ベスリクリニックでは、日々の診療の中で、皆さんのお役に立てればと思うことそスタッフがブログにまとめました。
第1回目は、自宅待機による精神的な不調についてです。
周りの人の言葉や行動が気になって、イライラしやすくなった気がする」、「いつもより落ち込んでいて、もうどうでもいい、死んでしまいたいとふと思うときがある」ということはないでしょうか。
最近、コロナウイルスによる自宅待機後から家庭内暴力や児童虐待が増えているとのニュースがいくつかの国で報道され始め、「コロナうつ」という造語も使われ始めました。そして、まだ少数ですが、医師や公認心理師から、この状況に「拘禁反応(prison reaction)」が関係している可能性について指摘され始めています。自宅待機の現状が、拘禁反応を起きる拘禁状況(一般社会から隔離され、行動の自由が制限されるような状況)と似ているからです。
拘禁反応の初期症状
精神療法や薬物療法といった専門的な治療が必要になる前に以下のような症状が出てきます。症状は、拘置所、刑務所、少年院などの刑事施設での拘禁反応として一般的に言われるものから、遠藤(1986)を参考にいくつか抜粋しました。
1. 退行、無気力
やる気がなくなり、何事にも興味を失い、注意に集中できなくなる。集団に入ろうとしない。行動が幼児的で依存的になる。
2. 傷心・悲嘆にくれる
自己憐憫の情や背徳感にとらわれ、嗚咽に明け暮れる。
3. 反応的抑うつ
絶望感から憂鬱になり、あきらめ、あせり、不機嫌、無力感、後悔などの兆候が見られ、自殺を試みるものも出てくる。
4. 反応的爆発
突発的・無目的運動暴発が起こる。
5. 特定の個人や社会に対する恨み・怒り・復讐の決心
社会一般に恨み・怒りを向け、その復讐を考える。
6. 心身医学的反応・神経症様の訴え
頭重感、頭痛、めまい、胸苦しさ、心悸亢進、食欲不振、胃痛、背骨痛、下肢痛、腰痛、女子の月経不順など。
7. 逃避的行動
当面の拘禁の苦痛から逃れるために、読書や囲碁・将棋などに熱中したり、できるだけ集団の中で行動したりする
こういった症状が拘禁反応からである場合は、拘禁状態から脱することでほぼ軽快、完治すると言われています。しかし、自宅待機要請がいつまで続くかわからない中、別の対応を考えなければなりません。
クリニックにも長引く自宅待機により、いつもと違う自分に戸惑い受診をされる方がいます。
上記のようなことに思いあたり、
「何か違う」と感じたら、ご相談にお越しください。
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