クスリの効かないストレス頭痛とは

昇進や転職などの環境の変化のストレス、仕事や家庭の人間関係などの心のストレス、長時間労働や座りっぱなしのテレワーク、猫背など身体的なストレスがかかったときに頭痛がでることがあります。

なぜストレスで頭痛がでるの?

頑張りたいのに頭が重く、億劫になりなかなか頑張れない。

身体的なストレスが無くとも、精神的なストレスのみが原因で頭痛が起こるケースもあります。

精神的に緊張した状態が長期間続くと、脳の痛みを調整する部位が機能不全を起こし頭痛を引き起こしてしまいます。

精神的なストレスは自律神経に影響し、緊張型頭痛を慢性化させやすくします。

中枢性の痛みをコントロールするシステムの異常がおこると、頻繁に調子が悪くなるより痛みを感じやすくなります。

ストレス頭痛セルフチェックリスト

ストレスが原因の頭痛であるストレス頭痛(緊張型頭痛)は以下のような症状が多いです。

  •  ・頭全体が重く、しんどい、うっとうしい
  •  ・側頭部や後頭部が締め付けられるような感じがする
  •  ・夕方に悪化する
  •  ・首・肩こりが強い
  •  ・頭にモヤがかかったように集中力が出ない(ブレインフォグ)
  •  ・体がフワフワするようなめまいを感じる
  •  ・吐き気が起こることは少ない
  •  ・運動をすると楽になる
  •  ・温めると楽になる

上記が当てはまり、日常生活に影響が出ている場合は要注意です。

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どんなストレス頭痛にお薬が効かないの?

ストレスで中枢性に頭痛が出ている場合、痛み止めを飲んでもなかなか効果がないことがあります。

1か月に1回程度など頻度が少ない緊張型頭痛の場合、末梢性神経の異常活性により頭痛がおこります。

たまにおこる末梢性神経の痛みに対する頭痛には、痛み止め(NSAIDs)や湿布が効果的です。

しかしながら、頻繁に頭が重く、しんどくなる緊張型頭痛の場合、 中枢性の痛みをコントロールするシステムの異常により、より痛みを感じやすくなります。

この慢性的な頭痛には、 痛み止め(NSAIDs)や湿布 がなかなか効果がありません。

ストレス頭痛になりやすい人チェックリスト

パソコンや携帯を使う動作で下を向く姿勢が続いたり、テレワーク、長時間労働など同じ姿勢が続く身体ストレスにより緊張型頭痛はでやすくなります。

  •  ・ 1日の半分以上、携帯やPCに触っている
  •  ・うつむき姿勢で過ごすことが多い
  •  ・管理職・システムエンジニア・コンサルタント・霞が関官僚
  •  ・家族の介護・子育ての主婦・主夫
  •  ・精神的な小さなストレスが続いている
  •  ・抗うつ薬や抗不安薬を飲んでいる
  •   (ベンゾジアゼピン系のお薬を夕方飲むことがクセになっている)
  •  ・運動習慣がすくない

ストレスにより交感神経が優位になり、首や頭蓋骨周囲の筋肉が収縮し、酸素不足・栄養不足・疲労物質がたまることで神経が刺激され、痛みが生じるといわれています。

クスリの効かないストレス頭痛治療法

クスリの効かないストレス頭痛には当院では以下の4つの治療法を行っています。

①カウンセリング

カウンセリングには生活カウンセリング・こころカウンセリング・ビジネストレーニングがあります。

多くのストレス頭痛の背景には人間関係や生活(睡眠)の乱れがあります。

生活カウンセリングでは睡眠の質が低下している・メリハリがない生活になってきている状態に対して中長期的にテレワークなどでも自立して自分の心身を整えられるように生活カウンセリングを行います。

解決できない問題で、いっぱいいっぱいな自分の状態を整理したいとき、仕事でもプライベートでもない第三の場所として相談できる心カウンセリングを行います。

ビジネストレーニングでは、上司・部下関係や仕事の成果の出し方についてのトレーニングを行います。

ストレス頭痛が起きやすい人は、昇進したばかりの方や、経営者などが多いです。自分のビジネスの在り方について1on 1トレーニングを行うことで根本の治療を行います。

②TMS治療

TMS治療は第三のうつ病治療と呼ばれる脳に対する磁気治療です。

メリットはうつ病や抗不安薬と異なり、依存性や吐き気・奇形などの副作用が少ないことです。

脳ネットワークを調整することで、集中力や思考力などの改善も見込まれます。

夕方からデパスを飲んでやり過ごしていた人が、頭のモヤがなくなってデパス(エチゾラム)がなくても集中力が続くようになったという方もいます。

③鍼灸

鍼灸は鍼やお灸で固くなった筋肉を末梢から直接緩めていきます。

メリットは肩こりや首のコリが強い人、冷えが強い人、何もする気が起きないほど疲れている(気虚)の状態に補気の鍼灸をすることで改善ができます。

減薬の際のしびれや耳鳴り発汗などの自律神経の調整も行えます。

生理前や生理後に頭痛がする、生理痛が辛いという女性にもおすすめです。

④予防薬:抗うつ薬・抗不安薬

痛み止めの効果がない中枢性のストレス頭痛には抗うつ薬や抗不安薬が予防薬として使われることが多いです。

メリットは通院がしづらい人も比較的対応しやすいです。

デメリットとしては、眠気や頭のぼんやりがある場合があり、抗不安薬の場合はクセになることもあります。

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コロナ禍でストレス頭痛が増えた?

コロナ禍でストレス頭痛になる方が増えています。

デスクワークで机に向かってパソコン作業をしたり、長時間うつ向いた姿勢が続くと首や肩の筋肉、頭の筋肉が緊張して血流が悪くなり、緊張型頭痛を起こしやすくなります。

コロナ禍でテレワークになり、通勤がなくなる、仕事中に他の人から話しかけられ顔をあげる、一緒に休憩に行く、昼食を食べに歩くなど小さな身体の休憩が無くなってしまいました。

他の人に邪魔されず集中できるようになった。という方もいますが体を動かす機会が大きく減り身体的なストレスがかかりやすい。

他の人と話す、心安らぐ時間も減ったことで精神的なストレスも知らないうちにかかりやすくなり、緊張型頭痛に悩まされる人が増えたと考えられます。

クスリの効かない頭痛を放っておくと

クスリの効かないストレス頭痛を放っておくと3つのデメリットがあります。

 ①生産性が低下する

日常的に悩む頭痛は生産性低下の第2位になっています。

ちょっとの頭痛だけだろう、そうは言っても仕事ができるだろうと無理をし続けるとだんだんと頭がボーっとしてモヤがかかったような状態 (ブレインフォグ) になります。

ブレインフォグの状態は集中力や思考力が低下しやすく、やることがたくさんあるのに手を出せないという状態になりやすくなります。

 ②ベンゾジアゼピン系など心のお薬に依存しやすくなる

ストレス頭痛に対し、抗不安薬や抗うつ薬、筋弛緩薬での予防治療や対処療法などもありますが、これからのお薬は根本治療になりません

抗うつ薬は副作用として眠気や吐き気が出たりして生産性に影響がでることもあります。

特にデパス(エチゾラム)はすぐに効いて、早く効果がなくなるため、内服量がどんどん増えてしまう傾向にあったり、減薬をする際にめまいやしびれ感が出ることもあります。

 ③お薬による頭痛が起こりやすくなる(薬剤乱用頭痛)

1週間で2~3日以上、鎮痛薬を使う場合はお薬による頭痛(薬物乱用頭痛:MOH:medication overuse headache)が起こることがあります。

クスリが効かない頭痛の落とし穴は効果がないのでお薬を飲む、お薬を飲むためにまた頭痛が起こるということがあります。

お薬を飲んでも頭痛が治まらない時には、お薬以外の頭痛の対応方法を考慮してみましょう。

 ④無意識に飲酒が多くなる

ストレス頭痛である緊張型頭痛はお酒(アルコール)の筋弛緩作用で楽になります。

仕事の集中が切れ始める夕方に頭痛が起き始めるため、頭痛を紛らわすためにお酒を飲み仕事をする。

テレワークになったこともあり、プライベートと仕事の垣根が低くなった結果、早くからお酒を飲むようになった、いつのまにか飲酒量が多くなり、朝すっきりと起きれなくなったという方のご相談も多くなりました。

自分でできるストレス頭痛の対応方法

①夜ゆっくりとお風呂に入る

入浴はぬるめのお湯に長く浸かり、体を芯まで温めて血行を改善させて痛みをやわらげます

②軽い運動やストレッチ

痛みに関係する部分だけでなく、左右対称の動きを心がけて全身をバランスよく動かすことが重要

③ストレス をため込みすぎない

精神的なストレスは、慢性的に起こる中枢性の頭痛を引き起こします。

ストレスがない生活はできませんが、ストレスをため込みすぎない生活をするために、仕事・プライベートの他に第三の場所を作ることをおすすめします。

ストレス頭痛専門外来のおすすめな方

ストレス頭痛は身体的・精神的なストレスが原因とされています。

鎮痛薬・抗不安薬・抗うつ薬で治療していく方法もありますが、それでは根本治療にならないことも多いです。

  •  ・抗不安薬や抗うつ薬を使うことが不安
  •  ・身体的・精神的なストレスを薬を頼らず治療したい
  •  ・仕事の上司・部下関係などの人間関係が上手に回るようにしたい
  •  ・痛み止めが増えてきてしまったが効果がない
  •  ・お薬が増えていくことに不安を感じる

当院では、クスリの効かないストレス頭痛に対して心と体のカウンセリングを行いながら、ストレスに強い体づくりを行っていき、根本的な治療を目指します。

仕事を頑張りたいのに、なかなか成果が出ない理由にストレス頭痛があるかもしれません。

自分がストレス頭痛の可能性があるかも…という段階でのご相談も受け付けています。

まずはお気軽にご相談ください。

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