「こころ外来のこころカウンセリングとは?」

当事者の視点でカウンセリングを行ってきたカウンセラーが「職場での不全感」「家での居場所のなさ」「復職の不安」「わかっているけれどできないつらさ」から抜け出すコツを使いながら早期解決を目指します。

例えば、「うつ病」と診断されても、 A さんと B さんの症状や背景は全く異なります。 「うつ病」とひと括りに扱ってしまっては、その方の悩みの本質を見落としかねません。 こころ外来ではおひとりおひとりの悩みと丁寧に向き合いながら、最適な心理療法で 共に患者さんの「これから」を考えていきます。

このような方にお勧めです
  • 職場での悩みを相談できる人がいない
  • 休職中のサポートが欲しい
  • 夫婦や子供との家族関係に悩んでいる
  • ダメだとわかっているのにどうしてもやめられない
  • 以前の自分を取り戻したい

患者さんの事例

〜うつ病で再発を繰り返していたYさん〜
(※プライバシー情報保護の観点から事例には手を加えてあります)

Yさんは、うつ病の再発で休職することになり受診されました。「何度も再発を繰り返すのでは?」「会社に戻れそうも無い」とひどく落胆された表情でした。
そこで、「自分の人生」をテーマに、気持ちをゆっくりお聞きしそして整理していくことを繰り返し、会社とは関係のない価値の創出を行っていきました。
徐々に行動にも変化が出てきて、栃木や千葉などの林業やもの作りの会社との関係を作り、いくつかの団体の橋渡しを頼まれるくらいになりました。
週末は里山の整備で汗を流し、多くの人に頼りにされる自分となって、こころの安定が起きていきました。
うつになった原因も、自分のこころの持ち様が作りだしたと理解され、根本的な解決がされたのです。

~家族との会話ができなくなってしまった X さん~
(※プライバシー情報保護の観点から事例には手を加えてあります)

Xさんは、お子さんがメンタル不調となり、そのことを悩むうちにご自身も激しく落ち込 み仕事も手につかなくなるような状況で受診に至りました。
お子さんに気を使いすぎて思うように会話ができなくなる、心配すればするほどなぜか状況がこじれるという悪循環に陥っており、家庭内の雰囲気も険悪になるばかりでした。
こころカウンセリングでの時間を重ねるうちにXさんは、子どもであっても自分とは別の独立した人 間なのだということにハッと気づかれました。以後お子さんとも自然にコミュニケーショ ンを図れるようになっていき、気まずかった家庭の雰囲気にも少しずつ変化が表れてきました。ご自身も元気を取り戻し仕事にも以前のように精力的に取り組み始め、その後ほど なくしてクリニックを卒業されました。

~大切な人に尽くしすぎてしまい、自分を見失った W さん~
(※プライバシー情報保護の観点から事例には手を加えてあります)

Wさんは、自分が大切に思う人、尊敬する人ができた際に依存的で、自分を犠牲にしてでもお相手に尽くしてしまう傾向がありました。しかし、いくら尽くしても、結局自分が傷ついてしまうということを繰り返してました。

今回のお相手は、長年一緒に人生を歩み作ってきたこともあり、その心の傷つきも深く、抑うつ状態になり来院されました。

こころカウンセリングでは、一生懸命に人生を生きてきた自分をねぎらう取り組みを通し、心の傷を癒し、誰かに大切にされるだけではなく、自分が自分を大切にすることを一緒に学んで行きました。

少しずつ自分を大切にすることを学んだWさんは、気持ちの整理がついていき、新しい出会いにも前向きになり卒業となりました。

治療を受ける際の注意点

カウンセリングとは、相談者自身が気持ちや考えを整理し自ら答えを見つけ出していけるようにサポートをする心理療法です。つまり、「治療者が答えを指し示す」のがカウンセリングではなく、「患者さんが相談」のがカウンセリングです。

「カウンセリング」ときくと、医療者が口にする「カウンセリング」と患者さんが聞く「カウンセリング」はそれぞれの内側で全く異なる意味で機能している状況があるかもしれません。
「カウンセリングを受ける」のは患者さんであり、「カウンセリングをする」のは医療者であります。「相談をうける」のは医療者であり、「相談をする」のは患者さんです。

「カウンセリング」という言葉の助言、忠告の側面が強調されて、ある意味特殊な施術というイメージから「受ける」という表現が生じている可能性がありますが、カウンセラーも医師も人間です。神様ではありません。

カウンセリングを「うける」のではなく「する」という「ともに場を作っていく」心のありようで来談するほうが、患者さんの利益になると考えております。(参考:スクールカウンセリング モデル 100例 読み取る。支える。現場の工夫)

こころ外来ではこころの専門家としての 視点から指導やアドバイスをすることはありますが、決して答えをさし示すものではありません。