診断書の発行だけでなく、再発しない形で社会に復帰し、自立して働ける未来を目指す診療を行っています。

17,000+

働く人の心の
診療実績

5,000+

TMS治療
(薬に頼らないうつ治療)

約20冊

著書・
監修書籍

20件+

メディア出演
・掲載・講演

Access

当日予約・通いやすい立地

東京駅から1駅、神田駅から徒歩1分。大手町駅からも徒歩圏内です。「急に不安が強くなった」「近いうちにどうしても相談したい」という方のために、当日・翌日の予約枠をご用意しています。

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FAQ

よくある質問

神田・大手町エリアで、スキーマ療法・カウンセリングに強い心療内科をお探しの方からよくいただく質問をまとめました。

スキーマ療法とは何ですか?
心の奥に根付いた“考え方のクセ(スキーマ=心のフィルター)”に気づき、今の自分に合う形へ整えていく心理療法です。認知行動療法をベースに、愛着理論やゲシュタルト療法などを統合し、表面的な思考だけでなく、その源になった幼少期の心の傷にも働きかけます。同じ場面で繰り返しつまずく、症状がぶり返す、といった慢性的な悩みに向いています。
認知行動療法(CBT)とどう違いますか?
CBTが“今”の考えや行動に焦点を当てるのに対し、スキーマ療法はその底にある根深いパターンそのものに働きかけます。CBTでは扱いにくい、繰り返す対人関係のつまずきや「頭ではわかっているのに変わらない」ケースに適しています。スキーマ療法はCBTの進化版とも呼ばれ、対立ではなく発展形の関係にあります。
早期不適応スキーマとは何ですか?いくつありますか?
幼少期の満たされない欲求や経験から形成される、自分・他者・世界についての根深い思い込みのパターンです。一般に18種類が知られ、「断絶と拒絶」「自律性と行動の損傷」「損なわれた限界」「他者への追従」「過剰警戒と抑制」という5つの領域に分類されます。
スキーマ療法はどんな人・どんな症状に向いていますか?
同じパターンで人間関係につまずく、症状が落ち着いてもまた再発する、自己否定や完璧主義が強い、人の顔色を気にしすぎる、といった慢性的・性格的な生きづらさに向いています。うつや適応障害、不安の再発予防、対人関係の悩みなどで活用されます。働く人にとっては、職場ストレスへの反応の根っこを整え“また働き続けられる心”づくりに役立ちます。
効果が出るまでどのくらいかかりますか?通院回数は?
根深いパターンに取り組むため、一度で完結するものではなく、ある程度の継続的なセッションを重ねます。必要な回数や期間は、お悩みの内容・目標・現在の状態によって大きく異なります。具体的な見通しは、初回のご相談で一人ひとりに合わせてご提案します。
薬を飲みながらでも受けられますか?
はい、お薬による治療と並行して受けていただけます。当院は“薬に頼りすぎない”診療を方針とし、漢方やTMS治療なども組み合わせながら、心理療法によって再発しにくい心の土台づくりを重視しています。お薬の調整も含め、診察のなかでご相談ください。
ほかの心理療法(精神分析・マインドフルネスなど)とは、どう違いますか?
精神分析が無意識の解釈を重視し、マインドフルネスが「今ここ」への気づきを育てるのに対し、スキーマ療法は根深いパターンの特定と“書き換え”に取り組み、認知・感情・行動・治療関係を統合的に用いるのが特徴です。これらは排他的ではなく、状態に応じて補い合うこともあります。
なぜ「働く人」にスキーマ療法をすすめるのですか?
仕事の問題に過去の経験で何とか適応しようとするときに、心の“ひずみ”は生まれます。上司・部下関係、評価へのプレッシャー、責任感の奥にある思考のクセや人間関係の作り方に手を入れない限り、症状は再発しやすいものです。だからこそ、薬だけでなくスキーマ療法によって“また自分らしく働ける心”をつくることを重視しています。

Reservation

まずは相談だけでも、お気軽に

心のフィルターは、あなたを守るためにつくられてきたもの。「弱いから」でも「能力が低いから」でもありません。いまの自分に最善ではなくなったフィルターは、書き換えていけます。神田ベスリクリニックの心のフィルター外来が、その“根っこ”に一緒に向き合います。

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