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職場適応障害
生産性向上 上司部下関係 産業医

2020.10.25

職場適応障害

ケース 転職後の不調

このようなつらい思いで仕事をしていませんか?
仕事が合わない 楽しくない
・職場になじめない
・仕事に行こうとすると頭痛、吐き気、動悸などが起きる
・寝付けない あるいは、眠くて仕方ない
・仕事を辞めたい 退職したい

1日の3分の1の時間、人生の3分の1を占める仕事ですが、このようなつらい思いをされている方は結構多いものです。
クリニックにもこのような症状で受診される方が多くいらっしゃいます。

今回は、「転職後、仕事や職場になじめない」ことで悩んで、クリニックにお越しになった方のケースレポートです。

 心理学基礎知識:認知とは・・・

 
こころの疾患を治療する際、「認知」という言葉がキーワードになります。

心療内科、精神科の治療として、「認知行動療法」という言葉を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。

この 「認知」とは「物事の見方・捉え方」のことを意味しています。

例えば、ネガティブな認知として、

「上司が自分のことだけ邪険に扱っている気がする」

「怒られているわけでもないのに指摘や批判がずっと頭に残ってしまう」

「どのプロジェクトに配属されても失敗する可能性ばかり提言している」

といった考えがよく脳裏に浮かんでくる方は、認知を変えてみる“認知変容”が必要な状態かもしれません。

 

 ネガティブな認知ががもたらす不調

 

ネガティブな認知は活動性を低下させ、ストレスに取り組んだり変化を模索したりする力を失わせていきます。

脳の中では扁桃体(へんとうたい)という部位の過活動によって、ネガティブな感情が発生しますが、ネガティブな認知はその活動に拍車をかけることが分かっています。

それだけでなく、脳の状態は体の至るところまで及び、過眠や不眠、動悸、吐き気、頭痛、全身の倦怠感や疲労感といった不調を引き起こします。

当院では睡眠外来にて睡眠に関する認知を再構成したり、認知行動療法を用いてネガティブな認知をニュートラルな認知に変容したりすることで、活動性を回復させています。

 

それでは、ある患者さんのケースをご紹介致します。

 

 ケース事例

 
Case 30代女性 営業職の方
転職後 仕事や職場になじめないとのことで来院されました。
受診時の状態は、重度のうつ状態でした。 入眠困難、中途覚醒、情緒不安定、過呼吸、体が重く感じるなどを訴えていらっしゃいました。

ご本人は、

「転職して半年経つのですが、上司や先輩から業務上のことをあまり教えてもらえず、一方で私生活についてはよく訊かれる状況が続いていました。出張も多く、その移動時間は上司と二人きりになるため、「また私生活のことを聞かれるのでは」と考えると相談もしづらくなっていきました。残業をするのが当たり前という社内風土で、どんどん業務が積もっていくのがつらくなり、職場でも涙が止まらなくなることがたびたび起こるようになった」

と言われていました。

 

 治療法

 
当院では脳疲労が見られたために、TMSという磁気刺激療法を用いて脳血流量を上げうつ状態の改善を目指しました。
また、仕事の捉え方、仕事の仕方を変えるトレーニング(当院治療名:ビジネスメンタルトレーニング)から治療を開始しました。

一時的に一気に気持ちは落ち着きました。

しかし、今度は全身の疲労感が強く、出社が難しい日が何日か出てきたため、心と身体を保護するために、医師の指示で休職となりました。(このような頑張りやさんには、主治医が専門的視点で休職を打診することもあります)

また、認知行動療法を開始したところ、「同期においていかれてしまう」「自分は必要とされていない」「私には今のこの職場しかない」といった思考が彼女を焦らせ、建設的な行動をとれなくしていることが分かっていきました。

 

一時期は転職まで考えられていましたが、職場や上司に対する認知が変わってきて「自分が職場で何をすればいいか」がはっきりしてきたため、5ヵ月間の休職を経て復職となりました。

 

 まとめ

 

転職時は、仕事で頑張ろう、成果を出そうと頑張り過ぎてしまうことがある
 心の悲鳴は、身体心身に現れるので、今までと違う症状が出たら注意をする
 転職後は、数か月は新人と思って気張らずに自分のやるべきことを明確にして行動する

 

公認心理師  関本文博