生理後症候群とは?~生理後の女性の潜在性鉄欠乏~

生理後症候群とは?~生理後の不調~

生理前の不調を指す「PMS(生理前症候群)」はよく知られていますが、実は生理後に体調が悪化する方もいます。

  • 生理後になると体がだるい
  • 眠気が強くなる
  • 動悸や不安、気分の落ち込みがある

などの症状を感じたことはありませんか?
これらの症状は「貧血」や「潜在性鉄欠乏」に関係している可能性があります。

貧血と潜在性鉄欠乏について

生理後症候群における「貧血」と「潜在性鉄欠乏」とは?

女性は生理で血を出すとき、体からたくさんの鉄が失われます。

なんと、1回の生理で男性が1か月の鉄が使われます。この鉄が足りなくなると、体や心の調子が悪くなることがあります。

「貧血」というのは、血液の中のヘモグロビン(酸素を運ぶ成分)が少なくなって、体が酸欠みたいな状態になることをいいます。

これはよく知られていますよね。でも、「潜在性鉄欠乏(かくれ貧血)」という言葉は、あまり聞いたことがないかもしれません。

これは、貧血ほどは足りなくないけれど、体の中の鉄が少なくなっていて、調子を崩しやすい状態のことです。

例えば、疲れやすくなったり、イライラしたり、なんとなく元気がないと感じることがあります。

「潜在性鉄欠乏(かくれ貧血)」は普通の健康診断では検査しない採血項目のため、自分でも気づかないことが多いのです。

生理後に体調を崩す女性の多くは、この鉄不足が原因の可能性があります。

生理後症候群セルフチェックリスト

以下に該当する場合、鉄不足やかくれ貧血の可能性があります。

  • 生理後に体がだるく、起き上がりづらい
  • 生理後に冷えを感じ、下痢しやすい
  • 倦怠感が強く、やる気が出ない
  • ふらつきや息切れがある
  • 夜、足がむずむずして眠れない

これらの症状に心当たりがある方は、まずはお気軽にご相談ください。

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生理後症候群は診断できるの?

「生理前症候群(PMS)」や「貧血」は医学的な診断名がありますが、「生理後症候群」や「潜在性鉄欠乏」は診断名としては存在しません。

当院では、生理後の不調に対し、まず採血検査を行い、鉄不足や潜在的な貧血の有無を確認します。その結果に基づいて、鉄剤や漢方薬の処方、栄養指導などを通じて症状の改善を目指します。
また、心療内科では、身体的な治療に加えて、メンタル面のケアを含めた総合的なサポートを行っています。例えば、ストレス管理や睡眠の質の改善、カウンセリングを通じて心身のバランスを整えるアプローチも可能です。これにより、症状の根本的な改善を図ることができます。

今の自分の状態は受診するほどじゃないかも…相談していいのかなと不安になる必要はありません。

当院ではまず自分の状態を知るための検査をご案内いたします。

生理後症候群の検査

  • 貧血の指標(血球成分):WBC(白血球)、Hb(ヘモグロビン)、MCV(平均赤血球容積)、Ht(ヘマトクリット)
  • 鉄動態:鉄Fe、フェリチンFt(体内の鉄の貯蔵量を示す)
いわゆる健康診断では「貧血」だけをチェックすることが多いですが、当院では「鉄が不足しているか」や「その原因」をより詳細に調べます。

生理後症候群の症例

ピルの処方で倦怠感が改善 Aさん
30代女性。生理後に倦怠感と不安感が強く、仕事に支障をきたすほどの不調を訴えて来院されました。血液検査では鉄不足は見られず、ホルモンバランスの乱れが疑われました。医師の診察の結果、低用量ピルを処方し、生理周期を安定させる治療を開始しました。1か月後には生理後の不調が軽減し、2か月後にはほぼ症状が消失。患者様から「生活の質が大きく向上した」との報告を受けました。
鉄剤の補充で冷えやが改善 Bさん
40代女性。生理後に疲労感と冷えを感じるようになり、日常生活に支障をきたして受診されました。血液検査の結果、フェリチン値が低く、潜在性鉄欠乏と診断されました。鉄剤の補充を開始し、1か月後には疲労感が改善。さらに栄養指導を通じて、鉄分を含む食事を積極的に取り入れるよう指導した結果、体温も高まって安定しました。

生理後症候群の治療

血液検査の結果に基づき、必要に応じて以下の治療を行います。
  • 鉄剤や漢方薬の処方
  • 鉄不足以外が原因の場合、メンタル面のサポート
生理後に心身の不調を感じる方は、まずはお気軽にご相談ください。

受診の流れ

  1. 予約:お問合せフォームから予約します。
  2. 初診+検査:症状について問診を行い、必要に応じて血液検査やその他の検査を実施します。
  3. 治療方針の決定:検査結果を基に、治療方針を立てます。
  4. フォローアップ:治療の進捗を確認し、必要に応じて治療内容を調整します。

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よくあるご質問

1.潜在性鉄欠乏とは何ですか

体内の鉄が不足し、「ヘモグロビン」を作る材料が十分でない状態を指します。この状態は貧血と診断されることはありませんが、鉄不足による以下の症状が現れることがあります。

  • イライラや憂うつ
  • 集中力低下や朝起きられない
  • 冷え性、疲れやすさ
  • 肌荒れ、不妊

2.鉄動態:鉄FeとフェリチンFtとは何ですか

フェリチンFtは体内の鉄の貯蔵量を示します。

鉄が不足すると、この「貯金」が使われ、結果として貧血になります。治療ではフェリチンを80–100に戻すことを目標とします。

3.鉄剤を飲むうえでアドバイスが欲しいです

鉄剤を服用する際は、以下を一緒に摂ると吸収率が上がります。

  • ビタミンC
  • ビタミンB12
  • 葉酸(特に妊娠中・妊活中の女性は多めの摂取が推奨されます

これらは水溶性で過剰摂取の心配が少ない栄養素です。
鉄剤だけでなく、バランスの良い栄養摂取を心がけましょう。

4. 心療内科を受診するメリットは?

心療内科では、鉄不足だけでなく、心身のバランスを総合的に整えるサポートが受けられます。

特に、生理後の不調がストレスやメンタル面に関係している場合、専門的なアプローチで症状の改善を目指します。

5. 初診時の具体的なプロセスを教えてください

初診では、現在の症状や悩みについて丁寧にお話を伺い、必要に応じて血液検査を実施します。

その結果を基に、鉄剤や漢方薬の処方、カウンセリングなどの治療方針を一緒に決定します。