女性性周期4つの不調:実は「隠れPMS…?」

女性はエストロゲン、プロゲステロンという2つのホルモンにより、性周期が作られます。
月経、卵胞期、排卵、黄体期、月経、と約1ヶ月の間に女性の身体は大きく変化します。
不妊治療ほど、正常な女性の身体を細やかにみる機会を持てる医者は少ないと思いますが、膣エコーから卵巣・子宮をみると女性は1ヶ月の間に大きな変化を起こしています。

一般的には「PMS:月経3-10日前の心身の不調」の生理前が一番不調に感じることが多いとされていますが、
必ずしも生理前が一番不調になるとは限りません。月経中のお腹の痛みが激しい「月経困難症」、月経量が多い「過多月経」により月経が終わった後に「貧血」、「潜在性鉄欠乏」として不調を感じる女性も少なくなく、また意外と診療で多いのが排卵の日の「排卵痛」。「PMS」だけが女性の不調の原因ではありません。

また、武田らによると、日本人女性を対象とした有病率の検討では95%の女性が何らかの月経前症状を訴え、重度のPMSが5.3%、PMDDの診断に当てはまる女性が1.2%であったと報告がされています。PMSの数の多さに驚く方もいるかもしれません。

しかしながら、「普段感じていないPMS」を持っている方も中にはいらっしゃると女性の診療に携わる中で感じています。
「記録を付けたことはなくて、PMSではないかもしれないけど、生理痛で仕事や済んじゃうこともあるから、自分の体調管理の一環としてピルを飲みたい」という方がピルを飲んだところ、「よくわからないけど悲しくなって泣くことが無くなって、あ、私PMSだったんだって驚きました」とおっしゃる患者さんもいます。

私自身も、元々性周期を気にしなかった時代は,「イライラすることはあるかもしれないけど、PMSはないでしょ」と謎の自信をもっていたり。ピルを飲むと「あれ?なんだかすごく誰かに対して腹立たしく思うことが少なくなってる?」と飲んで初めて気づきました。

多くの人が実は隠し持っているかもしれない「PMS」ピルを飲んでみて自分がPMSなのか、それともホルモンの影響がないのか知ってみることもいいかもしれません。(月経困難症がない場合は自費によるピルの処方をいたしております。)