脳活動の「癖」を直す、ニューロモデュレーションとは
ネガティブモードから抜け出すための治療
「無くて七癖」と言いますが,体の使い方の癖が原因となり,肩こりや腰痛に悩まされることがあります.脳の使い方にも癖がつき,ネガティブになってしまう,不安になりやすい,つい家族やパートナーに当たってしまうなど,知らないうちについた思考の癖のために悩むことがあります.ネガティブモードから抜け出すことができず抑うつ症状がみられたり,ミスを気にするあまりに強迫観念に陥ってしまうなど,脳活動の癖により,脳のモードが固定され病的な症状を引き起こすこともあります.
このような脳活動の「癖」を薬に頼らずに解消する手法がニューロモデュレーションです.
ニューロモデュレーションにはマッサージのように受動的に脳活動の癖を修正する方法(rTMS, tDCS, VNS)や、
インストラクターについてスポーツやゲームを覚えるような感覚で主体的に脳活動の癖を修正する方法(NFB)があります.
当院のニューロモデュレーションの特徴
当院はニューロモデュレーション先進国である米国で15年以上にわたり最先端のニューロモデュレーション治療に携わってきたカウンセラーや,国内で脳機能の研究に携わってきた医師など経験豊富なスタッフを擁しています.当院ではQEEGにより,陥りやすい脳活動モード(うつ病,認知症,発達特性などの種々の疾患の傾向)を解析することで,心の不調の原因となる脳活動の癖を特定し,最先端の科学的知見を取り入れたニューロモデュレーションで脳活動の癖を解消することができます.
当院は働く方の心の不調に寄り添った治療を進めてきました.特にうつ病は日本では生涯有病率5.7%とよく見られる疾患です[1].しかし,残念なことに約3割の患者様は薬物療法や心理社会的な治療に対して反応を示しません[2].このためにニューロモデュレーションが世界的に研究され,発展してきたという背景があります.薬物療法による副作用で悩んでおられる方のための薬の漸減を目指した治療,また,急性期を薬物療法で切り抜けた後,心の不調状態に戻らないようにするための安定維持目的でニューロモデュレーションに取り組むメンテナンスプロトコルでの加療も検討することができます.お気軽にご相談ください.
[1]Ishikawa H, Tachimori H, Takeshima T, et al. Prevalence, treatment, and the correlates of common mental disorders in the mid 2010’s in Japan: The results of the world mental health Japan 2nd survey. J Affect Disord. 2018; 241: 554-562.
[2]Rush, A. J., Kraemer, H. C., Sackeim, H. A., et al. Report by the ACNP Task Force on response and remission in major depressive disorder. Neuropsychopharmacology, 31(9), 1841-1853.