皆さんの周りにはキレる人がいますか?あるいは、キレてしまい後悔したことはありませんか?
ある調査によると、周囲にいるとストレスに感じる人の特徴の第1位は、「キレる人」という結果がでています。
参考:ビジネスパーソンの健康づくりに関する調査2020(株式会社大和ネクスト銀行)
このようにキレることは、私たちにとって、ストレッサーとなります。
では、キレるのは、何が原因なのでしょうか?
キレるのは脳疲労が一因・・・・脳が疲れると人はキレやすくなる
実は突発的にキレてしまうのは、脳の疲れが原因と言われています。
例えば、
部下の一言にカッとなってしまいつい声を荒げてしまった、お店の店員さんの態度が妙にカンにさわってしまって怒鳴ってしまったなど、経験した方も多いのではないでしょうか。
一緒に生活している家族にならば関係を修復することもできるかもしれませんが、同僚となると敬遠されて仕事がやりにくくなってしまうかもしれませんし、お店で怒鳴ったら最悪出禁になってしまうかもしれませんね。
キレているとき脳内では何が起こっているか
突発的な怒りを感じているとき、脳の背外側前頭前野(はいがいそくぜんとうぜんや)という部分の活動が低下しています。
背外側前頭前野が活発になると注意力と判断力が高まり、脳は問題解決に向けて自分の行動計画を立てられるようになります。反対に、活動が低下すると目の前のこと以外に注意が向かなくなり、物事を適切に判断できず、結果として最も問題解決から遠い「感情的になって大きな声を出す」という行動を脳が選択してしまうのです。
更に、背外側前頭前野は短期記憶(数秒〜数分だけ保つ記憶)の働きにも関与していますので、相手の言ったことを覚えていなかったり説明されても頭に入ってこなかったりしてしまいます。
いわゆる「頭に血が上っている状態」はこの背外側前頭前野の働きが落ちることで引き起こされているのです。
よく噛むことは脳にも良い
今年は新型コロナで、密を避け自粛のため直接対話が制限されています。
そこで、普段の食生活から「物をよく噛む」ことを意識してみましょう。物を噛む動作のことをチューイングと言いますが、このチューイングが背外側前頭前野の血流を上げ、活動を高めることが分かっています。生活の中にガムを噛む習慣を取り入れるのもいいですが、食事のときにひと口につき5回だけ多く噛んでから飲み込むようにしてみるのもいいでしょう。
この背外側前頭前野の活動を人為的にコントロールする治療法がTMS(経頭蓋磁気刺激)治療です。
ベスリクリニックでは怒りだけでなくうつ気分や不安感といった抑制の効かなくなった感情を穏やかにするためにTMSを用いています。
興味のある方は一度クリニックへご相談ください。
突き詰めるより、状況に応じ、目的達成のために、効果的なやり方を柔軟に採用してみましょう。
まとめ
キレてしまうのは背外側前頭前野(はいがいそくぜんとうぜんや)の働きが低下しているから
物をよく噛むこと(チューイング)によって背外側前頭前野の働きを高めることができる
TMS(経頭蓋磁気刺激)治療は怒り以外にも様々な感情を抑制する効果が期待できる
公認心理師 関本文博
写真引用: https://taijuseikotuin.com