コロナ鬱とは?ワクチン後遺症の原因と治療法を解説

コロナうつの原因はいろいろな理由が考えられます。

1.在宅勤務が増え通勤が減ったこと、そもそもコロナで外出できないので、一日の運動量が減った為に、運動すると筋肉から出てくるBDNF(脳神経成長因子)が減って、脳神経細胞の新生が少なくった

2.外出がすくなく、光を浴びるのが少なくなったために、メラトニンからセロトニンへの神経伝達物質が減ってしまった。

3.人間は、哺乳類は社会的生物なので、対人コミュニケ―ションが少なくなると、大脳皮質の活動が低下して、抑うつを起こす扁桃体の活動が過活動なって、うつ・不安などの感情障害が起こる。 その他いろいろな仮説があります。

うつ病は「脳の慢性炎症」であるという仮説

さて私達ベスリクリニックは、海外特にイギリスからの大きな流れである、うつ病「脳の慢性炎症仮説」で治療を行っています。具体的な治療は生活習慣改善や薬物療法、サプリメント、そして世界のうつ病治療で使われているTMS(経頭蓋磁気刺激療法)です。

ご存じの方も多いと思いますが、海外では【重症うつ病】しか、抗うつ薬は使わない(医師からは処方できない、使えない)のです。抗うつ薬は、うつ病がセロトニンの不足から起こっているというセロトニン仮説から創られています。ところが2000年前後から、抗うつ薬が、プラセボー(偽薬)と効果が変わらない論文が多数出てきました。抗うつ薬がうつ病に効果が無いのであれば、セロトニン仮説は終焉します。そこで別のうつ病仮説が必要となっています。その有力仮説が、脳の慢性炎症仮説なんです。

私達は抗生剤が無い時代、怪我をしたとき、感染を受けた時、手術をしたときも、治癒のために、体全体のエネルギーを病原菌や治癒能力に充てる必要があります。その結果他人と接するの避けて、活動を止め、じっと病と闘います。身体的には疲労感、だるさが強く感じ、気持ち的にはやる気、意欲が無くなり、他人と会いたくなくなります。そうすることで、部族に感染症をばらまかないようにして、時には、ライオンなどの人食べる動物にあうと病者が餌食になり、結果的に部族が生き残る、自然淘汰の仕組みでもありました。アフリカから発生した人は、ヨーロッパ、ベーリング海峡を渡り北米、そして南米チリの南端まで旅する過程で、感染症や怪我に強い部族の生き残りが、私達人類の祖先だという壮大な話もあります(余談でした)。

この感染を受けた人の状態を疾病行動 Sick Behaviorと呼びます。このSick Behaviorが起こる理由が、脳の慢性炎症なのです。コロナうつは、生体を守るため、部族を守るために Sick Behavior なのです。

脳の慢性炎症を起こす特殊な脳神経細胞 ミクログリア

感染が起こるとその部分に炎症が起こります。身体の抵抗力である免疫細胞の中で最初に動くのが、マクロファージ(単球が変化し貪食細胞)です。マクロファージは、細菌やウイルスを食べて、「敵が来たぞ!」と血液や神経を通して、炎症性サイトカイン:IL-1やTNFαを全身に送ります。全身の免疫、炎症細胞が、この炎症性サイトカインを受けると自らも炎症性サイトカインを産生して、敵の攻撃に対して、味方の援軍を集めるのです。

全身には多様な、沢山の炎症・免疫細胞が居ます。一方脳は、非常に大切な臓器なので、BBB(血液脳関門)という防御壁で異物が入らないように守られています。その為に脳には唯一の免疫・炎症細胞であるミクログリアが守っています。このミクログリアは、敵を攻撃食べるマクロファージ・単球の一種です。事実単球から、特殊な処理で、ミクログリアを創る方法を、九州大学の加藤隆弘先生のグループが成功しています。

このミクログリアは、普段は脳の中でじっと見守っていますが、血液、神経から伝わってくる炎症性サイトカイン 特にIL-1に反応して、敵の攻撃の準備のため武器をもって脳内を動きまわるのです。しかしBBBに守られた脳には異物がないので、脳の活動性の高い部位を障害してしまい、それでうつ病や慢性疲労症候群を起こすのです。

脳の慢性炎症 ミクログリアによる脳障害とその症状

一般のうつ病、抑うつ状態も脳の慢性炎症でミクログリアによる脳障害です。うつ病では、背外側前前野、島、前帯状回にミクログリアの集合(障害)が報告されている。

ミクログリアが障害するのは、新しく神経細胞を再生している部位と脳の中で活動性の高い部位です。神経再生部位とは海馬と側脳室下層です。海馬は長期記憶を作る場所で、側脳室下層は嗅覚神経を再生している場所です。だから、コロナ感染症、コロナうつでは記憶力の低下と嗅覚・味覚障害が起こるのです。活動性の高い部位とは、前頭前野の背外側部(dlPFC 背外側前頭前野)、島(古い脳の感覚野)と前帯状回(古い脳の運動野)です。背外側前頭前野はワーキングメモリーという短期記憶、演算、意思決定が上がってくる場所です。背外側前頭前野が障害されると、ワーキングメモリーは動かず、ブレインフォグ(濃霧脳)が起こります。この背外側前頭前野はうつ病や脳機能低下に効果が高いTMS(経頭蓋磁気刺激療法)の刺激部位です。だからコロナうつにはTMSが著効するのです。

島が障害すると疲労感を感じます。また前帯状回が障害するとやる気が無くなることが知られています。

さて自殺者の脳に前帯状回の背側部にミクログリアの密集が報告されています。自殺行為は、本人の意思でなく、ミクログリアによって操作されて起こっている可能性があります。

うつ病を起こす脳の場所 扁桃体

私たちは、現時点での進化の最終像です。もともと単細胞から、多細胞に進化して、臓器・神経が発達して水の中で魚になりました。バリスカン造山運動で、水の中から陸上に取り残されて、肺魚のようなら肺呼吸をする魚が出現、そして両生類に進化しています。完全に陸上化して、鰓が無くなり肺呼吸をする爬虫類に。爬虫類、恐竜全盛時代に、卵でなく、子宮で育て、母乳を与えることで、母子関係性を構築していく哺乳類が出現しました。哺乳類は、人間関係、家族関係、社会関係の複雑化とともに、大脳皮質を発達させて、類人猿に。そして最後に大脳皮質の思考、意思を生み出し、人が出来上がったのです。

生物の進化は環境変化に対応して進化してきたわけで、環境変化は予想外に起こるわけです。そうなると動物の進化には、最初から設計図はないということです。遺伝子という設計図があるのではないか?、しかし遺伝子はただの蛋白を創り出すコードです。驚くべきに私達は設計図が無く子宮内で進化していくのです。つまり、母体が、地球環境の壮大なる歴史的変化を子宮内に創りだし、それに対応して、魚から両生類、爬虫類、哺乳類、そして人になっていくわけです。

心臓が一つの袋から、魚の心臓、爬虫類の心臓、そして2心房2心室の私たちの心臓になります。脳も同じで、魚の脳から両生類の脳、爬虫類の脳、哺乳類の脳に母体内で進化していくのです。

さて脳の深部に扁桃体という小さなアーモンド(扁桃)型の構造があります。扁桃体は魚の脳の中枢で、魚の群れを形成します。爬虫類になり陸上化していくと、空気中の乾燥に耐えるように、母体内での受精が必要となります。そのために雄、雌のツガイ(夫婦)が必要となります。そのために愛の元型や、別の雄を追い払うための攻撃性などの感情の元型が必要になった時、それを担ったのが扁桃体です。

私達の愛、易怒性、不安、抑うつなどの感情は、実は扁桃体が生み出しているんですね。

この扁桃体が、ミクログリアの脳への攻撃のために、不安定になったのが、感情障害であり、うつ病なんです。

ミクログリアによる脳への攻撃のために、どうやってうつ病が起こるかは、今後お話していきます。うつ病が起こる機序が解かれば、うつ病を治す方法が明らかとなります。

うつ病、コロナうつを治す方法。扁桃体の抑制の原理

魚の脳の中枢である扁桃体の異常がうつ病、抑うつ状態を起こす原因とお伝えしました。

新しい機能が発揮するのは、適応できなかった機能を抑制する必要があります。脳は、新しい脳が動いている時は古い脳は動かない。動かないように、新しい脳は、古い脳に抑制をかける仕組みを持っているのです。

一番古い魚の脳から、両生類の脳、そして爬虫類の脳、哺乳類の脳。哺乳類の脳が動く時、爬虫類の脳を抑制し、爬虫類の脳が動く時、両生類・魚類の脳を抑制する仕組みがあるのです。魚脳の扁桃体、爬虫類の脳が抑制している。その抑制が外れた時に、扁桃体は過活動を起こすのです、

扁桃体抑制の方法について:扁桃体が魚の脳の中枢ならば、爬虫類の脳を使って、扁桃体は抑制できるのです。もう一つは、魚の脳の中枢である扁桃体へ身体情報を送る、魚の脳の感覚野であるPBN(傍小脳脚核)への自律神経を通じた消化管などの臓器安定です。慢性疼痛、例えば腰痛の原因は治癒しているのに疼痛が続くのも、このPBNの障害だと、慈恵医大生理学○○教授の研究報告もあります。

ベスリクリニックでは、脳の解剖学的な仕組みを使って、科学的治療を行っています。まずは魚の脳の安定、下痢、便秘などの消化管などの臓器状態の安定為に漢方やサプリメントで魚脳が管理する身体からのアプローチです。そして哺乳類の前頭前野、中でもdlPFC背外側前頭前野トップから機能改善ためのTMS、そして爬虫類の脳にダイレクトに効果を発揮するメンタル鍼灸を使って、うつ病、その扁桃体の過剰活動を抑制しています。

ベスリグループ:ベスリクリニック、東京TMSクリニック、ベスリ横浜TMS醫院は、世界標準のうつ病 病態仮説に基づき、薬に頼らない(そもそも効かないと世界で言っている)治療:TMS治療や、睡眠外来、運動生活習慣改善外来、漢方薬・鍼灸の東洋医学、世界最新の心理学治療・Somatic psychology身体心理学のブレインスポティング、プロセスワーク、SE(Somatic Experiences) その他数多くの治療を行っています。それによって、うつ病、不安障害、そしてコロナうつやコロナ後遺症、それと極めて類似する慢性疲労症候群の根本治療を行っています。