【第1回臨床TMS研究会】

【第1回臨床TMS研究会】
2019年10月20日に第1回臨床TMS研究会が行われました。
当院の医師である田中 奏多が参加しましたのでご報告いたします。

この研究会は
・TMS治療の情報共有・調整の場
・TMS患者のレジストリとデータベース化
・保険診療、もしくは保健医療に準じた治療を提供する医療機関について信頼できる情報をユーザーへ提供する
ことを目的に発足されています。

<次第>
(1) 研究会の設立にあたって
(2) 慶應義塾大学の取り組みの現状
(3) 単科精神科病院における実際の立ち上げ
(4) rTMS療法の適正使用と問題点について
(5) rTMS療法の今後の課題
(6) 診療所としての考え方

<登壇された先生方>
・慶応義塾大学医学部精神・神経科学教室 教授 三村 將先生
・東京慈恵会医科大学 精神医学講座 鬼頭 伸輔先生
・一般社団法人うつ病センター 樋口 輝彦先生
・ATR脳情報研究所長 川人光男先生
・慶應義塾大学医学部精神科・神経科学教室 野田 賀大先生
・神奈川県立精神医療センター 伊津野 拓司先生
・神奈川県立精神医療センター・昭和大学 准教授 中村 元昭先生
・臨床研究研修センター 篠崎 和弘先生
・メディカルケア大手町 五十嵐 良雄先生

<TMS治療の現状>
・保険診療では入院治療によるTMS治療のみを現状では行っている。
・保健診療におけるTMS治療は11月から整備が整う病院が多く、患者さんがより保健診療でもTMS治療を受けやすくなる
・11月から保険診療が大きく動きそうなのは慈恵医科大学病院、慶應大学病院等がある
・神奈川県立精神医療センターでは6月からの保険診療で一番スムーズに動いており、6月から10月まで5症例が保険診療で治療を受けることができていた。
・保険診療でのTMS治療は50%が書類審査で対象外になってしまい、初診からさらに50%が対象外となるケースがみられる。
・一部のクリニックで悪質にTMS治療が行われている可能性があるため、信頼できる情報をユーザーに伝える必要がある(統合失調症やてんかんがある人やプロトコールが定まっていない症例にも見境なく、高額にTMS治療を行っていると、ほぼ同定できるレベルでお話しされていましたが…)
・保健診療で行われている病院の先生方はお話ししやすく、信頼できる良い先生ばかりでした。

当院では保険外診療によるTMS治療を行っています。
診療所で適切なTMS治療をおこなうため、TMS治療の対象外となる方、地域の中核病院でのTMS治療のほうが適した方に関しては当院での治療をお断りしております。今後も日本のTMS治療を第一線で支える先生方にご指導いただきながら【日本における適切なTMS治療】を目指してまいります。