クスリの効かない「ストレス頭痛」とは?
こうした症状に心当たりがある方、それは“ストレス頭痛”かもしれません。
特に薬が効きにくい慢性的な頭の重だるさや締めつけ感は、単なる疲れや眼精疲労とは違うメカニズムで起きています。
なぜストレスで頭痛がでるの?
ストレスには、以下の3つのタイプがあります。
精神的ストレス:人間関係・将来への不安・家庭のプレッシャーなど
環境的ストレス:昇進、転職、介護・育児などの生活変化
身体的ストレス:長時間のPC作業・猫背・運動不足など
このうち、精神的なストレスが続くと、脳内で「痛みのブレーキ役」をしている神経系の働きが弱まり、痛みに過敏になります。
つまり、頭そのものに異常がなくても「痛みを感じやすい脳の状態」になってしまうのです。
ストレス頭痛セルフチェックリスト
ストレスが原因の頭痛であるストレス頭痛(緊張型頭痛)は以下のような症状が多いです。
- 頭全体が重く、しんどい、うっとうしい
- 首・肩こりが強い
- 頭にモヤがかかったように集中力が出ない(ブレインフォグ)
- 体がフワフワするようなめまいを感じる
- 温めると楽になる
どんなストレス頭痛にお薬が効かないの?
時々おこる軽い頭痛であれば、痛み止め(NSAIDs)や湿布でも効果があります。
しかし、頻繁に・慢性的に続くストレス頭痛の場合、こうした薬では根本的な改善が難しいことが多いのです。
なぜなら原因が「痛みをコントロールする脳の働きの乱れ」=中枢性の異常にあるからです。
単なる神経や筋肉の緊張ではないため、一般的な鎮痛薬では太刀打ちできません。
この慢性的な頭痛には、 痛み止め(NSAIDs)や湿布 がなかなか効果がありません。
あなたは大丈夫?ストレス頭痛になりやすいタイプ
パソコンや携帯を使う動作で下を向く姿勢が続いたり、座り仕事、長時間労働など同じ姿勢が続く身体ストレスにより緊張型頭痛はでやすくなります。
ストレスにより交感神経が優位になり、首や頭蓋骨周囲の筋肉が収縮し、酸素不足・栄養不足・疲労物質がたまることで神経が刺激され、痛みが生じるといわれています。
このような方は、早めのケアが必要です。
ストレス頭痛の改善は、専門的なケアがカギです
クスリの効かないストレス頭痛には当院では以下の4つの治療法を行っています。
①カウンセリング
ストレス頭痛の背景には、睡眠リズムの乱れや人間関係の悩み、働き方のストレスが潜んでいることが少なくありません。
- 生活カウンセリング
睡眠の質が低下している・メリハリがない生活になってきている状態の方に。
中長期的に自立して心身を整えられるようにサポートします。
- こころカウンセリング
「家族や職場には言えない悩み」、「考えることがいっぱいでいっぱいいっぱい」な状態を整理したい方に。
仕事でもプライベートでもない第三の場所として相談できるカウンセリングを行います。
- ビジネストレーニング
昇進・独立・責任の重さによるストレスを抱える方に。
ストレス頭痛が起きやすい人は、昇進したばかりの方や、経営者などが多いです。
自分のビジネスの在り方について1on 1トレーニングを行うことで根本の治療を行います。
②TMS治療
副作用が少なく、脳から整える“新しい選択肢”
TMSは、「第三のうつ治療」とも呼ばれる脳の磁気刺激療法で、薬に頼らず脳の神経ネットワークを整える治療です。
- 抗うつ薬や抗不安薬に比べて、副作用(眠気・吐き気・依存性)が少ない
- 集中力や思考力の改善が見込める
- 短期で治療効果がでやすい
「頭のモヤモヤ、集中力低下をスッキリさせたい」という方に選ばれています。
夕方になると抗不安薬のデパス(エチゾラム)を服用してなんとかやり過ごしていた方が、治療によって頭のモヤが晴れ、デパスなしでも集中力が続くようになったというケースもあります。
③鍼灸
鍼灸は鍼やお灸で固くなった筋肉を末梢から直接緩めていきます。
メリットは肩こりや首のコリが強い人、冷えが強い人、何もする気が起きないほど疲れている(気虚)の状態に補気の鍼灸をすることで改善ができます。
減薬の際のしびれや耳鳴り発汗などの自律神経の調整も行えます。
生理前や生理後に頭痛がする、生理痛が辛いという女性にもおすすめです。
④予防薬:抗うつ薬・抗不安薬
通院が難しい方でも続けやすい、内服による予防治療
痛み止めが効かない中枢性のストレス頭痛には、抗うつ薬や抗不安薬を予防的に使うことがあります。
メリット:外来が難しい方でも継続しやすい
デメリット:眠気・ぼんやり感が出ることがあり、抗不安薬は依存性のリスクも
医師と相談しながら、「必要最小限で使う」ことを重視しています。
クスリの効かない頭痛を放っておくと…4つのデメリット
「たかが頭痛」と我慢していませんか?
薬が効かないストレス頭痛(緊張型頭痛)を放置していると、心身のバランスが崩れ、生活や仕事に深刻な影響を及ぼすことがあります。
①生産性が低下する
頭痛は、日常の生産性を下げる原因の第2位ともいわれています。
「少しの頭痛だから大丈夫」「仕事はできる」と無理を重ねるうちに、脳がうまく働かず、ぼーっとして集中できない“ブレインフォグ”の状態に。
やるべきことがあっても手がつかず、判断力や処理能力も低下してしまいます。
②ベンゾジアゼピン系など心のお薬に依存しやすくなる
ストレス頭痛への対処として、抗不安薬・抗うつ薬・筋弛緩薬が処方されることがあります。
しかし、これらは根本治療ではなく、あくまで対症療法です。
特に抗うつ薬には眠気や吐き気などの副作用があり、集中力やパフォーマンスを下げることも。
また、ベンゾジアゼピンなどの抗不安薬、睡眠薬は、
即効性がある一方で、
効果が短く、
習慣化・依存につながりやすい
というリスクがあります。
特に抗不安薬の中でもデパス(エチゾラム)は内科で処方されることが多いです。すぐに効いて、早く効果がなくなるため、内服量がどんどん増えてしまう傾向にあったり、減薬をする際にめまいやしびれ感が出ることもあります。
③お薬による頭痛が起こりやすくなる(薬剤乱用頭痛)
週2~3日以上、鎮痛薬を使用している方は要注意です。
「薬を飲むほど頭痛が悪化する」薬物乱用頭痛(MOH)に陥っている可能性があります。
効かないから薬を飲む → 薬のせいでまた頭痛が起きる…という悪循環に。
薬で改善しない頭痛には、薬に頼らない根本的なアプローチが必要です。
④無意識に飲酒が多くなる
ストレス頭痛の原因である筋肉の緊張は、お酒(アルコール)の筋弛緩作用で一時的に和らぐことがあります。
夕方から頭痛が強くなると、お酒の回数や量が無意識に増えてしまうことも。
「気づかないうちに飲酒量が増えた」
「朝すっきり起きられない」
といった心当たりがあれば要注意です。
ストレス頭痛に対して、自分でできる対処法
①夜ゆっくりとお風呂に入る
ぬるめのお湯にじっくり浸かることで、血行が改善し筋肉の緊張がゆるみます。
②軽い運動やストレッチ
体の一部だけでなく、左右対称に全身をバランスよく動かすことで、緊張が和らぎます。
③第三の居場所をつくる
精神的なストレスは、慢性的に起こる中枢性の頭痛を引き起こします。
ストレスがない生活はできませんが、仕事・家庭以外の「自分を整える場所」があることで、ストレスを溜めにくくなります。
ストレス頭痛治療のおすすめな方
以下のような方は、ストレス頭痛治療をおすすめします。
痛み止めや抗不安薬の量が増えている
服薬に不安があり、薬以外の方法で治したい
人間関係(上司・部下・家庭)でストレスを感じやすい
頭痛のせいで仕事のパフォーマンスが上がらない
そもそも自分の頭痛が“ストレス性”かどうか不安
当院では、クスリの効かないストレス頭痛に対して心と体のカウンセリングを行いながら、ストレスに強い体づくりを行っていき、根本的な治療を目指します。
仕事を頑張りたいのに、なかなか成果が出ない理由にストレス頭痛があるかもしれません。
自分がストレス頭痛の可能性があるかも…というご相談も受け付けています。
まずはお気軽にご相談ください!