睡眠外来はどんな症状で行く?睡眠障害の種類や症状、治療法も解説

睡眠外来はどんな症状で行くところ?

日本人の約5人に1人が睡眠障害で悩んでいるといわれています。

睡眠に関して医学的な解明によって睡眠医療が発展し、睡眠障害は睡眠外来などの医療機関で治療する時代となっています。

そのなかで、睡眠外来はどんな症状で行ったらよいか悩まれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

睡眠外来はこのような方にお勧めです。

  • 不眠で日中の生活に支障が出ている
  • 不眠をお薬やお酒で対処している
  • 交代制勤務や繁忙期に睡眠が不規則になる
  • 睡眠の質を上げてパフォーマンスを向上させたい
  • 昼夜逆転でうまく睡眠リズムを作れない

睡眠障害は睡眠外来で治療した方がいい理由

睡眠障害は、病気が原因となって起こる場合があります。

一方で、他の病気の原因となる可能性もあります。

うつ病が原因で不眠が起こるケースと、慢性的な不眠がうつ病や生活習慣病の発症のリスクを高めることも研究からわかっています。

また、生活に支障がでている場合やの睡眠障害の種類によっては危険が伴うこともあります。

そのため、睡眠障害に合った治療を受ける、合併症の予防や悪化防止という点では睡眠外来を受診することをおすすめします。

睡眠外来に行く前にチェック!睡眠障害のサイン

  • 不安や悩み事などで眠れない
  • 寝る前に飲酒やスマホを触ることが多い、増えた
  • 夜中目が覚めてしまう
  • 早朝に目が覚めてしまう
  • 熟睡できず、十分に寝た気がしない
  • 睡眠中に夢を見ることが多い
  • 朝起きても、眠くて二度寝をするようになった
  • 日中でも眠気やだるさが襲い、集中力がなくなる

このような症状がみられる方は、睡眠障害の可能性があります。一度受診してご相談ください。

睡眠外来に行くべき睡眠障害の種類と症状

1.不眠症

寝付きが悪い、良質な睡眠がとれないことで日中の眠気や倦怠感、集中力低下、食欲の低下などが生じ、体や心に不調が現れる状態です。

不眠症は、

  1. 就寝から30分~1時間以上寝付けない「入眠障害」
  2. 夜中に目が覚める「中途覚醒」
  3. 起きる時間より早くに目が覚めて再度眠れない「早朝覚醒」
  4. 浅い眠りで熟睡感が得られない「熟眠障害」

の4つのタイプに分かれます。

2.過眠症

十分な睡眠をとっているにも関わらず、日中に耐え難い眠気がある状態です。

仕事中や授業中に眠気による集中力の低下や、眠りに落ちるなどの支障が生じている場合は過眠症の可能性があります。

3.概日リズム睡眠障害

昼夜のサイクルと、体内時計のリズムがずれてしまっている状態です。

夜間の睡眠時間帯に眠れず、日中に眠ってしまい社会活動や日常生活に影響をきたしてしまう睡眠障害です。夜更し習慣や、夜勤などの不規則な労働などが原因となることが多いです。

4.睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠中に無呼吸がみられる睡眠障害です。

睡眠中に呼吸が10秒以上止まる状態を無呼吸と言います。

いびきを伴うことがほとんどで、検査を実施したうえで睡眠時無呼吸症候群と診断されます。無呼吸によって体内の酸素が不足してしまい、睡眠の質が悪くなりしっかりと体を休ませることができず、倦怠感や日中の眠気、集中力低下などの症状を伴うことがあります。

当院では、自宅での簡易検査が可能です。

5.ナルコレプシー

時間や場所を問わず、突然の強い眠気に襲われる睡眠発作があり、居眠りを1日に何回も繰り返してしまう状態です。

睡眠発作のあとに目が覚めるとすっきり感じられるのが典型的な特徴のひとつです。

その他の症状としては、日中起きているときに、突発的な感情(怒り、恐怖、喜び、笑い、驚きなど)がきっかけとなって突然の筋力低下が起こる情動脱力発作、入眠の前後や起床直後に体が動かせなくなる睡眠麻痺、寝入る前後や目覚めるときに実際に存在しない映像や音が鮮明に見えたり聞こえたりする幻覚症状がみられることがあります。

【睡眠外来】睡眠障害の基本的な治療法

1.薬物療法

薬物療法は西洋薬と漢方薬があります。

症状や睡眠状況や生活習慣を確認して、個人に合わせて薬を処方します。

薬物療法による倦怠感や朝の眠気の増大、物忘れや筋弛緩作用などの副作用が出ることもあるため、通院で副作用も確認しながら薬物の調整を実施していきます。

また、当院では漢方薬を使用した治療も実施しており、西洋薬以外での治療をご希望の方はご相談ください。

2.認知行動療法

睡眠障害は、誘発因子、維持因子、体質が関連しています。誘発因子としては、病気や体調不良、仕事や試験など、身体的・心理的に大きなストレスとなるものがあります。

また、結婚や出産などのライフイベント、異動や引っ越しなど環境の変化も因子になります。

維持因子では、不眠を改善しようとして眠るための飲酒、寝床での読書、寝床でスマホを見るなどの習慣がさらに不眠を引き起こしていることがあります。

認知行動療法で、睡眠障害に関連する因子を取り除いたり症状の改善や緩和をしていきます。

3.睡眠習慣の見直し

睡眠障害は、薬物療法だけで治療できるものではなく、根本的な治療として睡眠習慣の改善も必要となります。

科学的根拠に基づき、生活習慣や睡眠状況を確認しながら具体的な対策を一緒に確認して睡眠習慣の見直しをしていきます。

睡眠に関する誤解や睡眠の質を下げてしまう習慣が睡眠障害の原因となっていることもあります。

睡眠に関する適切な知識を身につけて質のいい睡眠習慣に改善をしていきます。

睡眠外来で睡眠障害の治療をしよう

現在の状態や状況に合わせた治療で、質の良い睡眠生活にしていきましょう。

睡眠外来に行こうか迷っている方、睡眠トラブルを抱えている方はぜひ一度ご相談ください。