HSPに優しい副作用が少ないTMS治療


とても繊細な人(敏感な人)とは?

「元気にみられたいのに凹みやすい」、「先回りしすぎて疲れてしまう」、「約束の時間に遅れると一日台無しな気持ちになる」、「心も身体も疲れやすい」、「誰かの感情に左右されやすい」…
これらはHSP(Highly Sensitive Person)とても繊細な人(敏感な人)の特徴です。

Sensitve:敏感・繊細
というと弱さ、もろさ、不安定さという印象がありますが、そのような性質は、脳科学の世界では感覚処理感受性(Sensory Processing Sensitivity)とよびます。
この感覚処理感受性は人口のおおよそ20%、つまり5人に1人がHSPの特性を持っているといわれています。

自分はHSP? ~HSPがもつ4つの性質~

アーロン博士はHSPの気質には4つの特徴があり、4つすべて当てはまるとHSPとしています。

うつ病やメンタルへルスの問題をかかえやすいHSP

HSPは病気や病名ではありませんが、人や周囲の変化を敏感に感じ取る感受性により、常に周りに気をつかい、緊張状態が続いて疲れやすい傾向にあります。
敏感に異変を察知する能力は社会の中では危険を回避して大切な人を守る役割を持つ一方、弊害もあるのです。
もちろんHSPが全員うつ病やメンタルヘルスの問題を抱えるわけではありません。
しかしながら、落ち込みやすかったり、ぐるぐる思考になりやすかったり、身体の痛みや疲労、倦怠感を感じやすい、不眠になりやすい、脳疲労になりやすい傾向があるとも言われています。

HSP(Highly Sensitive Person)の原因とは? ~HSPの脳の状態~

近年の研究で、HSPは脳の島皮質や扁桃体と呼ばれる部分の活動がより活発であることがわかってきました。

島皮質は感情の理解を司り、身体の状態や外部環境の変化と感情を結びつける脳の部位です。

痛み刺激が繰り返されると、その痛み知覚に対して普通は順応を起こし、痛みが軽減されます。
しかしながら、島皮質の活動が増大しているときには同じ痛みにも関わらず、痛みに順応ができないことなどが知られています。

また、脳の扁桃体は感情を司どり、小さなことを大きくとらえてしまう、相手の感情に自分が大きく揺れ動くことで疲弊してしまいます。
詳しくはこちら

TMS治療とHSP(Highly Sensitive Person)

脳の島皮質の活動がより活発なため、HSPは感情の理解や身体の状態、環境の変化に繊細になります。

TMS治療は、シナプスや脳のネットワークの調整により、この島皮質や扁桃体の過活動を調整し、過剰すぎる繊細さを軽減できる可能性があります。

HSPに優しい副作用が少ないTMS治療とは?

当院では、島皮質や扁桃体の過活動、HSPのメンタル不調や脳疲労に対して、副作用が少ないTMS治療を行っています。
TMS治療とは、磁気による薬に頼らない治療で薬の副作用が出やすい、自分への感受性も強くなりすぎてだれかに自分のことを話すことさえ辛いような状態のときに、カウンセリングができる状態に整える治療です。

TMS治療による効果

TMS治療によって、さまざまな効果を期待できると考えられています。
島皮質や扁桃体の過活動抑制、心の不調・抑うつ症状や睡眠障害、集中力の低下などの他にも、疲労感の改善、食欲の改善など様々なお困りごとに治療ができます。

HSPで眠れなくなっている方の中には、夜寝る前にデジタル機器を用いることで光の感受性が強く覚醒してしまうこともあります。
寝る前2時間程度からPC、携帯から離れ、デジタルデトックスの時間を作ってみましょう。
睡眠衛生環境を整えてもなかなか眠れないときは、副作用や依存性に気をつけながら睡眠薬も一つの選択肢になります。
もしも副作用や依存性が怖いという場合には、不眠に対するTMS治療がおすすめです。

HSPに対するTMS治療症例報告 

※プライバシー情報保護の観点から事例には手を加えてあります

28歳 女性 ー周りを気にしすぎて落ち込んでしまうー

状態:HSP(自分がどう思われているかをきにしすぎてしまう)
治療法:TMS治療+HSP外来+ビジネストレーニング
デザイナーとして今の会社で3年働いているものの、6ヶ月前に昇進しプロジェクトをまかされ部下ができた。
忙しそうな部下に対してお願いをすることがハードルが高く、困らせるようであれば自分が頑張ろうとどんどん仕事を抱えていった
そのうち、電車の音がいやになったり、通勤が苦痛になってきたり、自分のリーダーシップのなさに周りの人が呆れているのではないか、話してもわかってもらえないのではないか、とどんどん肩身が狭くなってきた。
周りの人がどのように自分を考えているかを悩むと眠りにくくなり、頭がぼーっとして自分の仕事に集中できなくなったことをきっかけに受診した。
当院初診時、集中力の心理検査が25点(8点以上で不調)と集中力の低下があり、仕事のミスが多くなったと毎日反省会をしていると話されていました
週3日、休日を中心に短期集中治療で通院をして治療開始1回目から頭がすっきりしたような感じがすると話されていました。
TMS10回目の治療開始9日目には心理検査が13点(8点以上で不調)と心理検査上の改善も認め、落ち込むことはあるけれど、一人で反省会をして思い悩んで眠れなくなるほどではなくなったそうです。
自分を客観的に見れるようになってきたということで、HSP外来とビジネストレーニングを開始しました。
TMS20回目の治療開始21日目には心理検査が4点(8点以上で不調)になり、誰かに話しかけるハードルが下がり、仕事が頼みやすくなった。
自分や周りの仕事の把握や、他の人の感情が伝わっても動揺が少なくなった。HSPを克服できた!と笑顔で話されていました。
現在では週末の週1回メンテナンスTMS治療を行っています。

34歳 男性 ーイヤフォンがない生活をおくりたいー

状態:HSP(音の過敏性が強い)
治療法:TMS治療+HSP外来
高校生のときから、自分が他の人と違って聴覚や他の人の考えることがわかるなど感覚が繊細なことに気づいていました。
2度の転職後3ヶ月が立ったころから、だんだんと聴覚過敏がおおきくなり、クーラーの音や電車の音、都会の喧騒があるとストレスを感じる様になりました。
それでも事は続けないといけないことからイヤフォンをして生活をするようになりました。
しかしながら、イヤフォンをしていると上司から不真面目な社員だとみられているような感じがしたり、イヤフォンをしていても音が伝わってきてぐるぐる思考が止まらなかったりと段々と症状がひどくなっていることから当院へ受診されました。
当院初診時、集中力の心理検査が18点(8点以上で不調)と落ち込みや集中力の低下を認めました
TMS治療を開始し、TMS10回目には心理検査が6点(8点以上で不調)で改善しており、音の感受性が低下し、イヤフォンを外せる時間も増えてきたと話されていました。
それに加えて悩んでいた朝の早朝覚醒や、すっきり感のなさなどが改善したことから仕事の全体感が見えるようになったと喜ばれていました。
HSP外来を開始し、自分の特性と音が入ってきたときの対処法を学びました。
TMS20回目には、心理検査が5点(8点以上で不調)と安定しており、日曜日と週の真ん中の1日に2回TMS治療のメンテナンスを行っており、集中力の維持ができると喜ばれていました。

27歳 女性 ーイベントを計画するけれど途中で嫌になるー

状態:HSS(熱意が空回りしてしまう)
治療法:TMS治療 HSP外来
友人や会社のメンバーのイベントを企画するのが好きな性格ではあるものの、イベント前になるとドッと疲れてしまうことに悩まれていました。
イベントを計画してみんなが喜ぶ顔を見るのが好きな一方、メンバーから連絡が来なかったり、突然キャンセルになったりすると一件、一件がこころにドシンと負荷がかかってしまい、すぐに心が折れて意気消沈してしまう傾向にありました。
大事なイベントが1ヶ月後にあるものの、ミスなどが重なり、疲れてやめたくなっている一方、周りの人の手前簡単にやめるといえず、自分の中で板挟みになって、休日は疲れて1日寝てしまう、お風呂にはいると泣いてしまうことから来院されました。
当院初診時、落ち込みの心理検査が21点(8点以上で不調)と強い落ち込みを認め、顔も暗く疲れ切った印象でした 。
TMS治療を開始し、TMS5回目には段々と笑顔がみられ、TMS治療10回目には、心理検査が13点(8点以上で不調)と改善しており、HSP外来ではだんだんとまたエネルギーが戻ってきたと話されていました。
TMS20回目には、心理検査が3点(8点以上で不調)となり、イベントの前日には24回目が終わり、頑張ってきますとにこやかにご帰宅されました。

参照