不眠症・眠れない悩み|薬に頼らないCBT-I・睡眠外来|ベスリクリニック東京






Sleep & Insomnia Care

眠れない夜を
薬に頼らず
抜け出すために

睡眠の相談に対応する女性医師

眠れない、朝起きても疲れがとれない——
気合不足ではなく、脳が休めていないサインかも

寝つけない夜中に目が覚める早朝に目が覚める日中の強い眠気

神田駅 徒歩1分/平日夜20:30まで・土日も診療

監修:ベスリ会理事長・ベスリクリニック院長 田中 遥
(心療内科・睡眠障害内科)|更新日:2026-10-20

Self Check

まずはセルフチェック

当てはまる項目はありますか? タップして確認できます。

スマートフォンを手にする様子
患者さんに寄り添う女性医師

Why Besli

「働く人専門」だからできる
睡眠の立て直し

1

働きながら治せる

夜20:30まで・土日も診療。昼休みや退勤後に通えます。いびきがあるなら、睡眠時睡眠時無呼吸の自宅検査も。

2

「薬だけに頼らない」根本アプローチ

CBT-I(認知行動療法)をベースに、漢方・カウンセリング・Neruノートで再発の原因に向き合います。

3

「薬がなくても眠れる」をゴールに

睡眠力をつけながら段階的に減薬。自信がついた状態を“卒業”と呼びます。

当院の医師・スタッフは、産業医・産業保健スタッフとして働く人の健康を守ってきました。夜の睡眠だけでなく、職場・思考のクセ・日中の眠気まで診ます。

First Choice

世界の第一選択は、薬より先に「CBT-I」

主要な診療ガイドラインは、慢性不眠症にまずCBT-I(不眠の認知行動療法)を行い、効果が不十分なときだけ薬を短期間併用する順序を勧めています(米国内科学会2016・米国睡眠医学会2021・欧州睡眠学会2023改訂)。

カウンセリングの様子

日本ではCBT-Iを受けられる施設が少なく、「眠れない→とりあえず睡眠薬」になりがち。当院は最初からCBT-Iをご案内します。

世界の標準(主要ガイドライン)① まずCBT-I薬を使わない第一選択効果不十分なら② 短期間だけ薬必要に応じて補助的に日本でありがちな流れ眠れないとりあえずすぐ睡眠薬第一選択が後回しに
世界では“最初の一手”のCBT-Iが、日本では“薬の次”に。
各国ガイドラインでの位置づけ(比較表を見る)
不眠症の主な3つの治療法を、アメリカ・ヨーロッパ・日本の診療ガイドラインでの位置づけとエビデンスで比較した表。CBT-Iはアメリカとヨーロッパで第一選択、日本では第三選択とされ、エビデンス上は短期的にも長期的にも薬より有効。薬物療法はいずれの国でも第二選択で、短期的には有効だが長期的な有効性は不確実。睡眠衛生指導は、アメリカでは非推奨、ヨーロッパでは臨床的に支障がなければ用いる位置づけ、日本では第一選択とされるが、単体では効果が乏しい。
出典:[a] 米国内科学会 不眠症診療ガイドライン 2016(PMID: 27136449)/[b] 欧州 不眠症診療ガイドライン 2017(PMID: 28875581)/[c] 日本睡眠学会 睡眠薬の適正使用・休薬ガイドライン 2014/[d] De Crescenzo, et al. Lancet. 2022/[e] Furukawa Y, et al. Psychiatry Clin Neurosci. 2024/[f] 米国睡眠学会 不眠症の行動・心理的治療ガイドライン 2021(PMID: 33164742)/[g] Furukawa Y, et al. JAMA Psychiatry 2024

不眠症の治療は大きく①CBT-I ②薬物療法 ③睡眠衛生指導。薬は効果が早い一方、長期的な有効性や減薬のむずかしさが課題とされます。

妊活中・妊娠中など薬を避けたい方も、最初から非薬物で専門家と対面で進められます。妊活・妊娠中・産後の不眠はこちら →

About

不眠症とは? 4つのタイプと悪循環

寝つけない・途中で目が覚める・早く目が覚める・ぐっすり眠れない状態が続き、日中の眠気や集中力低下で生活に支障が出ている状態です。週3回以上・3か月以上続くと慢性不眠症の目安とされます。

入眠障害

寝つけない

中途覚醒

途中で目が覚める

早朝覚醒

早く目覚めて寝れない

熟眠障害

寝ても疲れが残る

眠れない夜寝つけない・途中で目が覚める「また眠れないかも」という不安・緊張脳が過覚醒になり、さらに寝つけない日中の眠気・生活リズムの乱れ
「また眠れないかも」の不安がさらに脳を覚醒させる。自己流では抜け出しにくいため、治療ではこの循環を断ち切ることを目指します。
眠れなくなる原因「5つのP」

強いストレスや働きすぎで脳に疲労がたまると、「覚醒スイッチ」が切れにくくなります。意志や根性ではなく、自律神経や神経伝達物質のバランスが崩れた医学的な状態です。

P1 身体的

痛み・かゆみ・頻尿、睡眠時無呼吸など

P2 生理的

交代勤務・時差・夜更かし、光・音・温度

P3 心理的

ストレス、「眠れないかも」という不安

P4 精神医学的

うつ病・適応障害・不安症に伴う不眠

P5 薬理学的

カフェイン・アルコール・ニコチン、一部の薬。寝酒はかえって眠りを浅くします。服用中の薬は自己判断で中断せず、医師・薬剤師にご相談ください。

放置するとどうなる? 寝だめでは回復しません
仕事

注意力・判断力・記憶力が低下。ミスが増えたと感じたら要注意。

心

不安やイライラが増え、うつ状態に発展することも。

体

免疫低下・高血圧・糖尿病リスク上昇との関連が報告されています。

市販薬や寝酒でしのぐのは根本解決にならず、悪化のリスクもあります。

「眠れない」は何科? 睡眠の病気・症状

仕事のストレスによる不眠・気分の落ち込みは心療内科・睡眠障害内科が適しています。うつ病や不安症が前面に出ている場合は精神科とも重なります。迷ったらまずご相談ください。必要に応じて連携先もご案内します。

Medication

睡眠薬の種類と特徴

「処方されたらやめられないのでは」と心配な方も多いですが、種類ごとに特徴は大きく異なります。当院は日中の生産性に影響が出にくいことを重視して選びます。

オレキシン受容体拮抗薬・メラトニン受容体作動薬

睡眠に関わるホルモンのバランスを整える新しいタイプ。現在の標準的治療で多用。

依存性は低い/翌日に残りにくい

ベンゾジアゼピン系

古くから使われ効果は高いが、やめると眠れなくなる離脱症状が出やすい。近年は処方が減少。

依存性はやや高め

抗うつ薬(鎮静作用)

不安や気分の落ち込みを伴う不眠に用いることがあります。

薬剤による

漢方薬

酸棗仁湯・加味帰脾湯など。体全体のバランスを整え、薬への抵抗感がある方にも。

穏やか

市販薬・サプリ

手軽だが効果が不十分なことも。医師の管理なしの長期使用は非推奨。

自己管理は注意

First Visit

はじめての睡眠外来 ―「薬ありき」ではありません

まず状態を丁寧に伺うところから始めます。「話すだけ」でも大丈夫です。

治療法を自分で選べる

薬なし/依存性の低い西洋薬を最小限/漢方から相談して選べます。

身体的な原因も確認

問診・採血で確認。必要なら自宅でできる簡易SAS検査も。

Neruノートで見える化

睡眠記録で自分のタイプを整理。減薬のタイミングの相談にも役立ちます。

睡眠トレーニング(全3回/約1.5か月)。日中のパフォーマンス回復を軸に、データや検査をもとに実行できる改善策を一緒に見つけます。他院に通院中の方が、トレーニング・カウンセリングのみを併診で受けることも可能です。
  1. 初診睡眠とストレスの状況を伺い、治療方針を相談
  2. 睡眠トレーニング(全3回/約1.5か月)短い間隔で通院
  3. 2週に1回睡眠が安定してきたら間隔を広げる
  4. 月1回さらに間隔を広げる
  5. 卒業薬がなくても眠れる状態を目指します

FAQ

よくある質問

何日くらい眠れなかったら受診したほうがいいですか?

眠れない状態が2週間以上続く、日中の眠気・倦怠感で仕事や運転に支障がある、気分の落ち込みや強い不安を伴う——いずれかが受診の目安です。慢性化する前のほうが回復もスムーズです。

不眠症は何科を受診すればいいですか?

仕事のストレスによる不眠や気分の落ち込みは、心療内科・睡眠障害内科が適しています。当院は問診から身体的原因の確認、薬を使わない睡眠トレーニングまで一貫して対応します。

薬を使わずに不眠を治すことはできますか?

多くの慢性不眠症では、CBT-Iが薬に頼らない治療の中心になります。漢方・カウンセリング・TMSなども組み合わせ、症状が強い場合は必要な範囲でお薬も併用します。

睡眠薬を処方されたら、やめられなくなりませんか?

種類や使い方によっては依存や離脱症状が生じることがあります。当院は必要なときに最小限だけ使い、依存しにくい形で減らすことを大切にし、CBT-Iとの組み合わせで減らしやすくします。自己判断で急に中止せず、医師と相談しましょう。

いま飲んでいる睡眠薬を減らしたいのですが?

減薬・休薬のサポートに対応しています。「調子がいい日に自分で減らす」と「悪い日に増やす」悪循環になりやすいため、専門スタッフと適切なタイミングを一緒に考えましょう。

ストレスが原因で眠れません。睡眠トレーニングは効果がありますか?

不眠の多くは、ストレスをきっかけとした生活習慣の変化です。トレーニングでは生活習慣を整え、ストレスに左右されにくい心身づくりを目指します。日中の落ち込みやイライラにも良い影響が期待できます。

考え事が止まらず、頭や身体が熱くて眠れません。

日中のストレスで頭や体に熱がこもっている可能性があります。睡眠トレーニングに加え、漢方薬やカウンセリングで整えることもあります。

お酒を飲めば眠れますが、続けても大丈夫ですか?

おすすめできません。アルコールは寝つきを良くしても睡眠の後半を浅くし、中途覚醒を増やします。量が増えやすく依存のリスクもあるため、習慣になっているなら早めにご相談ください。

市販の睡眠薬やサプリで対処してもいいですか?

一時的には役立つこともありますが、医師の管理なしの長期使用はおすすめできません。効果が不十分な場合や2週間以上不眠が続く場合は、早めにご相談ください。

夜になると脚がむずむずして眠れません。むずむず脚症候群でしょうか?

夕方から夜、じっとしていると脚の奥に「むずむず」「虫が這う」ような不快感が出て、動かすと楽になるのは、むずむず脚症候群に特徴的な症状です。鉄不足などが関わることもあり、原因に応じた治療が期待できます。詳しくはこちら

他の病院に通院中ですが、睡眠トレーニングだけ受けられますか?

可能です。かかりつけの先生はそのままに、睡眠トレーニング・カウンセリングのみを併診で受けられます。

仕事帰りや昼休みに通えますか?

神田駅から徒歩1分。平日は夜20:30まで、土日も診療しています。

心療内科に通っていることは、会社や家族に知られますか?

ご本人の同意なく、受診の事実が会社や家族に伝わることはありません。プライバシーに配慮して診療を行っています。

初診の予約方法と当日の流れを教えてください。当日受診はできますか?

Web予約で承っています。空きがあれば当日1時間前まで予約可能です。当日は問診・カウンセリングで状況を伺い、治療方針をご提案します。いきなり診断や処方ということはありません。

ベスリクリニック 院長 田中 遥 医師

Supervised by

田中 遥先生

医療法人社団ベスリ会 理事長
専門:心療内科・睡眠障害内科

「環境・身体・認知」の観点から状態を分解し、再発しない形で社会に復帰し、自立して働ける未来を目指す診療を行っています。不眠についても、薬に頼りきらない選択肢をご提案します。

Better Sleep, Better Work

眠れない夜を、
抱えないでください。

原因を一緒に整理し、あなたに合った眠りの回復を。薬を使う・使わないも、ご希望をそのままお聞かせください。

睡眠の相談はこちら

Detailed Guide

詳しく知りたい方へ
不眠症の原因・検査・治療ガイド

不眠症の基礎知識から、CBT-I・睡眠薬・漢方、セルフケア、受診の目安までをまとめました。気になる章だけ読んでも大丈夫です。

田中 遥 医師

監修:田中 遥医療法人社団ベスリ会 理事長
(心療内科・睡眠障害内科)
最終更新日:2026-10-20

01不眠症とは?診断の目安

不眠症は、①寝つけない・途中で目が覚める・早く目が覚める・ぐっすり眠れないといった夜の症状があり、②眠る時間や環境は確保できているのに起こり、③日中の疲労感・集中力低下・気分の不安定・眠気・ミスの増加など、生活に支障が出ている状態です。

短期不眠

3か月未満。仕事の山場や環境の変化など、きっかけがはっきりしていることが多い。

慢性不眠

週3回以上・3か月以上。きっかけが去っても続きやすく、治療の対象になります。

睡眠時間の長さだけでは決まりません。必要な睡眠時間には個人差があり、6時間でも日中元気に過ごせていれば問題ないこともあります。「時間」より「日中の状態」を目安にします。

02不眠の4タイプと、隠れていることが多い背景

入眠障害(寝つけない)

布団に入って30分〜1時間以上寝つけない。不安・考え事、就寝前のスマホやカフェイン、夜型の生活が背景に多い。

中途覚醒(夜中に目が覚める)

目が覚めたあと再び眠るまでに時間がかかる。加齢、寝酒、睡眠時無呼吸、頻尿、気分の落ち込みなどが関わります。

早朝覚醒(早く目が覚める)

予定よりかなり早く目が覚め、二度寝できない。うつ状態で目立つことがあります。

熟眠障害(眠った気がしない)

時間は足りているのに疲れが残る。睡眠時無呼吸やむずむず脚症候群が隠れていることがあります。

03不眠が慢性化するしくみ ―「3つの要因」

不眠は、きっかけだけでなく「続いてしまう要因」で慢性化すると考えられています。睡眠医療では次の3つに分けて整理します。

素因

もともとの眠りの浅さ、心配性、神経が高ぶりやすい体質など。

誘発因子

仕事の繁忙、人間関係、環境の変化、身体の病気など。

維持因子

眠れない不安、寝床で過ごす時間を増やす、休日の寝だめ、寝酒など。

きっかけが過ぎても眠れないのは、維持因子が働いているためです。CBT-Iは、この維持因子に直接はたらきかける治療です。

不眠の強さ ↑時間 →これを超えると症状が出る誘発因子(きっかけ)仕事の繁忙・環境の変化など素因(もともとの体質)維持因子で続いてしまうきっかけが去れば本来は戻る
図1:きっかけが過ぎても眠れないのは「維持因子」(眠れない不安・寝床で過ごす時間を増やす・寝だめ・寝酒など)が働いているため。CBT-Iはここに働きかけます。
原因を「5つのP」で整理する
  • 身体的(Physical):痛み・かゆみ・頻尿・咳、睡眠時無呼吸など
  • 生理的(Physiological):交代勤務・時差・夜更かし、光・音・温度
  • 心理的(Psychological):ストレス、「眠れないかも」という不安
  • 精神医学的(Psychiatric):うつ病・適応障害・不安症
  • 薬理学的(Pharmacological):カフェイン・アルコール・ニコチン、一部の薬

服用中の薬が眠りに影響することもあります。自己判断で中断せず、医師・薬剤師に相談してください。

04不眠と関係する病気 ― 見逃したくないもの

不眠の裏に別の病気が隠れていると、睡眠の工夫だけでは改善しません。初診では次の可能性も確認します。

うつ病

早朝覚醒、気分の落ち込み、興味や意欲の低下を伴う。

適応障害・不安症

ストレスの原因に反応して不眠や動悸が出る。

睡眠時無呼吸症候群

大きないびき、呼吸の停止、起床時の頭痛、日中の強い眠気。

むずむず脚症候群

夜、じっとしていると脚に不快感。鉄不足が関わることも。

概日リズム睡眠・覚醒障害

体内時計のズレ。極端な夜型、交代勤務、時差など。

甲状腺の病気・更年期

動悸・発汗・ほてりを伴う場合は血液検査などで確認。

睡眠時無呼吸症候群/むずむず脚症候群/更年期の不眠/夜勤・交代勤務

05不眠は何科を受診する?受診の目安

仕事のストレスによる不眠や、日中の不調を伴う不眠は心療内科・睡眠障害内科が適しています。うつ病や不安症が前面に出ている場合は精神科、いびき・無呼吸が中心なら呼吸器内科・耳鼻咽喉科、ほてりなど更年期症状が中心なら婦人科とも関わります。迷うときは、まず心療内科・睡眠障害内科へ。必要に応じて連携先をご案内します。

眠れない状態が続く気分の落ち込み・意欲低下が強いいびき・呼吸停止を指摘された原因が分からない・迷う精神科・心療内科うつ・不安症の評価呼吸器内科・耳鼻咽喉科簡易検査もご案内心療内科・睡眠障害内科まず原因を切り分け迷ったら、まず心療内科・睡眠障害内科へ。必要に応じて連携先をご案内します。
図2:受診先の目安。症状が重なる場合も多いため、当院では横断的に診て、必要なら連携先をご案内します。

受診の目安

  • 眠れない状態が2週間以上続いている
  • 日中の眠気・だるさで仕事や家事に支障がある
  • 睡眠薬や寝酒がないと眠れない、量が増えている
  • いびき・呼吸の停止を指摘された
  • 気分の落ち込み、強い不安、意欲の低下がある
早めの受診をおすすめするサイン。死にたい気持ちがある、日中に居眠り運転しそうになった、極端に気分が高ぶって眠らなくても平気な状態が続く、など。ただちに命に関わる状況では119番、またはお近くの救急外来へ。つらい気持ちを話せる窓口として「よりそいホットライン(0120-279-338)」もあります。

06診察と検査の内容

  1. 問診いつから・どんな眠れなさか、仕事や生活、気分の状態、服用中の薬、飲酒・カフェインを伺います。
  2. 睡眠の記録睡眠日誌(Neruノート)で、睡眠のタイプと日中の状態を見える化します。
  3. 血液検査など甲状腺の異常や貧血・鉄不足など、身体的な原因を確認します。
  4. 必要に応じて睡眠時無呼吸の検査自宅でできる簡易検査をご案内。さらに詳しい検査が必要な場合は連携先をご案内します。
  5. 治療方針を相談薬を使う・使わないのご希望も含めて、一緒に決めます。
不眠の評価に使われる尺度(アテネ不眠尺度など)

アテネ不眠尺度は、入眠までの時間・中途覚醒・早朝覚醒・睡眠の質・日中の状態など8項目で不眠の程度を評価する質問票で、合計点が6点以上で不眠症の可能性が示唆されます。診断はこの点数だけでなく、診察全体で判断します。

07不眠症の治療の全体像

治療は大きく、①CBT-I(認知行動療法)②薬物療法(睡眠薬・漢方など)③睡眠衛生指導の3つ。海外の主要ガイドラインでは、慢性不眠症に対してまずCBT-Iを検討し、効果が不十分なときに薬を短期間併用する流れが勧められています。うつ病や睡眠時無呼吸など背景の病気がある場合は、その治療も並行します。

当院の考え方。「薬を使わない」ではなく「薬に頼りきらない」。必要なときに必要最小限の薬を使いながら、自分で眠りを整えられる状態=“卒業”を目指します。

08CBT-I(不眠の認知行動療法)とは

CBT-Iは、眠りを妨げている「行動」と「考え方」を見直して、自然な眠りを取り戻す治療です。主に次の要素を組み合わせます。

睡眠スケジュール(睡眠制限法)

寝床にいる時間を実際の睡眠時間に近づけ、眠りの密度を高める。

刺激制御法

眠くなってから寝床に入り、眠れないときは寝床を離れて「寝床=眠る場所」を取り戻す。

認知の再構成

「8時間眠らないと」「眠れないと大変」という思い込みを和らげる。

リラクゼーション・睡眠衛生

緊張をゆるめる練習と、生活習慣・睡眠環境の調整。

① はじめ:寝床で8時間(眠れているのは5時間)眠れている 5時間起きている 3時間睡眠効率 約60%(寝床での時間のうち眠れている割合)② 寝床の時間を、実際の睡眠に近づける(5.5時間)眠れている 5時間睡眠効率 約90% → 眠りの密度が上がる③ 安定したら、少しずつ延ばす(6時間)眠れている 5.5時間睡眠効率 約90%を保ちながら、適した睡眠時間へ
図3:睡眠スケジュールのイメージ図(数値は例です)。実際の時間は睡眠日誌をもとに個別に設定します。始めは日中の眠気が出ることがあるため、自己流で行わず専門家と進めてください。

当院では、日中のパフォーマンス回復を軸にした全3回/約1.5か月の睡眠トレーニングとして実施しています。効果の現れ方には個人差があります。

CBT-Iで注意が必要な方・自己流の注意点

睡眠制限法は、始めの数日〜数週間に日中の眠気が強まることがあります。次の方は、必ず医師と相談して進めてください。

  • 双極性障害やてんかんがある方
  • 未治療の睡眠時無呼吸が疑われる方
  • 運転や危険を伴う作業が日中に多い方

睡眠日誌や生活リズムの調整は自分でも始められますが、睡眠時間を大きく削る方法を自己流で行うのは避けましょう。

09睡眠薬の種類・使い方・減薬

オレキシン受容体拮抗薬

覚醒を保つ物質(オレキシン)の働きを抑えて眠りに導く。スボレキサント、レンボレキサント、ダリドレキサントなど。

メラトニン受容体作動薬

体内時計に働きかけて自然な眠気を促す。ラメルテオンなど。

ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系

効果が出やすい一方、ふらつき・転倒、翌日の眠気、記憶障害、耐性・依存、急な中止による反跳性不眠や離脱症状に注意が必要です。

抗うつ薬(低用量・鎮静作用)

不安や気分の落ち込みを伴う不眠に使われます。不眠への使用は適応外となる薬剤もあるため、医師の説明を受けてください。

安全に使うための基本

  • 最小限の量・必要な期間で使い、効果と副作用を定期的に確認する
  • アルコールとの併用は避ける
  • 翌日の眠気がある間は、運転や危険な作業を控える
  • 自己判断で増量・急な中止をしない

減薬・休薬の進め方

多くの場合、睡眠が安定してきた段階で医師と相談しながら段階的に減らします。CBT-Iを並行すると減らしやすくなります。「調子がよい日に自分で減らし、悪い日に増やす」やり方は悪循環になりやすいため避けてください。

10漢方薬による治療

漢方薬は体質(証)や、心身の疲れ・不安・ほてりなどの状態に合わせて選びます。薬への抵抗感がある方や、西洋薬を最小限にしたい方の選択肢になります。効果の現れ方には個人差があります。

酸棗仁湯

心身が疲れているのに眠れない、眠りが浅い。

加味帰脾湯

不安・疲労が強く、思い悩みやすい。

抑肝散

イライラ・怒りっぽさ、神経の高ぶり。

柴胡加竜骨牡蠣湯

不安・動悸・胸のつかえを伴う不眠。

※代表的な例です。処方は診察のうえで医師が判断します。

11今日からできるセルフケア(睡眠衛生)

朝

起きる時刻を毎日そろえ、起きたら朝の光を浴びる。体内時計がリセットされます。

日中

適度に体を動かす。昼寝をするなら午後早めに、短時間にとどめる。

夕方〜夜

カフェインは夕方以降控えめに。寝酒・喫煙は避ける。入浴はぬるめで、就寝の1〜2時間前に。

寝室

暗く、静かで、暑すぎない環境に。時計を見える位置に置かない。

寝る前

スマホや仕事のメールは早めに切り上げる。考え事は紙に書き出して頭から出す。

眠れないとき

布団の中で粘らず、眠気が来るまで別の部屋で静かに過ごしてから戻る。

睡眠衛生だけで慢性不眠が治るとは限りません。2週間続けても改善しない、または日中の支障が大きいときは、CBT-Iを含めた治療をご相談ください。

12睡眠日誌のつけ方

まず2週間、朝起きたときに前夜を振り返って書きます。眠りのクセが見え、治療方針や減薬のタイミングを決める材料にもなります。

  • 布団に入った時刻・寝つくまでのおおよその時間
  • 夜中に目が覚めた回数・起きていた時間
  • 起きた時刻・布団を出た時刻
  • 日中の眠気・調子(5段階など)
  • カフェイン・飲酒・服薬・運動

当院では睡眠記録「Neruノート」を使って、睡眠のタイプを整理します。

13働く人の不眠 ― 仕事を止めずに整える

神田・大手町エリアで働く方は、繁忙期の長時間労働や持ち帰り仕事、会食、出張などで睡眠リズムが乱れがちです。「働きながら治せるか」「いまは休むべきか」を、仕事の状況を踏まえて一緒に判断します。

14ご家族・周囲の方へ

  • 「気合が足りない」と責めず、「眠れていないんだね」と受け止める
  • いびきや睡眠中の呼吸の停止に気づいたら、本人に伝えて受診を勧める
  • 睡眠薬の自己中止・自己増量をしないよう見守る
  • 気分の落ち込みや「消えてしまいたい」という言葉があれば、早めの受診に付き添う

15神田で睡眠の相談をするなら

ベスリクリニック東京は、神田駅から徒歩1分。昼休みや退勤後にも通えます。

住所
東京都千代田区神田鍛冶町3-2 神田サンミビル8階
平日
11:00〜14:30/16:00〜20:30
土曜
10:00〜18:30
日曜
10:00〜16:00
電話
03-5295-7555

※祝日などの診療日は公式サイトでご確認ください。空きがあれば当日1時間前までWeb予約が可能です。

16用語集

CBT-I
不眠症に対する認知行動療法。世界のガイドラインで第一選択とされる。
睡眠衛生
よい眠りのための生活習慣・環境の工夫。
睡眠効率
寝床にいた時間のうち、実際に眠れていた割合。
入眠潜時
布団に入ってから眠りにつくまでの時間。
概日リズム
約24時間周期の体内時計。光や食事、活動で調整される。
睡眠負債
睡眠不足が積み重なった状態。休日の寝だめでは解消しにくい。
反跳性不眠・離脱症状
睡眠薬を急にやめたときに、かえって眠れなくなる・不調が出ること。
オレキシン
脳の覚醒を保つ物質。その働きを抑える薬が不眠治療に使われる。
メラトニン
夜に分泌され、体内時計に働きかけるホルモン。
SAS(睡眠時無呼吸症候群)
睡眠中に呼吸が繰り返し止まり、眠りが分断される病気。

Q&A不眠症のよくある質問(41問)

症状・診断

眠れない日が数日続いたら、不眠症ですか?

数日〜数週間の一時的な不眠は、ストレスなどに伴って誰にでも起こります。週3回以上・3か月以上続く場合に慢性不眠症が疑われます。ただし日中の支障が大きいときは、期間にかかわらずご相談ください。

睡眠時間は何時間とれば十分ですか?

必要な睡眠時間には個人差があり、年齢でも変わります。時間の長さより、日中に眠気やだるさなく過ごせているかを目安にしてください。

夜中に1〜2回目が覚めるのは異常ですか?

誰でも眠りの途中で短く目が覚めることがあり、すぐ再び眠れて日中に支障がなければ心配いりません。目が覚めたあと眠れない状態が続く、日中の不調がある場合はご相談ください。

朝早く目が覚めてしまいます。うつ病でしょうか?

早朝覚醒はうつ状態で目立つことがありますが、加齢や生活リズムでも起こります。気分の落ち込み、興味や意欲の低下を伴うときは早めの受診をおすすめします。

十分寝ているのに疲れがとれません。

熟眠障害の可能性があります。睡眠時無呼吸やむずむず脚症候群、うつ状態、甲状腺の病気などが隠れていることもあるため、原因の切り分けが大切です。

いびきや呼吸が止まると言われました。

睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。放置すると日中の眠気や生活習慣病との関連が指摘されています。自宅でできる簡易検査をご案内しますので、ご相談ください。

不眠とうつ病は関係がありますか?

関係は双方向です。不眠はうつ病の症状であると同時に、うつ病のリスク要因にもなると考えられています。眠れない状態を早めに整えることが、心の健康を守ることにもつながります。

休日に寝だめすれば睡眠不足は解消できますか?

慢性的な睡眠不足は、寝だめでは解消しにくいとされています。休日も起床時刻を平日と大きくずらさず、規則的なリズムを保つほうが回復につながります。

子どもや受験生の不眠も相談できますか?

朝起きられない受験生・学生の睡眠リズムのご相談に対応しています。受験生の不眠のページもご覧ください。

睡眠薬・減薬

睡眠薬は一度飲み始めたら、一生やめられませんか?

そんなことはありません。多くの場合、睡眠が安定した段階で医師と相談しながら段階的に減らせます。CBT-Iを併用すると減薬しやすくなります。

睡眠薬の主な副作用は何ですか?

翌日の眠気、ふらつき、頭痛、記憶があいまいになるなどがあります。種類や量で出方は異なるため、気になる症状があれば自己判断で続けず医師に伝えてください。

睡眠薬とお酒を一緒に飲んでもいいですか?

避けてください。作用が強まり、ふらつきや記憶障害、呼吸への影響などの危険が高まります。

睡眠薬を飲んだ翌日に運転しても大丈夫ですか?

薬の種類や量、体質によって眠気が残ることがあります。運転や危険を伴う作業がある方は、処方時に必ず医師へお伝えください。

睡眠薬の依存が心配です。

薬の種類や使い方で、依存・耐性のリスクは異なります。必要な範囲で最小限だけ使い、定期的に見直しながら減らしていくことでリスクを抑えます。

減薬はどのように進めますか?

睡眠日誌で睡眠の安定を確認しながら、量を少しずつ減らす、使う頻度を空けるなどの方法を医師と決めます。急な中止は反跳性不眠の原因になるため避けてください。

「眠れない日だけ飲む」という使い方はできますか?

必要なときだけ使う方法が適する場合もありますが、薬の種類や状態によって異なります。使い方は医師の指示に従ってください。

妊娠中・授乳中でも睡眠薬は使えますか?

自己判断で使用・中止せず、必ず医師に相談してください。妊活中・妊娠中は、薬を使わないCBT-Iという選択肢もあります。妊活・妊娠中・産後の不眠はこちら

持病の薬との飲み合わせが心配です。

飲み合わせによっては作用が強まる薬があります。お薬手帳をお持ちのうえ、服用中の薬・サプリをすべてお伝えください。

睡眠薬を飲んでも翌日に眠気が残ります。

薬の種類や量、飲む時間の調整で改善することがあります。自己判断で量を変えず、医師にご相談ください。

漢方・サプリ・市販薬

漢方薬で眠れるようになりますか?

体質や症状に合う漢方薬で、眠りや日中の調子が整う方もいます。効果の現れ方には個人差があり、効果が不十分なときは他の治療を組み合わせます。

睡眠サプリは効果がありますか?

手軽に試せますが、効果は一定せず、医薬品の睡眠薬とは別のものです。長引く不眠には、原因に合った治療が必要です。

市販の睡眠改善薬は毎日使ってもいいですか?

抗ヒスタミン薬系の市販薬は、一時的な不眠向けです。連用は避け、2週間以上続く場合は受診をおすすめします。

サプリや漢方と処方薬を併用しても大丈夫ですか?

併用できないものもあります。使っているものはすべて医師・薬剤師にお伝えください。

CBT-I・カウンセリング

CBT-Iとは何ですか?

不眠を長引かせている行動や考え方を見直し、自然な眠りを取り戻す治療です。世界の主要ガイドラインで慢性不眠症の第一選択とされています。

CBT-Iはどのくらいで効果が出ますか?

個人差はありますが、数週間〜2か月程度で変化を感じ始める方が多いとされます。当院の睡眠トレーニングは全3回/約1.5か月です。

睡眠制限法は、つらくないですか?

始めのうちは日中の眠気が出ることがあります。医師・スタッフが状態を見ながら進め、運転などがある方は調整します。

CBT-Iを自分で試してもいいですか?

睡眠日誌や生活リズムの調整は自分でも始められます。ただし睡眠時間を大きく削る方法を自己流で行うのは避け、専門家と進めることをおすすめします。

CBT-Iと睡眠薬は、どちらを先にしたほうがいいですか?

ガイドラインではCBT-Iが先に検討されます。症状が強い場合は、必要最小限の薬を併用しながらCBT-Iを進めることもあります。

夜になると「眠れなかったらどうしよう」と不安になります。

この不安が眠りを妨げる悪循環をつくることがあります。CBT-Iでは、不安と睡眠の結びつきを和らげる練習を行います。

仕事・生活

仕事のストレスで眠れません。休職したほうがいいですか?

状態や職場の状況によります。診察で、働きながら治せるか、一時的に休むべきかを一緒に考えます。診断書の発行は診察のうえ医師が判断します。

夜勤・交代勤務で眠れなくなりました。

体内時計のズレが原因のことが多く、光の浴び方や睡眠時間帯の調整で整えます。夜勤・交代勤務の不眠はこちら

出張の時差ぼけで眠れません。

時差による体内時計のズレが原因です。出発前後の光や睡眠時間の調整が有効です。出張・時差ぼけのページはこちら

昼寝はしてもいいですか?

午後の早い時間に短く(30分以内が目安)とるなら問題ないことが多いです。夕方以降や長い昼寝は夜の眠りを妨げます。

寝る前のスマホはやめたほうがいいですか?

画面の光や、SNS・仕事のメールなどの刺激が脳を覚醒させることがあります。就寝前は早めに切り上げ、布団の中では使わないのがおすすめです。

運動は何時ごろがいいですか?

日中〜夕方の適度な運動が眠りを助けます。就寝直前の激しい運動は覚醒を高めるため避けてください。

受診・通院

初診ではどんなことをしますか?

問診で睡眠・ストレス・生活を伺い、必要に応じて血液検査や睡眠時無呼吸の簡易検査をご案内します。いきなり薬を処方するとは限りません。

初診に持っていくものはありますか?

お薬手帳(服用中の薬の情報)、健康診断の結果、睡眠の記録があればお持ちください。なくても受診できます。

診断書は発行してもらえますか?

診察のうえ、医師が必要性を判断します。目的(休職・復職など)をお伝えください。

費用や保険適用について知りたいです。

費用・保険適用の範囲は、診察や検査、治療の内容によって異なります。ご予約時または受付でご確認ください。

通院はどのくらいの頻度ですか?

最初は短い間隔で通院し、睡眠が安定したら2週に1回、月1回と間隔を広げていきます。

予約なしで行っても診てもらえますか?

混雑や診療枠の関係で、Web予約をおすすめしています。空きがあれば当日1時間前まで予約できます。

Ref参考にした情報・更新日・監修

  • 米国内科学会 慢性不眠症の管理に関する診療ガイドライン(2016)
  • 欧州睡眠研究学会 不眠症診断・管理ガイドライン(2017、2023年改訂)
  • 米国睡眠医学会 不眠症に対する行動・心理的治療の臨床診療ガイドライン(2021)
  • 日本睡眠学会 睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン(2014)
  • 厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023

最終更新日:2026-10-20/監修:田中 遥(ベスリクリニック院長・心療内科/睡眠障害内科)。本ページは一般的な情報提供を目的としており、個々の診断・治療を保証するものではありません。

眠れない夜を、抱えないでください。

「話すだけ」でも大丈夫です。神田駅 徒歩1分/平日夜20:30まで・土日も診療。

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