年齢による睡眠時間の差や個人差などがあることから理想的な睡眠が必ずしも8時間でないことや、年齢を重ねると睡眠の質が重なって、睡眠の途中で起きてしまうことがあります。
厚生労働省から出された睡眠指針2014でも、「必要な睡眠時間はひとそれぞれ」と書いてあります。
(厚生労働省 睡眠指針2014)
では、どのような睡眠が良い睡眠なのか?が疑問ですね。
不眠症の定義は2つ当てはまる必要があります。
不眠症の定義(ICSDⅡ:睡眠障害国際分類第二版 2005)
一つ目が、「睡眠の訴え」:これは、眠りにつけない、途中で起きてしまう、早くおきてしまう、朝のすっきり感がない等の項目です。
二つ目が、「日中の機能障害」:これは、日中に耐えがたい眠気があり、仕事に支障をきたしてしまう。家事ができない倦怠感、不安、イライラなどの項目です。
つまり、8時間眠れていなかったとしても、日中の眠気などの機能障害がなければそれは必要な睡眠がとれていると考えることもできます。
逆に8時間眠れていたとしても、日中に耐えがたい眠気があり、日中の業務に支障が出ている場合は、睡眠の質が悪かったり、睡眠時無呼吸症候群という命に係わる器質的な病気が隠れていることもあります。
当院では、まずは命に係わる疾患である睡眠時無呼吸症候群がありそうか確認し、その後睡眠トレーニングを行います。
睡眠時無呼吸症候群があるのであれば、CPAP治療を開始し、同時に睡眠トレーニングで質の向上を図ります。
睡眠時無呼吸症候群がないのであれば、睡眠トレーニングで自身の睡眠力を鍛え、薬にたよらない睡眠をサポートしています。