目次
1.【仕事へ影響する】社会不安障害(社交不安障害)の症状とは
人前での発言や発表など、対人場面における特定の状況で、過度の不安や緊張とそれに伴う動悸や息苦しさ、手足のふるえ、発汗、吐き気などの身体症状により、発言や発表に支障をきたすほどの強い苦痛を感じます。
意識すればするほど不安・緊張が強まり、恐怖心からそのような場面を避けたり、会社に行けなくなることもあります。
2.社会不安障害(社交不安障害)が仕事に与える影響
①不安と緊張の為、人前でうまく話せない
最も症状が出やすく、苦痛が強いのが人前で話すケースです。
会議・ミーティングでの発言、大勢の前での発表・プレゼンなどの際、 うまく話せないのではという不安から緊張が強まり、ぎこちなくなる、声が出ない、頭が真っ白になる、言おうと思うことが言えないなどが起きます。
一度このような経験をすると、また同じことが起きるのではないか、変に思われるのではないかとの不安や恥ずかしさから、より一層緊張を強める悪循環となります。
②仕事中に症状が出てしまい、人間関係がうまくいかない
職場では、上司にあいさつする、相談事をする、人前で字を書く、人前で電話をかけるなどの場面で不安を感じ、スムーズに行うことができない、また、周りの人の視線や動きが気になり仕事に集中できないといったことがあります。
報連相が遅れる、やるべきことを先延ばしにするなどから、仕事に支障が出たり、上司や同僚の誤解を招き人間関係がギクシャクすることもあります。
③電車内でパニック発作が起き、仕事に行けない
社会不安障害(社交不安障害)と併せて、パニック障害や広場恐怖症の症状があると、電車内で息苦しくなり、「このまま死んでしまうのではないか」と思うほどの恐怖に駆られるパニック発作を起こし、電車に乗ることができず、通勤が困難になるケースもあります。
3.社会不安障害(社交不安障害)に対応してうまく仕事をする方法
【予防】まずは規則正しい生活で身体の健康を作る
栄養バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動等で生活リズムを整えることで、身体を健康に保つようにしましょう。身体の健康は、心の安定の土台となります。
【治療】薬物療法と精神(心理)療法を受ける
治療は、薬物療法と精神(心理)療法が中心になります。
薬物療法では、発作や不安を抑える薬で脳の働きを安定化させていきます。
薬は比較的早く効果が出やすいですが、根本的な解決のためには精神療法も併用していく必要があります。
精神療法では、感情・不安を引き起こす認知(思考やイメージ)パターンの修正や、自分で不安を軽減できる対処法などを行っていきます。
シンプルな手順でできるトレーニング法を行っていくことで、不安も徐々に解消されていきます。
【転職】症状を考慮して自分にあった職場を選ぶ
対人折衝が必要な営業職・接客業・窓口業務などは避け、定型的な仕事(事務職など)・マイペースでできる仕事(研究職など)・在宅勤務が可能な仕事などに部署異動を申し出たり、転職をするといった選択肢もあります。
社交不安障害が仕事に与える影響は重大、転職も視野に対応しよう
社会不安障害(社交不安障害)は、性格の問題と考えて一人で悩み続けている人が少なくありません。
社交不安障害は、治療可能な疾患です。ひとりで抱え込まずに、信頼できる人に相談したり、病院を受診することをお勧めします。
焦らず治療していくことで、不安が軽減していくと、その経験が自信につながっていくことでしょう。
転職を考える場合も、医師やご家族など周囲の人に相談し、心に負担をかけないように進めていきましょう。