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薬に頼らない 磁気刺激治療

2022.1.3

慢性疲労症候群

慢性疲労症候群は何科を受診するべき?症状や原因、治療方法も解説

慢性疲労症候群とは?

十分な睡眠や栄養をとっても体がだるい状態が長く続き仕事にも影響が出ている…こんな場合、慢性疲労症候群の可能性があります。

慢性疲労症候群は治療が必要な疾患ですが、日常的な疲労感との区別がつきにくいため、周囲からは「怠けているだけでしょ?」と誤解されて精神的にも負担になりやすい状態です。「慢性疲労症候群」という名前自体が、怠けているだけという誤解を与えやすいため、最近ではME/CSF(筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群)という名前で統一されてきつつあります。

最近はコロナ後遺症としての慢性疲労症候群が多く指摘されており、重要性が増してきていると言えます。

慢性疲労症候群の症状

慢性疲労症候群は比較的新しい概念であり、その症状や病態についてはまだ議論されている状態です。

典型的な慢性疲労症候群は、原因不明の疲労が繰り返しながら6か月以上続き、それによって日常生活に支障をきたす症候群です。

よく見られる症状として以下があります。

  • 月に数日は社会生活や日常生活ができないほどの疲労感がある
  • 運動をした後やストレスを感じた後に強い疲労・倦怠感がある(PEM:Post-exertional malaise)
  • 記憶力、集中力の低下がある
  • 睡眠障害がある、もしくは眠れているが熟眠感がない
  • 立ち上がった直後などに動悸やめまいがする(起立不耐性)

 

 

 

慢性疲労症候群と普通の疲労との違い

激しい運動をした後に強い疲労感を感じたり、睡眠不足で頭痛や集中力が低下することは珍しくありません。しかし、このような普通の疲労であれば、十分な睡眠と療養をすることで2、3日後にはまた元気に活動できるようになります。

これに対して、慢性疲労症候群の場合は十分な休養をとっても回復しない状態が6か月以上続きます。

日本では慢性疲労症候群の臨床診断基準として、6か月以上続くか再発を繰り返す以下の症状を挙げています。

 

  1. 強い倦怠感を伴う日常活動能力の低下
  2. 活動後の強い疲労・倦怠感
  3. 睡眠障害、熟睡感のない睡眠
  4. 下記の(ア)または(イ)
    (ア)認知機能の障害
    (イ)起立性調節障害

上記の状態であり、かつ他の疾患が原因でない場合に慢性疲労症候群と診断されます。

他の疾患が隠れていないかを検査するため、必要に応じて血液検査や心電図、レントゲン検査などを行います。

全身倦怠感が現れるような他の疾患には、慢性腎不全、慢性心不全、自己免疫性疾患、内分泌・代謝異常、うつ病、双極性障害などがあります。

 

 

慢性疲労症候群の原因

慢性疲労症候群の原因はまだ明確になっていませんが、いくつかのメカニズムが推測されています。その1つであるウイルス再活性仮説について説明します。

私たちは普段、神経系、ホルモン系、免疫系の3つのバランスを保つことで健康な身体を動かせています。

しかし、ストレスがきっかけになり神経系の働きに異常が出たり免疫力が低下すると、体内に潜伏していたウイルスが再活性します。再活性したウイルスに対抗して免疫の過剰反応が起き、脳の働きにまで影響を与え、結果強い疲労感などの症状が出て慢性疲労症候群に繋がると考えられています。

原因としては他にも、ミトコンドリア/エネルギー産生の異常、自律神経/循環器系の異常、脳/認知機能の異常などが相互に影響しながら起きている可能性が指摘されています。

慢性疲労症候群になりやすい人の特徴

慢性疲労症候群は、以下のような人に発症しやすいと言われています。

  • 20代〜50代
  • 女性
  • 几帳面、真面目、正義感の強い性格

慢性疲労症候群の原因はまだはっきりしていませんが、心身のストレスがかかりやすい年代や性格が発症に影響しているのではないかとも考えられています。

また、一部の症例では家族内発症が認められており、遺伝的背景がある可能性も指摘されています。

慢性疲労症候群は何科を受診する?

慢性疲労症候群を疑った場合、まずは内科受診をお勧めします。

内科で血液検査や心電図など様々な検査することで、睡眠時無呼吸症候群や心疾患、糖尿病など身体的な病気の可能性をまずは除外する必要があります。

身体的な病気の可能性がないとされた場合に、次に心療内科・精神科を受診しうつ病などの精神疾患を除外します。

このようにして身体的、精神的な病気の可能性を除外することで、慢性疲労症候群と診断されます。

ME/CSFは比較的新しい概念であるため、適切な対応ができる病院が限られます。

そのため、ME/CSFの診療経験のある内科や心療内科・精神科がお勧めです。

慢性疲労症候群の治療法とは?

慢性疲労症候群の治療方法はまだ確立されておらず、各医療機関が模索しながら治療をしている状態です。その中でもいくつかの治療法は有効性が検証されており、症状に合わせて治療を選択します。

薬物療法

薬物療法では、抗うつ薬や睡眠薬、漢方薬、サプリメントなどを使います。

抗うつ薬を使用することで、慢性的な疲労感が改善したとされる報告があります。

また、慢性疲労症候群に伴う不安感や落ち込みに対して抗うつ薬が処方されることがあります。

当院においても、慢性疲労症候群と診断された患者様で、約15年続いた落ち込みが抗うつ薬で2ヶ月以内に改善した方がいらっしゃいました。その後抗うつ薬は中止しましたが、現在のところ症状は改善したまま維持しています。

また、一部の漢方薬によって、疲労症状の改善効果が指摘されています。

慢性疲労症候群の患者様の多くは東洋医学でいうところの気虚、血虚の状態にあり、漢方薬によって改善することがあります。

当院でも患者様の証(全身の状態)に合わせて加味帰脾湯や補中益気湯などの漢方薬を処方しています。

他にも、慢性疲労症候群と診断された方では亜鉛や鉄分などが不足しているという指摘があり、採血などを用いつつ、場合に応じてサプリメントで不足した栄養素を補うことで状態が改善することがあります。

鍼灸

慢性疲労症候群に鍼灸が有効だとする報告が多くあります。主に中国における複数の研究でも鍼灸の有効性は確かめられています。

当院でも鍼灸治療を行い、慢性疲労症候群の疲労感が大きく改善した患者様が複数いらっしゃいます。

TMS(経頭蓋磁気刺激療法)

TMSとは、脳に対して磁気刺激を与えて脳血流のアンバランスを改善する治療法です。

睡眠障害、うつ病、不安障害などに用いられることが多い治療ですが、慢性疲労症候群に対しても改善効果があるとする報告があります。

「間違いなく効果がある」と言える段階ではありませんが、当院でもTMSによって疲労感、落ち込みが大きく改善した患者様が多くいらっしゃいます(実際の改善例については本文末尾にある、実際の治療事例を参照ください)。

生活習慣の改善

慢性疲労症候群の治療で最も重要なことは、PEM(Post-exertional malaise)を防ぐことです。

PEMとは「わずかなストレスの後でも症状が急激に悪化し持続すること」で、身体的ストレスや心理的ストレスだけでなく、光や音もPEMの原因になりえます。

活動や刺激を受けて12-48時間後に悪化し、数日-数週間続いたり、PEMを起こすと再発しやすくなるという報告もあります。

活動や刺激への耐性は個人差があるため、ME/CSFを疑った場合は、精神的・身体的活動の限界を見極めながら疲れすぎない活動計画を立てる必要があります。

もちろん、3食バランスの良い食事を心がけるなど、基本的な生活習慣に気を使うことも大切です。

慢性疲労症候群を予防する方法は?

慢性疲労症候群のはっきりとした原因はわかっていないため、予防法も確立していません。

そうかもしれないと疑った場合には早めに医療機関を受診することが重要と言えるでしょう。

特に最近では、新型コロナウイルス感染症後に慢性疲労症候群となる方が多く報告されています。新型コロナウイルスに感染した後しばらくは、上記の症状に気をつけておくとよいかもしれません。

もちろん、適度な運動や食事、安定した睡眠リズムの維持など、バランスの良い生活習慣を心がけて心身の状態を良好に保つことも大切です。

慢性疲労症候群かもしれないと思ったら病院を受診しましょう

十分な休息をとっても改善されない長期間続く疲労は慢性疲労症候群の可能性があります。

日常生活に支障をきたすほどの疲労感が続く場合には、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

当院では上記の治療に加えて休職時の診断書作成や休職中のサポート、慢性疲労症候群でなかった場合の治療も含めて行っております。

最後に、慢性疲労症候群の患者様の当院での治療事例を紹介します。

当院での治療事例

  • 属性
    • 29歳 男性
  • 当院受診迄の経過
    • コロナ感染後に職場復帰したものの、復帰後1ヶ月で疲労感、倦怠感を自覚した。その後新しい職場になり人間関係の変化、環境の変化も相まって疲労感、倦怠感だけではなく、動悸、息切れ、頭痛を自覚し仕事ができない状態になり休職していた。
  • 休職後、お盆やドライヤーをもつと両上下肢の疼痛が出現したため近くの医療機関を受診した。コロナ後遺症と診断され、耳鼻咽喉科で上咽頭擦過療法、鍼灸を行うも、倦怠感、軽い作業で極度に疲労することや筋肉の痛みは継続しており、TMS治療を希望され当院に初診となった。
  • 当院受診時
    • 初診時 集中力の検査スコアが9点であり、腕をずっとあげていると灼熱感を感じるなどの症状を自覚されており、TMS治療を開始した。
  • 治療の経過
    • TMS治療を開始して2回目、3回目の時点では四肢の痛みが減弱し、倦怠感についても改善を自覚された。歩いた方が良いということを聞いたので、調子が良くなったこともあり、長く歩きすぎて筋肉痛がおきていました。
    • TMS10回目実施時には集中力の検査スコアが9点から3点になり、左足にはまだ痛みがのこっていたが、治療の効果を実感されていた。TMSを行うことで、副作用として軽い頭痛が起きることもあったが、明らかに治療効果のほうが上回るとお話されていた。

参考資料

 1.時事メディカル

 2. 慢性疲労症候群患者の日常生活困難度調査事業